2018年6月3日日曜日

IPO分析(メルカリ)

【事業内容】
1、サービス概要 
 当社グループが運営する「メルカリ」はスマートフォンに特化した個人間取引(CtoC)のためのマーケットプレイスであり、誰でもスマートフォン上で簡単・手軽に中古品を売買できるという今までになかったユニークなユーザ体験を提供しています。 
 従来型の店舗における中古品売買は、来店に時間を要する、取り扱い商品が限定的である、買取業者が仲介するため売手と買手の双方にとって価格が不透明である等の課題がありました。また、インターネットオークションを利用した中古品売買も、出品が煩雑で難しい、入札プロセスに時間がかかるといった課題がありました。 
 「メルカリ」では、スマートフォンから誰でも簡単に商品を出品・購入することができます。また、配送業者やコンビニエンスストアとの提携により、簡便かつ手頃な価格の配送オプションを提供しています。更に、出品者・購入者共に個人が中心であるため、誰でも手軽に不要品を販売してお金に換える楽しみや、ユニークな中古品を探す「宝探し」感覚での買物を体験することができます。 

2、当社グループが運営するサービス 
 当社グループは当社と連結子会社である株式会社ソウゾウ、Mercari, Inc.(米国)、Mercari Europe Ltd(英国)、Merpay Ltd(英国)、株式会社メルペイの6社で構成されており、マーケットプレイス関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 
 当社グループでは、当社が運営するオールジャンルの商品を取り扱うCtoCマーケットプレイスである「メルカリ」に加えて、株式会社ソウゾウが本・CD・DVD等に特化した「メルカリ カウル」、及びブランド品に特化した「メルカリ メゾンズ」の2つのCtoCマーケットプレイスを運営しております。また、米国・英国においては現地子会社がそれぞれオールジャンルのCtoCマーケットプレイス「Mercari」を運営しております。 
 また、決済・金融関連事業の展開に向けて、株式会社メルペイを平成29年11月に設立いたしました。加えて、平成30年2月にはシェアサイクルサービス「メルチャリ」の運営を福岡市内で開始、平成30年4月には個人間のスキルシェアサービス「teacha」の運営を開始するなど、CtoCマーケットプレイスのみならず、他の領域においても事業展開の拡大に努めております。なお、株式会社ソウゾウが運営しているクラシファイドアプリ「メルカリ アッテ」は、平成30年5月31日をもってサービスを終了いたします。 
 当社グループは、平成26年10月から「メルカリ」において、平成28年10月から米国の「Mercari」において、それぞれ商品代金に応じた手数料をいただいております。商品が購入された際に、当社グループは購入された商品に対し10%の手数料を出品者より受領し、購入者が支払った商品代金から手数料を差し引いた金額を出品者に支払っております。当社グループでは当該手数料部分を売上高に計上しております。なお、当社は平成30年1月よりユーザ規約の変更に伴い、従来、広告宣伝費として計上しておりましたクーポン利用額を売上高の減少としても処理しております。 
 なお、英国の「Mercari」では、更なるサービスの拡大に向けたユーザの獲得を優先しており、現段階では手数料・利用料等はいただいておりません。 


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2016.6 12,256 -42 -97 -348 
(連結実績)2017.6 22,071 -2,775 -2,779 -4,207 
(連結予想)2018.6 35,800 -  -   -  
(連結3Q累計実績)2018.6 26,147 -1,896 -1,951 -3,434 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想 )2018.6 - -  -  

調達資金使途 借入金の返済、広告宣伝費 

上場時発行済み株数 135,331,322株 (別に潜在株式24,516,570株) 
公開株数 43,554,800株(公募18,159,500株、売り出し22,554,800株、オーバーアロットメント2,840,500株) 
シンジケート 公開株数18,936,900株 (別に2,840,500株)

PER:
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:1307億
公募時時価:4060億

    

