2018年3月13日火曜日

IPO分析(日本リビング保証)

【事業内容】
(1)おうちのトータルメンテナンス事業
 「おうちのトータルメンテナンス事業」は主に「保証サービス」、「検査補修サービス」、「電子マネー発行サービス」で構成されており、住宅オーナー及び住宅事業者のニーズに合わせて、これらサービスを有機的に組み合わせて提供しております。
①「保証サービス」
「保証サービス」はキッチン、バス、給湯器、トイレ、洗面化粧台等の住宅設備を対象に、住宅設備メーカーの保証期間経過後における故障・不具合について無料修理を保証するサービスであります。新築住宅であればメーカーの保証期間は通常1~2年でありますが、当社グループは概ね5~10年を保証期間としております。
製品の瑕疵に対する修理保証は、過去、他社においては家電・自動車業界を中心に拡大し続けてきました。住宅設備は、近年機能が多様化・複雑化する一方、長期保証を行う事業者が稀であり、当社グループはその空白マーケットに着目し、平成21年8月に主に新築住宅・リフォームを販売する住宅事業者向けに「住宅設備の延長保証(商品名:住設あんしんサポート)」の販売を開始しており、現在、当社グループの主力サービスとなっております。住宅設備機器の保証は、通常、個々の機器に対して提供されますが、「住設あんしんサポート」の特徴は、新築住宅であれば住宅に設置される主要機器(キッチン、バス、給湯器、トイレ、洗面化粧台等)をセットにして提供されます。これにより、住宅購入者にとっては、保証料のセット割引や修理受付がワンストップ化されるメリットがあります。このサービスの販売方式は、(ⅰ)住宅事業者が、差別化・販促ツールとして自社が販売・施工する住宅(住宅設備)に標準付帯するケースと、(ⅱ)住宅事業者が、住宅(住宅設備)の販売・施工時にオプションサービスとして斡旋・仲介するケースの主に2種類の方式があります。
また、中古住宅の住宅設備は、経年劣化によるリスクの観点から一律に保証対象とすることは困難でありますが、事前に当社グループの検査員が検査を実施し、適合した機器のみを保証対象とする「売買あんしんサポート」を平成24年5月から販売開始しております。保証期間は新築住宅の住宅設備と異なり、リスクを勘案して3ヶ月~2年で設定しております。現在、当社は「売買あんしんサポート」を主に中古住宅の個人間売買を取り扱う不動産仲介会社に対してサービスを提供しており、不動産仲介会社においてはこのサービスを販売促進ツールとして利用することで、競合他社との差別化やアフターサービスの負担軽減を図ることが可能となります。
「保証サービス」においては、住宅事業者及びエンドユーザーに対する事業の信頼性を高め、かつ当社の経営リスクにおける将来の偶発債務を排除するため、長期(概ね保証期間2年超)の保証契約に対して、保証期間と同一の保険期間の保険契約を損害保険会社との間で締結しています。

②「検査補修サービス」
「検査補修サービス」は中古不動産の住宅設備等の検査・補修を提供するサービスであります。前述の「売買あんしんサポート」の拡販を続ける中で、検査・補修単独での受注が増え、現在は検査・補修単独でもサービスを提供しております。
「検査補修サービス」は、当社グループの社員、業務委託を行う個人及び外注先の検査・補修会社が実施します。当社グループが実施する「検査補修サービス」の対象範囲は、住宅設備からスタートし、現在では建物の躯体(屋根・外壁・基礎等)を含む住宅全体にまで拡大しており、住宅事業者のアフターサービスにおける検査・補修業務全般をワンストップで受託することも可能です。

③「電子マネー発行サービス」
「電子マネー発行サービス」では、100%子会社であるリビングポイント株式会社が、資金決済法における前払式支払手段(第三者型)発行者として、電子マネーである「おうちポイント」を発行しています。「おうちポイント」は、住生活に関連する物品・サービスを購入することができる電子マネーであり、有効期間が15年間と長いため、換気フィルター等の消耗品の交換やハウスクリーニング・家事代行の利用といった日常生活に必要な物品・サービスの購入から、将来のリフォームに向けた資金積立まで幅広い用途で利用できます。電子マネー購入方法は、住宅事業者が顧客に対して販促物として提供する方法、住宅購入者が住宅購入時に一括して購入する方法、住宅購入者が毎月積み立てる方法があります。
これまで、大手の住宅事業者は、「リフォーム積立」の分野において既存の金融商品(「積立型損害保険」「生命保険」「信託」等)を利用していましたが、住宅購入者に対する普及率は非常に低調でした。そこで、当社グループは、電子マネーを「リフォーム積立」に活用する「LOOPおうちサポート」を三井不動産グループと共同開発、平成25年11月に販売開始し、平成27年3月からは、「住設あんしんサポート」におうちポイント(電子マネー)を組み合わせた「住設あんしんサポートプレミアム」を、日本全国の住宅事業者に対して販売開始しました。当社グループの電子マネーは、鉄道系・流通系・オンラインゲーム等において特徴的な「少額決済」と、既存の金融商品において特徴的な「長期積立」の2つの機能を併せ持っております。住宅事業者にとっては、(ⅰ)キズ直し等の御用聞きサービスで発生する少額決済時の利便性と、(ⅱ)自社利用を前提とした電子マネーを顧客が積み立てていることによるリフォーム等のリピート率の向上を得られるメリットがあります。前払式支払手段としての電子マネーは、資金決済法により未使用残高の2分の1以上の額を発行保証金として供託する義務がありますが、当社グループにおいては、未使用残高の100%に相当する金額を供託し、信頼性を高めています。
 
