2018年6月5日火曜日

IPO分析(ログリー)

【事業内容】
 当社は、「テクノロジーで人々の生活を豊かにする」というビジョン実現のため、成長するインターネット広告分野に軸足をおき、広告主の「未来の顧客を発掘」し、メディアの「未来の読者を発掘」し、すべての企業の「未来の市場を発掘」することで、企業とユーザーの未来への懸け橋になるべく、ネイティブ広告プラットフォーム「logly lift」を主軸としたネイティブ広告プラットフォーム事業を展開しております。 
(1)ネイティブ広告配信サービス(ネイティブ広告プラットフォーム「logly lift」の提供) 
①ネイティブ広告配信 
 インターネット広告には、その黎明期からディスプレイ広告、リスティング広告などが普及してきましたが、平成24年10月の「logly lift」の公開から現在にいたるまでの間に、ネイティブ広告(後述)が取り扱うインフィード広告は、株式会社サイバーエージェントと株式会社デジタルインファクトが平成29年11月から平成30年1月に行った共同調査による「国内インフィード広告の市場動向調査」の調査結果において、平成28年度は1,401億円、平成29年度は1,903億円と拡大しており、さらに平成35年度では3,921億円まで拡大すると予想されております。このインフィード広告の市場拡大の背景として、ネイティブ広告が従来のディスプレイ広告やリスティング広告の2つの課題を解決する広告配信であることが要因だと考えております。課題の一つ目は、従来のディスプレイ広告などをユーザーが煩わしいと感じ、興味を引かずにクリックしなくなり、広告主及び媒体社の期待する効果が出にくくなっているという課題です。もう一つは、スマートフォンの普及とともに、従来PC内で表示していたディスプレイ広告では、スマートフォンの画面が小さく、表示する箇所が限られてしまうという課題です。これらの課題を解決するための広告配信として、ネイティブ広告が活用されたと考えております。 
 当社はこのような市場環境の中で、平成24年10月よりネイティブ広告プラットフォームである「logly lift」を利用したネイティブ広告配信サービスをアドネットワークの中で提供しています。 

②分析ツール「Loyalfarm」の提供 
 「Loyalfarm」は、媒体社のWEBサイトに訪れたユーザーの関心度を分析し、訪問する回数が一回限りのユーザーに再訪を促し、ファンを増加させることを目的とした、主として媒体社向けのツールです。 
 当社ではこの「Loyalfarm」を利用し、メディアを訪れるユーザーのユーザー特性を分析し、見える化しております。加えて、再訪頻度を分析して、ユーザーに合わせた属性情報を提供し、メディアごとに会員登録やイベント参加・商品購入までフォローするコンサルティングサービスを行っております。具体的には、「Loyalfarm」で計測できる情報だけでなく、「logly lift」を通じて蓄積した情報を解析し、その分析結果に基づき広告運用方法(例えば再訪する読者に一番読まれる記事を提示することで、似たようなジャンルの記事を再度掲載すれば読者の再訪率が上がるといった仮定を立てて、その仮定にそって記事を配信し、結果を分析してまた次の仮定を立てるといった一連の流れなど)を提示することで、より回遊性が上昇し、再訪率が高まる分析コンサルティングとなります。 

③広告結果を基に広告主が配信条件の設定ができる機能 
 広告運用においては、広告の配信先や、広告の配信ロジック、クリエイティブ別に成果指標を広告主に全て開示しており、これによって様々な角度から配信結果を確認することができます。また、配信する時間帯又は地域の指定やCPC調整など様々なチューニング機能があり、広告配信案件にあわせた運用ができるサービスを提供しております。 

