2018年3月11日日曜日

IPO分析(RPAホールディングス)

【事業内容】
・ロボットアウトソーシング事業 
 ロボットアウトソーシングとは、人間が行うデータの入力、データ連携などの処理行動を学習し、作業工程を記録することで定型作業を人間に代わって業務を代行・代替する取り組みです。この取り組みは、ルールエンジン、人工知能及び機械学習等を含む認知技術を活用し、人事、経理財務、調達及び営業事務などの業務領域で、これまで人間のみが対応可能とされていた業務を代行・代替する取組みで、RPAと呼ばれています。RPAは人間の補完として業務を遂行できることから、新しい労働力を創出する仕組み、または仮想知的労働者とも言われています。 
 当社グループのロボットアウトソーシング事業では、RPAテクノロジーズ株式会社がRPAに関する企画・開発・提供を行い、RPAエンジニアリング株式会社がRPAの導入を支援するRPAエンジニアリング事業を行っています。 
 ロボットアウトソーシング事業では、インターネット上の情報、社内データ、エクセルなどの保存データから、必要な情報を収集・加工・集計・報告などの多種多様な定型作業の代行を行うDigital Laborを作成するプラットフォーム「BizRobo!」を開発・提供、スキャナ・複合機・FAX・スマホカメラから読み取ったデータ等、非定型帳票に関する処理の代行を行う「ScanRobo」を開発・提供している他、イギリスのBlue Prism Group PLCやイスラエルのNICE Ltd.等が提供するRPAソフトウェアの提供や、RPAに関するサービスの企画・開発をしております。RPAエンジニアリング事業では、上記「BizRobo!」、「ScanRobo」、その他RPAソフトウェアの導入業務、運用・保守サポート業務を行うRPAエンジニアリング事業を行っています。 
 当社グループでは、RPAサービスの提供を当社グループからの直接提供のほか、コンサルティング会社やシステム開発会社等のパートナー企業を通じた提供も行っております。 
 近年においては、パートナー企業と連携し、Digital Laborを活用した新規事業創造を進めております。平成29年4月に株式会社ビジネスブレイン太田昭和と業務提携し、経理財務業務・人事総務業務等の間接業務の受託においてDigital Laborを活用したサービスの提供を、平成29年7月にソフトバンク株式会社と業務提携し、RPAの普及を目的に導入トレーニング、検定試験、導入支援サービスなど導入サポートが充実したRPAソリューションの提供を行っています。 

・アドネットワーク事業 
 株式会社セグメントが営むアドネットワーク事業は、成果報酬型広告サービス「PRESCO(プレスコ)」とBtoBマーケティングサービスを展開しております。 
 成果報酬型広告は「アフィリエイト」とも呼ばれ、広告掲載を希望する企業(以下、「広告主」という。)が、広告掲載メディア(以下、「パートナー」という。)のウェブサイト上に広告を掲載し、閲覧者(以下、「ユーザー」という。)が広告掲載メディアから商品やサービス等の申込みや購入・見積り・会員獲得・資料請求等を行い、広告主により正式な申込みや購入、見積依頼、資料請求であると承認された場合に成果報酬を受領する仕組みの広告形態です。 
 「PRESCO」は平成24年9月にNTTコミュニケーションズ株式会社のアフィリエイトサービスのサービス終了に伴い、顧客基盤を引き継いで運営を開始致しました。少子高齢化による医療人材需要が拡大していることを踏まえ、薬剤師、看護師を対象とした医療転職業界の人材サービス会社を主要な顧客として事業を展開しております。 
 「PRESCO」は広告主とパートナーを結びつける成果報酬型のプロモーションサービスです。広告主が広告を掲載、パートナーが「PRESCO」に登録された広告主の広告を掲載するためには「PRESCO」に登録する必要があります。登録したパートナーが「PRESCO」を通じて自ら運営するウェブサイト上に広告を設置し、そのウェブサイトの広告主が掲載した商品やサービス等を見たユーザーからの申込みや購入・見積り・会員獲得・資料請求等の成果に対して、広告主がパートナーに対して成果報酬を支払うビジネスモデルです。 
 パートナーの獲得に関しては、ウェブサイト運営者に対して、医療転職業界における転職希望者による検索キーワードや関連メディアの検索順位変動状況の提供、検索エンジン対策支援や当業界における規制や法律変更等のトピックスの提供を行うことで、パートナーの獲得を図っております。 
 また、RPAを活用し、広告代理店やオンラインメディア運営企業などオンライン広告業界を対象に、検索キーワード、検索順位データ等のマーケティングデータの収集・集計・レポーティング業務の代行を目的とした、RPAソリューション「PRESCO Robo」も提供しております。 
 BtoBマーケティングサービスでは、ソフトウェア企業などの法人向け商材に特化したマーケティング支援サービスを提供しております。顧客企業の商品に関する情報を継続的に発信することでウェブサイトから見込顧客の獲得を支援するインバウンリード獲得支援サービス、顧客企業の自社メディアの運営を支援するオウンドメディア運営支援サービス、顧客企業の見込顧客に対して、メルマガやセミナー、Webコンテンツなどで情報を提供することで、顧客企業の製品やサービスへの購買意欲を高めていくための活動、プロセスを支援するマーケティングオートメーション支援サービス、顧客企業の見込顧客を顧客企業のウェブサイトに惹きつけ、顧客企業の商材を売り込まずに顧客との関係性を構築するコンテンツマーケティング支援サービスを提供しております。なお、当社グループのRPAテクノロジーズ株式会社に対してもウェブサイトの企画、運営、コンテンツ制作を提供しております。 
 また、人工知能とRPAの情報提供に特化した会員制メディア「RPA BANK」を運営しております。「RPA BANK」はRPA・人工知能を導入あるいは導入検討している企業に対して、国内外のRPA・人工知能に関するニュース、導入ユーザーの事例、RPAソフトウェアメーカーの製品・サービス・技術関連資料、人工知能開発メーカーの製品・サービス・技術関連資料など新技術/ソリューションに関する情報、ユーザー/技術者向け各種セミナー・イベント開催情報などのコンテンツを提供する会員制メディアです。 
 メディア運営の他、東京において月1回RPA、人工知能に関する定期的なセミナーの開催や、平成29年7月に東京、平成29年11月に大阪でRPA、人工知能に関するイベントの開催を行っております。 

