2018年6月13日水曜日

IPO分析(インバウンドテック)

【事業内容】
 当社は、「マルチリンガルCRM事業」と「セールスアウトソーシング事業」を軸とし、クライアントの多様なニーズや課題に対応するビジネスモデルをプログラムし、画一的なサービス提供にとらわれない柔軟なビジネスソリューションを展開しております。特にクライアントに対して要件分析から課題抽出、企画提案、開始準備、業務実行、アフターフォローまで一貫対応できる体制が強みになります。 
 かつて電話やFAXだけであった通信手段は、情報技術の発達に伴いウェブサイト、電子メール、SNSなど選択肢が拡がっております。CRMにおいては、電話による「コール」だけではなく、様々な通信手段を利用することによりエンドユーザーとの接点を包括的に示す「コンタクト」という言葉が浸透してきております。当社では、単なるコールセンターに留まらず、エンドユーザーとの多様な接点を有するコンタクトセンターを標榜しております。 
 当社では、クライアントとエンドユーザーの接点であるコンタクトセンターを基点としつつ、2つの事業セグメントのサービスメニューを組み合わせることにより、当社の対応領域を拡大させる一方、クライアントに対してCRMをコストセンターからプロフィットセンターへ転換を図るビジネスソリューションを提供し、それを実行する体制を備えております。 

(1) マルチリンガルCRM事業
 「マルチリンガルCRM事業」は、主にクライアントの顧客向けに展開するサポート業務を当社が受託し、当社の自社コンタクトセンターにて、エンドユーザーからの問い合わせをクライアントに代わって、当社が対応するサービスを提供しております。当社の特徴としては24時間365日体制で稼動しているため、夜間や休日などでもエンドユーザーからの問い合わせを逃すことなく対応が可能である点、また、日本語を含めた12カ国語に常時対応している点であります。さらに、エンドユーザーとのコミュニケーションについては電話による音声形式に加え、タブレット型デバイスを使った映像通信、ウェブサイト、電子メール、SNSなど様々な通信手段に対応しており、国内における日本語を対象としたサポートだけでなく、外国語でのサポートや海外マーケティング等が必要な業種など、時間帯・通信手段・言語を問わず幅広い活用が可能になります。さらに小規模オフィス・店舗向けに1分150円(最小利用限度額3,000円/月)から利用可能な通訳サービス「エコノミー通訳®」を開発し、当社からの直接販売に加えて、代理店への委託による販売や提携企業へのサービス卸売なども行っております。 
 こうした当社のような「マルチリンガルCRM事業」を専門に行っている国内の企業は少なく、競合他社は非上場企業が中心になります。さらに、当社は同事業を行ういくつかの他社のコールセンターをアウトソーシングで請け負っているため、実際の競合他社は数社しかない市場であります。 

(2) セールスアウトソーシング事業 
 「セールスアウトソーシング事業」では、主に当社がクライアントに代わって見込み顧客に対して営業を行うサービスを提供しております。一般的な「セールスアウトソーシング事業」では成果報酬型と呼ばれる契約形態が多く、見込み顧客との契約が成立した段階でクライアントへの売上が発生するため、業務に従事するオペレーターがどれだけ契約が獲得できるかという点がポイントになるビジネスモデルですが、当社ではオペレーターの契約獲得量ではなく、オペレーターの稼動人数が売上となる契約方針の下で活動しております。このため、より安定した収益構造が形成されている点及び、クレームになるような過剰な販売勧誘を抑止するコンプライアンスにつながる体制である点が特徴です。 
 当事業の内容としては、クライアントに代わって当社コンタクトセンターや当社の業務委託先から見込み顧客に商品等の紹介、販売勧誘、アンケート調査等の電話をかける業務であり、クライアントの営業員やオペレーターに対する営業研修の展開など、営業に関連する様々な業務も請け負っております。さらにクライアントの事務所内において当社がオペレーターの採用・育成、業務設計、オペレーターを指導・監督するスーパーバイザー業務なども当社が一括して受託する場合もあります。 


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.3 1,335 6 6 4 
(単独実績)2017.3 1,969 108 105 74 
(単独見込)2018.3 2,280 150 148 104 
(単独予想)2019.3 2,563 180 179 107 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2019.3 140.48 - -  
調達資金使途 採用費・人件費や本社増床・移転費用 

上場時発行済み株数 798,000株 (別に潜在株式49,500株) 
公開株数 229,300株(公募135,000株、売り出し64,400株、オーバーアロットメント29,900株) シンジケート 公開株数199,400株(別に29,900株)

PER:28.3
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:9.1億
公募時時価:32億
    

【株主構成】
(株)a2media その他の関係会社 154,200 21.64 
下大薗 豊 取締役会長 95,400 13.39 
(株)グローバルキャスト 特別利害関係者など 76,500 10.74 
アイビスAM投資事業組合 特別利害関係者など 55,800 7.83 
(株)光通信 特別利害関係者など 52,500 7.37 
(株)アクセル 特別利害関係者など 52,500 7.37 
金子 将之 執行役員 35,100 4.93 
佐野 功一 執行役員 35,100 4.93 
(株)ベクトル 特別利害関係者など 33,000 4.63 
ソケット(株) 特別利害関係者など 33,000 4.63 

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である下大薗豊及び売出人である株式会社グローバルキャスト、金子将之、佐野功一及びソケット株式会社並びに当社株主である株式会社a2media、株式会社ベクトル及び東間大は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成30年12月23日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等を行わない旨合意しております。 
 当社株主である株式会社光通信、株式会社アクセル及び株式会社ハローコミュニケーションズは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成30年12月23日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所における売却等は除く。)等を行わない旨合意しております。 
 当社株主であるアイビスAM投資事業組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年9月24日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式25,800株についての売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所における売却等は除く。)等を行わない旨合意しております。 



【代表者】
代表者生年月日 1967年07月31日生まれ 

代表者略歴
2006年10月 (株)エーツーメディア 専務取締役 ((株)ウィリオが(株)エーツーメディア(現 (株)a2media)と合併) 
2013年07月 JapanREIT(株)設立 代表取締役 
2015年04月 当社 取締役 
2017年02月 (株)パスファインダー設立 代表取締役 
2017年06月 (株)インフォネット 代表取締役会長 
2017年09月 当社 代表取締役社長 
2017年12月 (株)インフォネット 取締役会長(現任) 
2018年04月 当社 代表取締役 社長執行役員(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 東海東京 - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 香川 - - 
引受証券 エイチ・エス - - 
引受証券 むさし - - 
引受証券 エース - - 
引受証券 マネックス - - 

【私見】
   単なるコールセンターだけではなく、多言語で扱っており完全な同業種がないことは評価できます。業績も伸びていて悪くはないのですが、初値で高騰してしまうとそう割安感はなくなってしまいます。光通信株主は気になるものの、規模も小さく初値段階で人気化するでしょう。

想定価額:3810円
仮条件上限:3980円
初値予想:9000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立〜やや強気
総合評価3.5


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