(2)海外サービス 
 東南アジア主要6か国のインターネット広告市場規模は日本の約6分の1です。このため当社では、台湾を含め東南アジアの市場はまだ伸びしろがあると想定し、現地の広告代理店とタイアップする方法により東南アジアへサービスを展開しております。東南アジアに拠点を持たない当社が現地に進出する際、最もリスクの低い方法が、すでに営業実績のある現地広告代理店とタイアップする方法です。現地資本の広告代理店、日本資本の代理店を問わず、当社にとってベストパートナーを模索し、現地市場での営業展開を行っております。 
 その方針のもと、現在当社は、東南アジア地域(台湾とインドネシア)において「logly lift」のコア・テクノロジーをOEM(相手先ブランドによる製品)提供し、さらにローカル言語への技術的対応を行なっており、「logly lift」の東南アジア市場への拡大を進めています。 
 なお、「logly lift」は多言語化に対応できるシステムであり、これまで英語、中国語(台湾)、インドネシア語に対応するなど、海外へのサービス展開のために、必要に応じてその国の言語にローカライズ(言語ごとによる文脈解析)することを可能とするサービスです。 



【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益   純利益
(単独実績)2016.3 406 -56 -58 -58
(単独実績)2017.3 911   45 49 63
(単独実績)2018.3 1,605 125   123 104
(単独予想)2019.3 2,026 180 162   115

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独予想 )2019.3 63.56 - 0
調達資金使途 プログラミング人材の採用費・人件費など

上場時発行済み株数 1,898,900株 (別に潜在株式101,400株)
公開株数 516,200株(公募359,900株、売り出し89,000株、オーバーアロットメント67,300株)
シンジケート 公開株数448,900株 (別に67,300株)

PER:26.4
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:8.7億
公募時時価:32億

    

【株主構成】
吉永 浩和 代表取締役社長 505,000 30.79
岸本 雅久 取締役 295,000 17.98
(株)VOYAGE GROUP その他の関係会社 250,000   15.24
アイティメディア(株) 特別利害関係者など 88,000   5.36
(株)VOYAGE VENTURES ベンチャーキャピタル(ファンド   86,000  5.24
(株)シーエー・モバイル 特別利害関係者など 85,000 5.18
SMBCベンチャーキャピタル1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 60,000  3.66
みずほ成長支援投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)   50,000  3.05
KDDI新規事業育成2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)40,000  2.44
池永 彰文 取締役 37,500 2.29

 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人である株式会社VOYAGE VENTURES及びアイティメディア株式会社、当社株主である株式会社VOYAGE GROUP、株式会社シーエー・モバイル、SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合、みずほ成長支援投資事業有限責任組合及びKDDI新規事業育成2号投資事業有限責任組合は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の平成30年9月17日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出における売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。 
 貸株人である吉永浩和、貸株人かつ売出人である岸本雅久、売出人である吉永秀雄、吉永恵一、吉永正則及び吉永誠、当社役員かつ当社株主である池永彰文、当社株主である井口毅昭、山﨑雅弘、吉永景子及び吉永清、当社新株予約権者である三浦愛、藤澤裕人、三本彩花及び八尋暁深は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成30年12月16日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。 


【代表者】
代表者生年月日 1977年09月30日生まれ 

代表者略歴
2000年04月 (株)ソフトウエアマネジメント(現 (株)カイカ)入社 
2006年05月 当社設立 代表取締役(現任) 
2011年01月 早稲田大学大学院情報生産システム研究科博士課程 博士(工学)取得 

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 - -
引受証券 SBI - -
引受証券 みずほ - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 丸三 - -
引受証券 極東 - -

【私見】
 業種はネット広告関連で、人気業種ではあるものの同業種も多く埋もれる可能性の高い業種です。業績も悪くはありませんが、大きな成長性があるかと言われるとそこまでないような気はします。需給は小型で悪くはありませんが、1.5倍でロックが切れるVCもあり、初値では人気になってもセカンダリーとなるとやや厳しいような気はします。メルカリの後で、盛り上がりもあるでしょう。

想定価額:1680円
仮条件上限:1860円
初値予想:4500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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