2020年3月5日木曜日

IPO分析(ゼネテック)

【事業内容】
(1)システム受託開発事業
当社は、1985年7月に設立以来、移動体通信機分野(ポケットベル、携帯電話、PHSなど)の各種情報端末、自動車関連(カーナビ、カーオーディオ、インフォテインメントなど)の組込みシステムの設計開発をコア事業として発展してまいりました。
カーエレクトロニクス全般、デジタル情報家電、半導体製造装置分野などの組込みシステムに係るソフトウェア開発およびハードウェア開発において、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っております。
今後、特に、モビリティ分野の自動運転システム、安全運転アシストシステム、インフォテインメントシステムなどの成長が期待されており、また、各種制御系機器のインテリジェント化やデータ収集ニーズに伴う各種センサーの情報を取りまとめるエッジコンピュータやゲートウェイの需要なども成長が期待され、製造業分野でIoT関連の需要が大きく高まっていくと予測されておりますが、ソフトウェア専業開発と異なり、組み込みシステム開発にはハードウェア制御の知識が必須であり、また、製品の性格上、ソフトウェア開発と比べて非常に厳しい品質確保が要求されるものになるため、この領域は、当社の強みであるソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発力および通信・ネットワーク分野の開発技術力を活かせる分野になります。

(2)エンジニアリングソリューション事業
「製造業向け3次元CAD/CAMソリューション」「ロボットティーチングシステム」「工場・物流・マテハン3Dシミュレーションシステム」について、輸入販売、導入・技術支援、サポート、教育・研修などのソリューションサービス事業を行っております。また、今後、飛躍的な成長が見込まれる製造業向けIoT分野において、創立来34年間のシステム開発で培ってきた通信・制御・センサーデバイス、ネットワーク、クラウド技術をベースにしたモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を自社開発し、製造機械・設備の稼働監視システムや防犯・災害対策用遠隔カメラ監視ソリューションとして販売しております。

[製造業向け3次元CAD/CAMソリューション]
主力製品である「Mastercam」はCADで設計された製品や部品に対し、工具や切削方法といったNC工作機械で加工するための様々な情報を付加し、工作機械を制御する数値データに変換するCAMソフトウェアです。ソフトウェアの使用ライセンスに加えて、CAMの導入時に必要なポストプロセッサの開発、操作や設定についての教育・研修、保守メンテナンス・サポート契約など様々なサービスを提供しております。
[ロボットティーチングシステム]
通常、ロボットは付属しているコントローラを使用してロボットを実際に動かし、その動きを記録・再生させて作業を行います。このことを一般的にティーチングと呼びますが、「Robotmaster」は、パソコン上でロボットの動作データを作成し、ロボットに転送することで作業をさせることができます。これをオフラインティーチングと呼び、「Robotmaster」では従来型のティーチングに比べ約70%の作業時間削減を実現しています。
[工場・物流・マテハン3Dシミュレーションシステム]
日本国内では、ますます少子高齢化が進む中で、工場の見直し、ライン・設備等の見直し、省力化対応の機械、ロボットやIoTシステムの導入が一層進むと予想されますが、「FlexSim」は、製造・物流現場において投資対効果の高い最適な検証結果を企画段階で容易に導きだすことができ、工場・物流の生産性向上と利益の向上に貢献するシミュレーションソフトウェアであります。

(3)その他事業
緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動配信され、お互いの安否が把握できるスマートフォン用防災アプリである、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」を提供しております。
2018年9月より株式会社NTTドコモの提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スゴ得」に採用されており、また、2019年8月からはKDDI株式会社の提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スマートパス」にも採用されております。
今後、高齢者や子供の見守り用としてのサービス拡大や、地震・自然災害の多い国や地域へのサービス拡大を目指しております。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.3 4,004 127 134 83
(連結実績)2019.3 4,482 259 275 179
(連結予想)2020.3 4,840 310 295 190
(連結3Q累計実績)2020.3 3,385 152 153 100

1株当たりの数値(円)EPS BPS 配当
(連結予想)2020.3 126.24  - 3.5
調達資金使途 新製品・サービスソリューションの開発費、広告宣伝費、採用費および教育訓練費、販売代理店のトレーニング強化費用およびマーケティング強化費用

上場時発行済み株数 1,920,000株 (別に潜在株式114,000株)
公開株数 507,400株(公募312,000株、売り出し129,300株、オーバーアロットメント66,100株)
PER:34.8
PBR:
配当利回り:0.2%
公募時吸い上げ資金:9.1億
公募時時価:34億
    
【株主構成】 以下90日
上野憲二 代表取締役社長 673,000 41.85
上野大輔 代表取締役社長の血族、従業員 348,000 21.64 
山田陽国 特別利害関係者など 162,000 10.07
従業員持ち株会 特別利害関係者など 122,000 7.59
井上由佳 代表取締役社長の血族 87,000 5.41
八戸雅利 取締役 55,000 3.42
夏野剛 特別利害関係者など 40,000 2.49
金井登志雄 取締役 30,000 1.87
遠藤直哉 特別利害関係者など 20,000 1.24
浜登弘一 特別利害関係者など 2,000 0.12
後藤義仁 従業員 2,000 0.12
松本真英 従業員 2,000 0.12
木根渕清晃 従業員 2,000 0.12
池田陽一 従業員 2,000 0.12 他10名
他10名
  本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である山田陽國及び上野憲二、売出人である金井登志雄並びに当社株主である上野大輔、井上由佳、八戸雅利、夏野剛、遠藤直哉及び濱登弘一は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年6月16日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1950年08月01日生まれ
代表者略歴 
1977年04月 朝日ビジネスコンサルタント(株)(現富士ソフト(株))入社
1982年08月 (株)ニューメディカルサイエンス取締役
1983年04月 (株)シグマエレクトロニクス取締役
1985年07月 当社代表取締役社長(現任)
2016年12月 当社ココダヨ事業本部長
2019年03月 当社ココダヨ事業部長

【幹事団】
主幹事証券 みずほ 410,500(93.0)
引受証券 岡三 13,200(3.0)
引受証券 いちよし 8,800(2.0)
引受証券 SBI 4,400(1.0)
引受証券 マネックス 4,400(1.0)

【参考類似企業】今期予想PER 2/21
2349  エヌアイデイ 11.8倍(連結予想 )
3858  ユビキタスAI 854.5倍(連結予想 )
3918  PCIHD 27.3倍(連結予想 )
4394  エクスモーション 53.6倍(単独予想 )
4420  イーソル 64.3倍(連結予想 )
4430  東海ソフト 26.1倍(単独予想 )
4440  ヴィッツ 36.8倍(連結予想 )
9692  シーイーシー 17.2倍(連結見込 )

【私見】
 組み込み系ソフトで技術力は高そうで、業種としては人気になりそうです。業績は伸びてはいるものの大きな成長性があるかは何とも言い難く、PERからは割安感はあまりありません。需給は規模は小さめで、ロックもかかっているので初値段階である程度人気になりそうです。

想定価額:1700円
仮条件上限:1800円
初値予想:3000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

2 件のコメント:

  1. 明日のIPOは安値で寄りそうなので、狙えますね。私はここも関通も持ってますが、こたさんの分析通りなら安値では売れませんし、買い増します。こたさんはどのようにお考えでしょうか?

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  2. 先程あげました。
    明日の朝の景色次第ですが、特に関通はマークはしたいと思います。ゼネテックはドラフトみたいなイメージでいます。

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