2020年3月9日月曜日

IPO分析(ヴィス)

【事業内容】
 (1) デザイナーズオフィス事業
当社のデザイナーズオフィス事業は、IT企業を中心にベンチャー企業をはじめとする中小企業から大手上場企業までを幅広く展開しております。

① 事業の内容
デザイナーズオフィス事業では、顧客のオフィスの移転や改装のニーズに対し、オフィス空間の設計デザインから施工までをワンストップで提供するほか、設計デザイン等部分的にも顧客のニーズに応じて、柔軟に提供しております。仕事環境の課題を可視化するため、経営層に対するインタビュー、従業員へのヒアリングを基に職場環境の調査(ワークプレイスサーベイ)を行い、はたらく人々にとって快適で効率性の高いオフィスを提供しております。オフィス空間のデザインやレイアウトの提案、機能性・デザイン性を考慮した家具・什器の選定(ファニチャーコーディネート)、インフラ整備といったサービスなど、移転・改装に関わる計画・予算・スケジュールをマネジメントし、プランニングから施工までを一連のサービスとして提供しております。
② 事業の特徴
イ 企業価値を高めるデザイン
デザイナーズオフィス事業では、空間・グラフィック・WEBデザインにより、コーポレート・アイデンティティの確立と企業ブランディングの構築を実現させ、顧客の企業価値を高めるオフィスの空間デザインを提供しております。企業が持つ「想い」や「らしさ」をより具現化して魅力的なカタチにデザインすることで、「従業員エンゲージメントや帰属意識の向上」や「生産性の向上」だけではなく、「洗練されたブランドイメージの確立」や「採用効率の向上」等のさまざまなシナジーを生み出すことにより、顧客の企業価値を高めることができると考えております。

ロ ワンストップソリューションによる顧客の業務軽減と個々のお客様にあった進行
オフィスを移転又は改装する場合、さまざまな専門業務が複雑に絡み合い、多岐にわたるタスクが生じます。当社では、オフィス移転・改装に関する一連のタスクを専属のプロジェクトマネージャーが一元管理することにより、顧客側で労力と時間を削減することができるとともに、正確かつ迅速に個々の顧客にあったプロジェクトを進行することができます。

ハ オフィス空間の実績・ノウハウ
当社は、5,000件を超えるデザイナーズオフィスの累計受注件数を積み上げており、独自のノウハウと高い企画力が強みであると考えております。
また、2008年には当社の手掛けたデザイナーズオフィスが、「ニューオフィス」づくりの普及・促進を図る事を目的として、日本経済新聞社と一般社団法人ニューオフィス推進協会が共同で主催する「日経ニューオフィス賞」を初めて受賞し、2017年以降は毎年継続して受賞しております。この「日経ニューオフィス賞」は、ワーカーが快適かつ機能的で精神的にゆとりを感じるような生活の場となっている、創造性を高める働き方を誘発する環境になっている、地球環境への影響や地域社会への貢献など社会性が配慮されている等の具体的な審査の視点により、表彰されるものであります。
 
(2) VISビル事業
VISビル事業は、現在準備中の事業であり、当事業を展開するために大阪府大阪市中央区に建物付き土地を取得しております。
なお、2019年3月期末において既存の全入居者の退去が完了しております。

① 新規事業参入の背景
当社がデザイナーズオフィス事業を開始してから16年が経過しており、デザイナーズオフィスは世の中に浸透し、徐々に広がりつつあります。しかしながらデザイナーズオフィスの認知度が低いため、国内外におけるデザイナーズオフィスの認知度を向上させ、マーケットを拡大していくことが重要な課題となっております。
また、昨今ではテレワーカーやフリーランスのワーカーの増加に伴って新しい働き方としてABW(※1)が注目されており、今後も働き方は多様化していくものと考えております。
そのため、オフィス空間デザインの実績とノウハウを活かし、「働く場」を自社でプロデュースするとともに「新しい働き方」を世の中に発信するVISビル事業を展開し、当社のデザイナーズオフィスの広告宣伝効果や認知度の向上、オフィスデザインを当社が行うことによるデザイナーズオフィス事業との相乗効果、ビル経営による収入基盤の確保と経営の安定化を図りたいと考えております。

