2018年6月4日月曜日

IPO分析 ZUU

【事業内容】
 当社及び ZUU SINGAPORE PTE. LTD.は、フィンテック、プラットフォーム事業として、金融領域特化型ウェブ/スマートフォン・メディアの運営を中心とした、金融関連市場に特化した各種サービスを展開しております。 
 当社グループのフィンテック・プラットフォーム事業では、"お金に関するリテラシー向上"に寄与する情報の提供を企図し、金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上のアッパーマス~富裕層を主なターゲットとした「ZUU online」の運営を行っております。加えて、ユーザーの幅広い金融ニーズに応えるべく、複数の派生領域においても、「経営者online」(経営者層向けにファイナンス/M&A等の経営情報を提供)、「FinTech online」(金融業界関係者向けに最新フィンテックのトレンド情報を提供)、「DAILY ANDS」(女性向けに金融/投資情報を提供)の計4つの領域特化型の自社メディアも運営しております。そして、それら自社メディアの運営に加え、そこでのノウハウを活用し、金融や不動産企業向けに、フィンテック化の支援として、インターネット上の情報発信サイトの構築/運営やデジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング等を実施しております。 
 当社グループは、「ZUU online」を金融系ポータル・サイトと位置付け、まず一般個人ユーザーへ金融関連情報を提供することでサイトの活性化を図り、次に、広告掲載等をとおして金融や不動産企業等に同ユーザーへの接触機会を提供することで、結果、本邦金融業界における数少ないインターネット上の“B to Cプラットフォームの役割を担うことを目指しております。同プラットフォームを拡大させるために、当社グループでは、自社メディアへの訪問ユーザー数の増加に注力しております。このように、当社グループでは、顧客企業に、オフラインでは非効率的であったリード・ジェネレーション及びリード・ナーチャリングを主とする営業/販促業務を、インターネットを介することで効率的に推進できるように支援をしています。 
 
(1)メディア・サービス 
 本サービスは、金融に興味を有する一般個人ユーザーを集客する自社メディアを広告媒体として、インターネット広告枠の販売を行うものであります。具体的には、金融関連サービスのニーズを有する潜在層ユーザー向けのリード・ジェネレーション記事、リード・ナーチャリング記事を発信することで、ユーザーが金融商品サービスの比較・検討や情報入手を行う土台の環境作りを行うと同時に、そうした潜在層ユーザーにリーチしたい顧客企業の営業/販促活動を支援しています。収益モデルとしては、顧客企業向けに顧客企業乃至は顧客企業が取り扱う商材のプロモーションを行う目的で、有償にて制作され自社メディアに掲載する記事広告のテキストやバナー画像にリンクを張ることにより、当該テキストや画像をユーザーがクリックすると顧客企業のウェブサイトに誘導され、当社は、広告掲載場所、広告掲載サイズ、読者数や送客ユーザー数等に応じて、広告掲載料を受け取っております。また、当社で運用を支援している情報発信サイトを保有している企業に対し、自社メディアを活用したプロモーション施策の支援を行っており、その報酬を受け取っております。加えて、平成29年4月より、主に自社メディアを訪問するユーザーに対し、当社の顧客企業への人材紹介支援も行っています。元々、同ユーザーは金融分野に興味を有していることが多く、当社としては、効率的に金融機関への転職を希望するユーザーを集客することができ、且つ、当社の既存顧客の大半が金融機関であるため、その人材募集ニーズの汲み取りも効率的に行うことができます。なお、本サービスにおける特徴は、以下のとおりであります。 

