2018年6月20日水曜日

IPO分析(キャンディル)

【事業内容】
(1)リペアサービス
 リペアサービスは、建物における内装建材、家具等に発生した傷や不具合を、部材交換することなく補修するサービスであります。補修するサービスとは、傷や不具合がある部材を活かし、部分的に手を加えることで美観を回復する作業を指します。日々人が住まう住宅や使用されている施設はもちろんのこと、新築物件であっても、施工中に絶えず人が出入りすることにより、日常的に小さな傷や不具合が発生しております。しかしながら、これらを全て部材交換で対応しようとすると、新しい材料と職人確保のための費用、廃材の処理費用、工事手配の手間など、コスト増加につながることがあります。そこで、当社グループでは部材交換ではなく補修することで対応することにより、コストの圧縮と部材交換に関連する諸問題を解決するサービスを提供しております。また、サービス対象とする建物は、住宅のみならず、商業施設、寺社仏閣や文化遺産など多岐にわたっております。
 ビジネスモデルとしては、大手ハウスメーカー、大手ハウスビルダー、ゼネコン、デベロッパー、建築関連業者などから依頼を受け、現場に赴いてリペアサービスを提供して収益を得ております。サービスを提供する技術者は、当社独自の技術教育研修プログラムによって訓練を受けた直接雇用による従業員や当社から独立した元従業員の協力業者であります。なお、当社では、フランチャイズ制度やボランタリーチェーン制度は設けておりません。
 収益性の側面では、技術者一人一人が現場に赴いてサービスを提供するビジネスであることから、全国58拠点に展開して稼働している技術者が、機動性高く効率的に稼働することが非常に重要であります。そのため、技術者の稼働状況を常時システム上で管理して生産性を高めております。

(2)住環境向け建築サービス
 住環境向け建築サービスは、引渡し後の住宅のアフター定期点検(クリニックサービスや各種メンテナンス、お住まいの方からの問合わせに対応するコールセンター、大規模な改修を伴わない小規模なリフォームにおける設計・デザイン・施工、住宅設備等に発生した不具合や施工時に発生した不具合に対して、対象となる物件一斉に対応するリコール対応サービスなど、主として既存住宅向けのサービスを提供しており、住宅循環システムを支えるための住宅ライフサイクル全体をワンストップでカバーできる体制を構築しております。
      ビジネスモデルといたしましては、リペアサービスの取引先顧客に対してアフターサービス強化のご提案を行い、顧客のニーズに合わせて「アフター定期点検」や「メンテナンス施工」「コールセンター」などのメニューをパッケージ化して契約を獲得しております。新築住宅市場の縮小を懸念する住宅建築業者が、既存住宅に向けたアフターフォロー体制を強化する流れは年々強くなっており、住環境向け建築サービスは順調に推移しております。また、これらのサービスは契約に基づく積み上げ型・継続型のビジネスモデルであり、今後も安定的な成長を見込んでおります。

(3)商環境向け建築サービス
商環境向け建築サービスでは、商業施設の内装仕上げ工事、オフィス移転時の家具や什器の設置や内装変更、ホテルの家具取り付け、家具の組み立て、建築揚重など多岐にわたるサービスを提供しており、百貨店やショッピングセンター、チェーン店などで見られる多店舗一斉工事、複数業者一斉入場等の同時多発的な現場対応に精通し、機動性に富んだサービスを提供できる体制となっております。
     商業施設は、住宅に比べて建物の規模が大きいため、短期間に多数の人材を必要とされる場合が多くあります。これに対して当社グループは、正社員に加え、多数の登録スタッフを柔軟に組み合わせることでお客様の要求に速やかに応えることができる体制を実現しており、機動性を生み出す源泉となっています。家具の組み立てであれば北欧系で世界中に店舗展開している大手家具メーカーの日本国内における組み立てサービスを全店舗引き受けるなど、国内を幅広くカバーしており、お客様の多様なニーズに対して、常に適切なサービス提供が可能な体制を構築しております。また、建築揚重は、建築途中の建物内に、建材を必要な分量・数に振り分けて運び入れる作業であり、あらゆる建築現場で発生する作業でありますが、地域により別の工種の人材がその役割を兼ねている場合があります。一方で、建築業界は就労する人材の高齢化が進んでおり、今後こうした作業の分業化が進むことが予想され、さらなる需要拡大を見込んでおります。