② 想定している事業内容
事業内容としては、スタートアップ企業向けのテナント賃貸やレンタルオフィス、テレワーカーやフリーランスのワーカー向けのコワーキングスペースを提供することを計画しております。従来のテナントオフィスの区画を契約するというビルサービスだけではなく、コワーキングスペースやイベントの開催などを通じて「企業と企業、企業と個人が出会い、新たな価値を創出する場」を提供することにより、顧客の成長を支援してまいります。
なお、顧客のニーズや経済情勢等によっては事業内容を変更する可能性があります。

③ 今後の計画
2019年12月に既存ビルの解体工事が完了し、2020年1月よりVISビルの建設工事を開始しております。今後の計画としては、2021年3月期後半に建設工事及び各フロアの内装工事が完了し、入居者への賃貸を開始する予定であります。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2018.3 7,173 654 654 451
(単独実績)2019.3 8,670 920 914 626
(単独予想)2020.3 9,154 863 837 537
(単独3Q累計実績)2020.3 6,666 624 622 407
1株当たりの数値(円)EPS BPS 配当
(単独予想)2020.3 78.16  - 13.2

調達資金使途新築建物建設費用などの設備資金、業務関連システムの導入、借入金返済
上場時発行済み株数 8,152,300株 (別に潜在株式276,750株)
公開株数 2,242,500株(公募1,300,000株、売り出し650,000株、オーバーアロットメント292,500株)

PER:11.5
PBR:
配当利回り:1.5%
公募時吸い上げ資金:20.1億
公募時時価:73億
    
【株主構成】
(株)クレド 役員らが議決権の過半数を所有する会社 3,630,000 50.92 90・1.5
中村勇人 代表取締役社長 2,900,400 40.68 90・1.5
大滝仁実 常務取締役 160,950 2.26 90・1.5
金谷智浩 常務取締役 160,950 2.26 90・1.5
従業員持株会 特別利害関係者など 120,000 1.68 90・1.5
矢原裕一郎 取締役 4,500 0.06
浜本亜実 取締役 4,500 0.06
宇都宮則夫 監査役 4,500 0.06
小川金郎 監査役 4,500 0.06
村岡由隆 監査役 4,500 0.06
小倉麻美 執行役員 4,500 0.06
下川和久 従業員 4,500 0.06
岡村雅和 従業員 4,500 0.06
他4名
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、大株主であり売出人である株式会社クレド、当社株主、売出人、貸株人かつ当社役員である中村勇人、当社株主かつ当社役員である大滝仁実、金谷智浩並びに当社株主であるヴィス従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年6月22日)までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1960年07月18日生まれ
代表者略歴 年月 概要
1978年04月 (株)彩ユニオン 入社
1998年04月 (有)ヴィス(現(株)ヴィス) 設立
1999年01月 (株)ヴィス 組織変更 代表取締役社長 就任(現任)
2015年03月 (株)クレド 取締役 就任(現任)

【幹事団】
 主幹事証券 大和 1,755,000 90.0
引受証券 みずほ 39,000 2.0
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 39,000 2.0
引受証券 SBI 39,000 2.0
引受証券 エース 19,500 1.0
引受証券 SMBC日興 19,500 1.0
引受証券 マネックス 19,500 1.0
引受証券 岩井コスモ 19,500 1.0

【参考類似企業】今期予想PER(想定価格)
5070  ドラフト 18.1倍(連結予想 )

【私見】
 直近のドラフトと業種は同じで、ドラフトの影響を受けそうですが、業種的にはそれほど妙味はないと思っています。業績も悪くはないですが、今後成長するかは未知数で、PERからはドラフトより低いのは救いです。規模はそこそこあり、今の地合いが続くようでは買いが入りにくく厳しい展開が予想されます。

想定価額:820円
仮条件上限:900円
初値予想:1100円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3

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