・セールスアウトソーシング事業 
 リーグル株式会社が営むセールスアウトソーシング事業は、ソフトウェア開発企業などIT企業の営業活動におけるニーズ調査、アポイントの獲得のための電話を代行するセールスアウトソーシングサービスを提供しております。 

・コンサルティング事業 
 オープンアソシエイツ株式会社が営むコンサルティング事業では、企業における研究開発分野における要素技術の用途仮説等の仮説検証活動、海外事業分野における市場調査、現地企業調査、オペレーション構築、マーケティング等の事業開発活動等を支援するコンサルティングサービスを提供しております。 


【業績等】 
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2016.2 807 23 29 21 
(連結実績)2017.2 2,644 166 158 155 
(連結予想)2018.2 4,031 - 403 269 
(連結3Q累計実績)2018.2 2,920 345 337 225 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想 )2018.2 55.71 - -  

上場時発行済み株数 5,170,000株 (別に潜在株式859,800株)
公開株数 600,000株(公募50,000株、売り出し550,000株)シンジケート 公開株数600,000株/ 

PER:64.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:21.4憶
公募時時価:184憶

    
【参考類似企業 今期予想PER(2/27)】
2122  Iスペース 17.0倍(連結予想 )
2461  ファンコミ 16.4倍(連結予想 )
2489  アドウェイズ 88.4倍(連結予想 )
2491  Vコマース 25.9倍(連結予想 )
6560  LTS 49.8倍(連結予想 )


【株主構成】
高橋 知道 代表取締役 2,470,000 41.03 90日
大角 暢之 取締役、子会社の役員 775,000 12.87 90日
GMCM VCP 1 PTE.LTD. ベンチャーキャピタル(ファンド) 700,000 11.63  1.5倍
山根 大 子会社の役員 310,000 5.15 90日
石井 岳之 子会社の役員 275,000 4.57  90日
松井 哲史 取締役 255,000 4.24  90日
ソフトバンク(株) 資本業務提携先 230,000 3.82 
西木 隆 監査役 200,000 3.32 90日
松本 深雪 顧問税理士 154,800 2.57 
FinTechビジネスイノベーション ベンチャーキャピタル(ファンド) 140,000 2.33 

ロックアップについて 
 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主かつ売出人である髙橋知道、大角暢之、山根大、石井岳之、松井哲史及び西木隆、当社株主である西江肇司、羽入敏祐、永井栄一及び藤田智弘は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年6月24日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。 
 当社株主かつ売出人であるGMCM VCP 1 PTE.LTD.は、主幹事証券に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所における売却等は除く。)を行わない旨合意しております。 
 また、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成30年9月22日までの期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)等を行わない旨合意しております。 


【代表者】
代表者生年月日 1970年06月09日生まれ 
代表者略歴
1993年06月 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア(株))入社 
1996年11月 ソフトバンク(株)(現ソフトバンクグループ(株))入社 
2000年04月 当社設立、代表取締役就任(現任) 
2005年05月 (株)ベクトル取締役就任 
2008年12月 リーグル(株)取締役就任(現任) 
2012年11月 (株)セグメント取締役就任(現任) 
2013年07月 ビズロボジャパン(株)(現RPAテクノロジーズ(株))取締役(現任) 8月:維酷公共関係諮問(上海)有限公司監事就任  9月:(株)アドベンチャー取締役就任 
2016年01月 オープンアソシエイツ(株)取締役就任(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 SBI - - 
引受証券 大和 - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 エース - - 
引受証券 マネックス - - 
引受証券 岡三 - - 
引受証券 極東 - - 
引受証券 藍沢 - - 
引受証券 東洋 - - 
引受証券 岩井コスモ - - 


【私見】
  ロボット、AI関連で業種としては面白いです。業績も好調でPERからは割高感はあるものの、2月決算なので次期予測に引き直せばそこまで高くはないかもしれません。ソフトバンクと提携もしていますが、ジーニーが思わしくなかったように必ずしも株価にはプラスとは限りません。需給は時価総額も大きく、VCも1.5倍を過ぎたところから売れるので不安要素は多いです。初値段階で2倍になることが予想され、時価総額400億から上がるかは微妙でセカンダリーはやや厳しいと予想します。

3月11日加筆
→本日の日経新聞の記載もあったように、思っていた以上にRPAの注目度は高いことが分かりました。会社名にもあるようにド本命なので、初値予想は据え置きますが、セカンダリー期待度と評価を上方修正しました。マネーフォワードのように、短期で時価総額500億を超え、中期で1000億を目指す規模になるかもしれません。


想定価額:3200円
仮条件上限:3570円
初値予想:8000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立→やや強気

総合評価3.5→4

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