【株主構成】
山田 進太郎 代表取締役会長兼CEO、子会社代表取締役 40,842,730 28.83 
ユナイテッド(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 15,000,000 10.59 
富島 寛 執行役員 10,200,000 7.20 
グローバル・ブレイン5号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 7,934,000 5.60 
(株)suadd 役員らが議決権の過半数を所有する会社 6,600,000 4.66 
WiL Fund I,L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 6,066,780 4.28 
イーストベンチャーズ投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 5,450,000 3.85 
グロービス4号ファンド投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 5,307,270 3.75 
三井物産(株) 特別利害関係者など 3,271,020 2.31 
Globis Fund IV,L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 3,180,930 2.25 

 グローバル・オファリングに関連して、売出人かつ貸株人である山田進太郎、売出人であるユナイテッド株式会社、富島寛、グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合、株式会社suadd、WiL Fund Ⅰ, L.P.、イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合、グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合、三井物産株式会社、Globis Fund IV, L.P.、石塚亮、テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合、株式会社日本政策投資銀行、鶴岡達也、胡華、GMO VenturePartners3投資事業有限責任組合、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合、猪木俊宏、GMOペイメントゲートウェイ株式会社、石川篤、山田佐知子、Puneet Shah、Kevin Linn及びEunsun Yen、当社の株主である小泉文明、松山太河、日本郵政キャピタル株式会社、フォレストホールディングス合同会社、Erika Ocampo及びヤマト運輸株式会社、並びに当社の新株予約権者である山田進太郎、富島寛、石塚亮、小泉文明、鶴岡達也、胡華、濱田優貴、John Lagerling、Robin Clark、松本龍祐、青柳直樹、掛川紗矢香、長澤啓、山田和弘、五十川匡、伊藤錬、宮上佳子、伊豫健夫、名村卓、柄沢聡太郎、荻原裕太、森本茂樹、川嶋一矢、片岡慎也、田中慎司、城譲、益田尚、藤﨑研一朗及びその他役職員62名は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)後180日目(平成30年12月15日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(但し、引受人の買取引受による国内売出し、海外売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)を行わない旨を約束する書面を差し入れる予定であります。 
 また、当社はジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、ロックアップ期間中はジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしに、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(但し、本件募集、本件第三者割当増資、株式分割及びストック・オプション又は譲渡制限付株式報酬にかかわる発行等(但し、ロックアップ期間中に行使又は譲渡されないものであり、かつ、ロックアップ期間中の発行等による累積での潜在株式ベースの希薄化率が1%を超えないものに限る。)を除く。)を行わない旨を約束する書面を差し入れる予定であります。 

【代表者】
代表者生年月日 1977年09月21日生まれ 

代表者略歴
2001年08月 (有)ウノウ設立代表取締役 
2010年09月 Zynga Japan(株)ゼネラルマネージャー 
2012年06月 (株)suadd設立代表取締役(現任) 
2013年02月 (株)コウゾウ(現当社)設立代表取締役社長 
2014年03月 Mercari, Inc. Director(現任) 
2015年09月 (株)ソウゾウ取締役(現任) 11月:Mercari Europe Ltd Director(現任) 
2016年04月 Merpay Ltd Director(現任) 
2017年04月 当社代表取締役会長兼CEO(現任) 

【幹事団】
主幹事証券 大和 - - 
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 野村 - - 
引受証券 マネックス - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 岩井コスモ - - 
引受証券 極東 - - 


【私見】
   話題性充分の今年一番の注目銘柄の上場ですが、当初の2000億と言われていた報道よりも大きく上がって4000億という大きさでの上場となりました。当初はフリマでここまで大きくならないと思いましたが、経営陣も有力どころを集めあっと言う間に国内では確固たる地位を築きました。問題は海外で、先行投資なので赤字は問題ないと思いますが、機関投資家がどういう判断をするのか。個人的にはメルカリは一度も利用したことなく、LINE の時とは異なり誰もが利用しているものという定義付け出来ないことに心配はあります。ただし、仮条件も大幅に引き上げられたので人気は高いと思いますし、機関投資家の評価も高いとは思います。最終的には、時価総額の目安をどこに置くのかがポイントで、5000億超えが目安と現時点では考え、初値も二割から三割くらいの上昇と考えています。


想定価額:2450円
仮条件上限:3000円
初値予想:3900円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

0 件のコメント:

コメントを投稿