2018年6月11日月曜日

IPO分析(プロパティデータバンク)

【事業内容】
 当社は、「知識の集約により顧客の業務に革命を、顧客の資産に価値向上を」をビジョンに掲げ、顧客の保有する不動産・施設の運用管理の支援をすることを目的として、不動産・施設管理のためのソフトウェアを提供しており、そのITツールとして、統合資産管理クラウドサービス「@プロパティ」を提供しております。
 当社の顧客が管理対象とする不動産・施設は、全国各所に分散立地しております。また、これらの運営管理の巧拙は、現地の管理委託先や支店等の出先機関、そして、それを統括する本部機関の間の緊密な業務連携に負うところが少なくありません。業務情報の適時な集約と共有は、近代的な不動産・施設等の運営管理に欠かせないものとなっております。「@プロパティ」は、このような不動産・施設等の運用管理における業務効率の改善に資するためのサービスです。
 
(1) クラウドサービス
 クラウドサービスは「@プロパティ」の提供・保守メンテナンス及びユーザーサポートを主に行っております。顧客からは月額で登録建物データ数に応じた従量課金による月額利用料及び保守サービス料を受領しており、ストック型売上計上のビジネスモデルです。
 従来、不動産管理分野のIT化は、顧客自身がシステムを開発、購入することで、業務改善の実現を目指すものでした。
 それに対して、当社のサービスは、システム基盤を、当社が開発・所有し、これをインターネット経由でご利用頂くことで、顧客の業務改善を実現するものです。これにより、顧客は多大なシステム投資や開発リスクを負担することなく、IT化を実施することが可能となります。また、「@プロパティ」は、所謂マルチテナント方式のクラウドサービスとなっており、「@プロパティ」の全ての機能が同一のプラットフォームに実装されております。そのため、当社にてメンテナンスや機能改善等を実施いたしますので、顧客はサービス利用開始後の保守業務の負荷を軽減する事ができます。当社は、顧客の要望を掴みながら、サービスの向上を目的とした設備投資を実施できるため、利用者の増加、サービスの向上、顧客の満足度を、相乗的に向上させるスパイラルアップ型の事業構造を構築していると考えております。

(2) ソリューションサービス 
 既に「@プロパティ」を導入している顧客、または導入を予定している顧客に対して、クラウドサービスを基盤にした業務効率化支援を実施しながらも、個々の顧客特有のニーズに応じて、顧客の業務上の課題解決を実現するため、「@プロパティ」に関する以下のソリューションサービスを提供しています。 
① 初期コンサルティングサービス、データ登録代行、教育・講習会 
 当社では、サービス導入前に、顧客の業務を把握し、よりスムーズに利用頂くために、初期コンサルティングサービスを提供しております。 
 また、クラウドサービスを利用する際には、顧客が保有している建物情報・賃貸借契約情報など、各種データを「@プロパティ」に登録する必要があるため、初期データ登録作業を代行し、スムーズな運用の移行ができるよう導入支援サービスを提供しております。
② オプション販売
 オプション販売は、業務の効率や精度を高めるために、例えば、銀行から取得した入金データファイルを「@プロパティ」に取り込む機能や顧客の会計システムに連携するためのデータを出力する機能など標準機能にはない機能を追加して提供するサービスです。
③ カスタマイズ
 カスタマイズは標準機能、オプション機能でも十分対応できない、顧客固有のニーズに対応するサービスのため、システム開発受託の形で提供する新規の機能追加や既存社内システムとのデータ連携等を可能にするサービスです。


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.3 1,130 173 172 113 
(単独実績)2017.3 1,081 141 141 90 
(単独実績)2018.3 1,239 236 235 145 
(単独予想)2019.3 1,516 245 246 162 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2019.3 88.82 - -  
調達資金使途 ソフトウエア開発資金(人件費、外注費) 

上場時発行済み株数 1,886,500株 (別に潜在株式34,300株) 
公開株数 434,700株(公募210,000株、売り出し168,000株、オーバーアロットメント56,700株)シンジケート 公開株数378,000株 

PER:20.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:7.7
公募時時価:34億
    

【株主構成】
清水建設(株) その他の関係会社 568,400 33.22 
(株)ケン・コーポレーション 特別利害関係者など 294,000 17.18 
板谷 敏正 代表取締役社長 177,800 10.39 
高橋 秀樹 取締役副社長 170,800 9.98 
投資事業組合オリックス6号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 140,000 8.18 
SMBCベンチャーキャピタル1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 126,000 7.36 
日本ヒューレット・パッカード(株) 特別利害関係者など 70,000 4.09 
日本生命保険(相) 特別利害関係者など 35,000 2.05 
大田 武 取締役 30,100 1.76 
武野 貞久 常務取締役 28,000 1.64 

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である清水建設株式会社及び株式会社ケン・コーポレーション、貸株人である板谷敏正、売出人かつ貸株人である高橋秀樹、当社株主である日本ヒューレット・パッカード株式会社、日本生命保険相互会社、大田武、武野貞久、プロパティデータバンク従業員持株会、小出理美及び杉原隆、並びに当社新株予約権者である堀之内はる代、牧裕志、遠藤良夫、勝山隆之、青木幸和、山田美成、鷺谷敦子、戸塚まゆこ、阿部峰子、亀尾扶希子、石川陽子、松本文子、谷道理恵、鈴木身奈、本間啓介、水口義隆、髙松裕子、小島久仁子、中村佳史及び阿部良平は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成30年12月23日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。
 また、当社株主である投資事業組合オリックス6号及びSMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年9月24日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社株式のうち投資事業組合オリックス6号は70,000株、SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合は63,000株の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております

【代表者】
代表者生年月日 1963年04月24日生まれ 

代表者略歴
1989年04月 清水建設(株) 入社 
2000年10月 当社設立 代表取締役社長(現任) 
2010年10月 芝浦工業大学大学院理工学研究科客員教授(現任) 
2011年04月 早稲田大学理工学研究所招聘研究員(現任) 
2015年05月 (株) レナウン 社外取締役(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 極東 - - 

【私見】
 不動産管理とクラウドという融合は同業種はなく評価されそうですが、独自性がそこまであるとは思えないので成長性にも限界はあると思います。業績もそこそこは伸びていて、PERからも高くはないので上値はあるでしょう。清水建設株主で安定度もあるので売られる要素も少なく、初値段階である程度人気となるでしょう。

想定価額:1660円
仮条件上限:1780円
値予想:4000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5


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