 (2)フィンテック化支援サービス 
 本サービスは、金融や不動産企業の業務効率化の一環として、インターネット上での広告宣伝、集客、そして購買活動を支援すべく、主に当該企業より情報発信サイトの構築及び運用の支援、デジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング等を行っているものであります。具体的には、情報発信サイトの構成及びそこで発信するコンテンツ(記事)方針にかかるコンサルティング、サイトの構築、コンテンツの制作、集客及び購買に至るまでの対策のコンサルティング、日々のサイトの保守運用につき、その報酬を受け取っております。なお、本サービスにおける特徴は、以下のとおりであります。 
①自社メディアの構築及び運用の実績とそれに基づくデジタル・マーケティングのノウハウ 
 昨今、本邦金融業界においては、欧米諸国の例に倣い、インターネット上での集客そして購買活動の促進を主としたフィンテック化需要の高まりが見受けられます。しかし、これまでほぼオフラインのみでの営業活動を行ってきた金融や不動産企業にとっては、インターネット上でのそれら活動は容易ではなく、多くの企業が苦戦を強いられているのが実情です。それらのニーズに対応するため、当社グループのメディア構築及び運用の実績・ノウハウが有効活用されております。具体的には、インターネットを介することによる業務効率化の施策として、顧客企業に、当社グループの自社メディアで蓄積したリード・ジェネレーション及びナーチャリングのノウハウに基づく営業/販促支援を行っています。 
②自社メディアへのアクセス・ユーザー数 
 一般的に、アッパーマス~富裕層ビジネスは、当該対象ユーザーへのアクセスが容易でないことが大きな課題となりがちです。そのような課題を有する企業にとって、当社グループが当該企業の情報発信サイトの構築/運用を支援するとともに、そこでの記事を「ZUU online」でも転載することによる連携で、「ZUU online」を訪問するユーザーへ間接的に接触することが可能となります。 
③金融業界を熟知した上でのインターネット・ソリューションの提供 
 上記のように金融業界におけるフィンテック化が注目を集める中で、『その広大な定義に対して何から手を付けるべきか』、『どのようにフィンテック化していくべきか』等、が重要なテーマとなりつつあると当社では考えております。当社は、金融業界出身者が多くを占めるインターネット企業であるため、同業界での顧客企業への深い理解を前提としたインターネット・ソリューション・サービスを提供でき、そのような業界テーマへも的確に対応することができます。 


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益   純利益
(単独実績)2016.3 335 6 14 9
(連結実績)2017.3 729 -15 -15 -46
(連結実績)2018.3 944 71 70 44
(連結予想)2019.3 1,170 171 151 103

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想 )2019.3 51.45 -

上場時発行済み株数 2,036,740株 (別に潜在株式206,660株)
公開株数 287,500株(公募150,000株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント37,500株)

PER:31.1
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:4.6億
公募時時価:33億
    
【株主構成】
冨田 和成 代表取締役   1,366,050 65.26
Fenox Venture Company IX ベンチャーキャピタル(ファンド)208,160   9.94
赤羽 雄二 取締役 105,890 5.06
深田 啓介 取締役 47,700   2.28
一村 明博 取締役 43,450  2.08
原田 佑介 従業員 37,100 1.77
夏野 剛 特別利害関係者など 30,000   1.43
高山 照夫 特別利害関係者など 30,000   1.43
武永 修一 特別利害関係者など 30,000   1.43
佐藤 和与志 特別利害関係者など 30,000   1.43
和出 憲一郎 特別利害関係者など 30,000   1.43

  本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である冨田和成、売出人である赤羽雄二、当社株主である深田啓介及び佐野哲哉並びに当社新株予約権者(当社株主でもある者は除く。)である一村明博、原田佑介、樋口拓郎、財部優一、茂木久裕、森大地、押田裕太、濱田優及び山上泰史は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成30年12月17日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式等の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨合意しております。 
 また、当社株主である夏野剛、髙山照夫、武永修一、佐藤和与志、和出憲一郎、鈴木二郎、黒岩剛史、長原英司及び株式会社リード・リアルエステート並びに当社新株予約権者である中島貴志、楠井朋子、菅野陽平、秦大二郎、榎本和康、Rajesh Vyas、牛田文子、山梨寛弥、奈良井亮太及び魯瑶は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年9月18日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。 
 また、売出人であるFenox Venture Company IX,L.P.並びに当社株主である菅下清廣及び田路圭輔は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年9月18日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社をとおして行う売却等は除く。)を行わない旨合意しております。 

 
【代表者】
代表者生年月日 1982年09月20日生まれ 

代表者略歴
2006年04月 野村證券(株)入社 
2013年04月 当社設立代表取締役就任(現任) 
2016年04月 ZUU SINGAPORE PTE. LTD.取締役(現任)

【幹事団】
主幹事証券 野村 - -
引受証券 SBI - -
引受証券 みずほ - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 松井 - -
引受証券 岡三 - -

【私見】
 メディアとはいえ、フィンテック関連であることから人気業種に分類され評価は高いと思います。業績は、規模は小さいものの伸びてはおり、PERからは判断し難い業種ですが、そこまでの大きな成長性は感じません。需給からは、1社VCが気にはなるものの、全体的には小型で悪くはないと思います。証券出身の社長なので、株価としては期待でき、初値段階で高騰する可能性は高いと思います。 


想定価額:1370円
仮条件上限:1600円
初値予想:6000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価4

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