(2)BPO事業(ビジネス・プロセス・アウトソーシング事業)
「BPO事業」は、当社グループが「おうちのトータルメンテナンス事業」により培ってきたノウハウや損害保険会社との提携関係を基に、住宅設備メーカーを中心とする委託者の延長保証制度構築をサポートし、延長保証制度に係るコールセンター受付、保証料の集金、保証書の発行、検査・補修の手配並びに損害保険会社との間で損害保険料及び保険金の精算業務等を受託する事業であります。
前述の「おうちのトータルメンテナンス事業」との違いは、延長保証制度の対象となる太陽光発電システム・パワーコンディショナー・蓄電池等の機器は、「おうちのトータルメンテナンス事業」の「保証サービス」における保証対象機器とは重複しないこと、及び当社グループ自身が保証債務を負わず、委託者の自社延長保証制度の構築・運営サポートに特化した事業であることです。
一般的に、延長保証に関連するビジネススキームでは、委託者と損害保険会社の間に利益相反が生じる(委託者が、架空の修理を請求する、修理対応可能でも新品交換してしまう)可能性を有するため、委託者の自社延長保証制度構築・運営をサポートする機能と損害保険会社の査定業務をサポートする機能を併せ持つ、当社グループのような第三者としての業務受託会社が必要となります。BPO事業では、住宅・不動産業界以外での業務受託も可能であり、直近ではカー用品大手企業から車検保証・タイヤパンク保証の案件を受注しております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2016.6 869 40 45 73
(連結実績)2017.6 1,031 67 76 89
(連結予想)2018.6 1,182 104 111 91
(連結中間実績)2018.6 568 54 57 35
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想 )2018.6 63.09 - 0 
上場時発行済み株数 1,562,500株 (別に潜在株式126,600株)
公開株数 184,500株(公募110,000株、売り出し50,500株、オーバーアロットメント24,000株)シンジケート 公開株数160,500株 (別に24,000株) 
PER:27.9
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:3.2憶
公募時時価:27億
    
【株主構成】
安達 慶高 代表取締役社長 283,500 17.95
荒川 拓也 代表取締役会長 252,000 15.96
竹林 俊介 取締役 252,000 15.96
愛田 司郎 特別利害関係者など 168,000 10.64
森永 秀一 特別利害関係者など 136,500 8.64
吉川 淳史 取締役 123,000 7.79
三井不動産レジデンシャル(株) 特別利害関係者など 76,000 4.81
吉崎 憲 特別利害関係者など 63,000 3.99
北野木材(株) 特別利害関係者など 42,000 2.66
あいおいニッセイ同和損害保険(株) 特別利害関係者など 42,000 2.66
 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である安達慶高、売出人である池内順平、荒川拓也、竹林俊介、愛田司郎及び森永秀一並びに当社株主である吉川淳史、吉崎憲、北野木材株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社及び城戸美代子は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年6月27日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。
 また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成30年2月23日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者生年月日
1972年08月08日生まれ
代表者略歴
1995年04月 (株)三和銀行(現 (株)三菱東京UFJ銀行)入行
2004年04月 マーシュ・ジャパン(株) 入社
2006年08月 日本震災パートナーズ(株)(現 SBIリスタ少額短期保険(株))入社
2010年09月 当社取締役就任
2013年09月 当社代表取締役就任(現任)

【幹事団】
主幹事証券 みずほ - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 SBI - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 エース - -
引受証券 丸三 - -
引受証券 水戸 - -
引受証券 マネックス - -

【私見】
住宅関連だけでは面白みはありませんが、住宅設備の保証という初物感はあるので優位性はあります。業績は大きな成長性は感じず、PERも低めではないのは気になるところです。需給は抜群に良く、小規模でVCもいないので初値段階で人気になるでしょう。しかし、そこから上げるのはPERからも難しいかもしれません。
想定価額:1700円

仮条件上限:1760円
初値予想:4500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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