2020年3月14日土曜日

IPO分析(Nex Tone)

【事業内容】
 ・著作権等管理事業(デジタルコンテンツディストリビューション業務)
音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。著作物(作品)を録音・編集した音源マスターを音楽業界では原盤と呼ばれていますが、この原盤を権利者からライセンスし、販売先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業です。2003年より国内でいち早く事業を開始しました。音楽コンテンツを保有するレコードメーカーや音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなど600社以上(2019年12月現在)の権利者との契約を保有し、今では国内屈指のデジタルディストリビューターとして、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しております。
当社が著作権を管理する作品が含まれる原盤をより多くのユーザーに販売することで、原盤の使用料が多く発生するのはもちろんのこと、同時に著作権使用料も発生しますので、自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し販売を促進することによって、著作権使用料の増大にも寄与しております。
<特徴>
・あらゆる配信種別(ストリーミング、ハイレゾなど)に向けて、スピーディーに対応しています。
・売上の最大化に向けて不可欠な「海外配信」においても、効率的なネットワークを構築しています。
・独自の原盤管理システムの稼働により、安全な配信運用および確実かつ詳細な分配と明細データの提供を実現しています。
・YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービスも提供しております。
  また、子会社のエムシージェイピーにおいて行っている音楽出版社向け業務代行サービスについては、再分配計算、著作権譲渡契約書・作品届の作成などの音楽出版社の管理業務を代行することによって、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の皆さまの業務負担の軽減と効率化を図っており、当社のグループ会社として培われたノウハウにより、最適な著作権管理方法のご提案とサポートを行っております。
 
キャスティング事業
 キャスティング・コンサルティングとして、アーティスト稼働やライブへのユーザー招待、楽曲タイアップ等に関わる様々な音楽コンテンツの権利処理を行い、企業キャンペーンや各サービスでの音楽コンテンツを中心に利用促進をコーディネートしております。またODSサポートとして、映画館での同時生中継(ライブビューイング)の実績も豊富で、アーティストライブに限らずミュージカルやプロスポーツの試合など、多分野のコンテンツを取り扱っております。その他、ドキュメンタリー映画や劇映画の配給・宣伝業務、映画館を利用したイベントコーディネートなども手がけております。
 レコード会社やメディア企業、配信プラットフォームなど、様々な企業と共同で新たなエンタテインメントサービスの開発に積極的にチャレンジするなど、多岐にわたってエンタテインメントビジネスをサポートしております。
 
・その他事業
 当社グループの業務ノウハウやコンテンツ配信ビジネスへの知見を活かした、音楽・映像などエンタテインメント業界のコンテンツビジネスに関するコンテンツ並びに印税契約管理、及び許諾・配信管理、印税計算や関係権利者への分配などのバックエンド業務に特化したシステム開発などを行っております。日々の膨大かつ複雑な著作権利用に係るデータや情報のシステム管理能力、手数料徴収及び権利者への分配金支払いの膨大な実務能力が必要であることから、新たなシステムの開発は常に求められている状況です。
 具体的には、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っております。


【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.3 2,331 98 103 61
(連結実績)2019.3 3,239 182 186 129
(連結予想)2020.3 4,302 279 267 173
(連結3Q累計実績)2020.3 3,181 252 251 177

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.3 63.96 699.71 0 
調達資金使途 システム開発費、設備投資、運転資金

上場時発行済み株数 3,079,000株 (別に潜在株式281,400株)
公開株数 1,064,500株(公募375,000株、売り出し550,700株、オーバーアロットメント138,800株)

PER:26.5
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:18.1億
公募時時価:52億
    
【株主構成】 以下180日
エイベックス・ミュージック・パブリッシング(株) その他の関係会社 790,400 26.48
(株)フェイス 特別利害関係者など 300,000 10.05
(株)アミューズ 特別利害関係者など 300,000 10.05
(株)JRCホールディングス 特別利害関係者など 257,600 8.63
三野明洋 元取締役会長、元相談役 246,200 8.25
(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント 特別利害関係者など 132,000 4.42
(株)創通 特別利害関係者など 118,000 3.95
(株)博報堂DYメディアパートナーズ 特別利害関係者など 100,000 3.35
(株)コーエーテクモゲームス 特別利害関係者など 90,000 3.01
(株)インターネットイニシアティブ 特別利害関係者など 70,000 2.34
本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である三野明洋、売出人であるエイベックス・ミュージック・パブリッシング株式会社、株式会社フェイス、株式会社アミューズ、株式会社JRCホールディングス、当社株主かつ当社役員である阿南雅浩、荒川祐二、名越禎二、松村晶司及び佐藤俊樹、当社子会社役員である伊藤圭介、猪熊宏志、足立大輔及び桃枝宏之、当社株主である株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社創通、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ、株式会社コーエーテクモゲームス、株式会社資生堂、株式会社LDHmusic&publishing、株式会社アップフロントグループ、NexTone従業員持株会、有限会社ラバーソウル、片岡郁夫、赤坂明紀、大塚ひとみ、戸田誠司、株式会社ブシロードミュージック、有限会社ユークリッド・エージェンシー、株式会社バンダイナムコホールディングス、セガサミーホールディングス株式会社、株式会社セージ、野村昌史、高橋邦美、小野里明裕、田中常夫及び川村和弘並びに当社新株予約権者である鈴木淳也、垣内貴彦及び鹿島賢司は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2020年9月25日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。
当社株主である株式会社EXIT Solutions及び大分ベンチャーキャピタル株式会社は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2020年6月27日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。

【代表者】
代表者生年月日 1962年09月01日生まれ
代表者略歴 
1986年04月 (株)シービーエス・ソニーグループ(現:(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下「SME」)) 入社
2004年06月 同社 コーポレート・スタッフ・グループ ゼネラルマネージャー兼契約グループ契約部部長
2005年04月 (株)ミュージックレイン 代表取締役 SMEコーポレート・スタッフ・グループ ゼネラルマネージャー兼SME契約グループ契約部部長
2006年06月 (株)ミュージック・オン・ティヴィー 取締役
2007年09月 エイベックス・グループ・ホールディングス(株)(現:エイベックス(株)) 執行役員
2014年06月 エイベックス・ミュージック・パブリッシング(株) 代表取締役社長
2015年03月 (株)イーライセンス(現当社)取締役  10月 同社 代表取締役社長
2016年02月 当社 代表取締役CEO(現任)

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 888,900 26.5
引受証券 岡三 9,200 1.0
引受証券 東海東京 9,200 1.0
引受証券 SBI 9,200 1.0
引受証券 マネックス 9,200 1.0

【参考類似企業】今期予想PER 3/6
4295  フェイス -倍(連結予想 )
4301  アミューズ 9.4倍(連結予想 )
4800  オリコン 16.6倍(連結予想 )
4838  Sシャワー 44.8倍(連結予想 )
7860  エイベックス 42.7倍(連結予想 )

【私見】
 類似業種がJASRACなので、上場銘柄の中では比較対象がなく業種妙味はあります。業績も伸びてはいますが、PER比較はできず判断が難しいところです。規模は中規模ですが、ロックはほぼかかっているので売り要素はありません。株主構成も面白く安定感もありますが、成長性が難しく高騰した初値の場合には厳しいかもしれません。

想定価額:1880円
仮条件上限:1700円
初値予想:2500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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