(4)商材販売
     当社グループの商材販売は、補修材料の販売とインテリア商材の販売の大きく2つの分野に分かれております。
1つめは補修材料で、リペアサービスで使用する材料に関して海外メーカーと代理店契約を締結して販売しております。プロ向けから一般向けまで幅広いレベルの補修やメンテナンス材料を仕入れ・販売しており、全国のホームセンターや量販店の店頭、ECサイトなどで販売されております。また、国内塗料メーカーと協力してオリジナル商品の開発も手がけております。2つめはインテリア商材の販売で、内装設計やインテリアデザインの提案と合わせた照明機器やカーテンなどの販売を行なっております。提案にあたり、建築士やインテリアコーディネーターなど有資格者を内製化することで外注化に比べてコストを抑え、同時に自社のショールームを活用したお客様に寄り添った具体的な提案をすることでお客様の満足度を高めております。


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2016.9 10,491 229 129 -31 
(連結実績)2017.9 11,959 334 285 112 
(連結予想)2018.9 12,820 374 331 155 
(連結中間実績)2018.9 6,334 278 248 155 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想 )2018.9 31.96 - -  
調達資金使途 コールセンターシステムの導入費や設置費、業務系基幹システムの開発 

上場時発行済み株数 5,000,200株 (別に潜在株式475,400株) 
公開株数 1,322,500株(公募200,000株、売り出し950,000株、オーバーアロットメント172,500株)シンジケート 公開株数1,150,000株(別に172,500株)

PER:36.2
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:15.3億
公募時時価:58億
    

【株主構成】
新生クレアシオンパートナーズ2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 3,218,100 61.00 
林 晃生 代表取締役社長、子会社の取締役 982,400 18.62 
(株)TRAキャピタル 役員らが議決権の過半数を所有する会社 305,400 5.79 
(株)アスク 特別利害関係者など 96,000 1.82 
従業員持ち株会 特別利害関係者など 78,000 1.48 
阿部 利成 取締役、子会社の取締役 62,500 1.18 
佐藤 一雄 取締役、子会社の取締役 62,000 1.18 
玄々化学工業(株) 特別利害関係者など 56,600 1.07 
大槻 慎二 子会社の取締役 45,700 0.87 
藤原 泉 取締役、子会社の取締役 38,600 0.73 
藤本 剛徳 取締役、子会社の取締役 35,500 0.67 

本募集ならびに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である新生クレアシオンパートナーズ2号投資事業有限責任組合、売出人である株式会社TRAキャピタル、当社株主である林晃生、株式会社アスク、玄々化学工業株式会社、阿部利成、佐藤一雄、大槻慎二、藤原泉、藤本剛徳、古川誠、堀幸市、京極和博、筒井龍也、大竹俊夫、古川静彦、新株予約権者である林宏英、榎元智嗣、渡邊純は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年10月2日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)を行わない旨を合意しております。
 

【代表者】
代表者生年月日 1967年05月08日生まれ 

代表者略歴
1986年06月 (株)日本不動産学院 入社 
1995年08月 旧(株)バーンリペア 設立 同社 代表取締役社長 
2008年07月 (株)ケーエスエム(後の(株)スペック、現(株)キャンディルテクト) 代表取締役 
2011年07月 (株)TRAキャピタル設立 10月:(株)バーンリペア(前(株)BR) 取締役会長 (株)ケーエスエム(後の(株)スペック、現キャンディルテクト) 取締役(現任) (株)ハウスボックス(現(株)キャンディルデザイン) 取締役 
2012年12月 (株)TRAフードサービス 設立 同社 取締役(現任) 
2015年03月 (株)ア・フィック 取締役 4月:(株)バーンホールディングス(前(株)BH、現当社) 代表取締役社長 
2016年10月 当社 代表取締役会長 12月:(株)バーンリペア 取締役(現任) 
2017年08月 当社 代表取締役会長兼社長 9月:当社 代表取締役社長(現任) (株)キャンディルデザイン 取締役(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 野村 - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 いちよし - - 
引受証券 岡三 - - 

【私見】
  業種からは人気業種ではありませんが、住宅関連の何でも屋のようなイメージで需要はありそうな業種です。業績も伸びていて悪くはありませんが、PERからは割安感はあまり感じません。ロックかかかっているので問題はありませんが、VCが筆頭株主で初値段階ではそこまで人気にならないのではないかと思います。

想定価額:1160円
仮条件上限:1180円
初値予想:2200円

ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5


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