2023年3月18日土曜日

IPO分析(ココルポート)

 【事業内容】

​ 創業以来、「指定障害福祉サービス事業」を行っており、主たるサービスである「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」のほか、「自立訓練(生活訓練)サービス」を提供しております。

 主たるサービスである「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」のこれまでの実績といたしましては、2012年4月に神奈川県川崎市川崎区に就労移行支援事業所「Cocorport川崎Office」を開設したのを皮切りに、首都圏(1都3県)を中心に拠点を拡大し、2023年1月31日現在で、就労移行支援事業所を首都圏(1都3県)54か所、大阪府4か所、愛知県4か所、福岡県2か所、兵庫県2か所の計66か所(就労定着支援事業所は就労移行支援事業所内にて運営しており、2023年1月31日現在で53か所)まで拡大しております。就職者数は累計2,900名以上を輩出し、就労定着率は88.2%1となっております。また、指定計画相談支援事業所は首都圏(1都3県)4か所(就労移行支援・自立訓練(生活訓練)事業所内にて運営)、福岡県1か所の計5か所となっております。また「自立訓練(生活訓練)サービス」のこれまでの実績といたしましては、2020年4月に神奈川県川崎市幸区に自立訓練(生活訓練)事業所「Cocorport College川崎キャンパス」、神奈川県横浜市西区に自立訓練(生活訓練)事業所「Cocorport College横浜キャンパス」を開設したのを皮切りに、2023年1月31日現在で、自立訓練(生活訓練)事業所を首都圏(1都3県)22か所・大阪府1か所(プレオープン6か所を含む。)の計23か所を運営しております。

 今後も、当社の理念である「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」を実現するため、一人ひとりに適した支援を徹底的に提供するという『「個別」と「支援」』にこだわりながら、「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」で培ったノウハウを生かし、2020年4月から新たに提供している「自立訓練(生活訓練)サービス」の拡大を行っていきます。


(就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス)

 「就労移行支援サービス」とは、障害者総合支援法に定められた「指定障害福祉サービス」の一つであり、障害のある方が就労に向けたトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるサポートを行うサービスであります。

(特徴)

①幅広い受け入れ

 非就労フェーズ(通所が週2日程度で職業準備性(注)2が低い)の障害者も含めた幅広い受け入れを行っております。

・週2日程度の通所からでも支援

 週4日以上の通所から受け入れる就労移行支援事業所が一般的ですが、個別支援を通じて少ない通所数からでも就職に導くノウハウが蓄積されており、本人の就労に向けての意志と行政の受給者証が発行されれば区別なく受け入れております。


②集団ではなく『個別』

 一人ひとりの障害種別、性別、年齢、状態、個性に応じた支援を行っているため、『個別』で支援をするべきと認識しております。そのため以下のような特徴があります。

イ.プログラム数は555種類以上

ロ.プログラムによる支援と個別支援を同時に実施


③指導ではなく『支援』

 利用者が将来自立して生活していけるように自己決定を尊重しております。例えば、プログラムに参加するかしないかは利用者に自己決定していただいております。また、利用者から「どうしたらいいか教えてください」という質問に対しても、「~をしてください」ではなく、「AとBとCという方法がありますが、どうされますか」というように指導ではなく、相手に決定していただく『支援』を実施しております。

 

④その他

・きめ細かな初期定着支援


(自立訓練(生活訓練)サービス)

 「自立訓練(生活訓練)サービス」とは、障害者総合支援法に定められた「指定障害福祉サービス」の一つであり、障害のある方が自立した日常生活や社会生活がおくれるよう、生活能力の維持・向上のための訓練や助言などのサポートを行うサービスであります。

(特徴)

 社会課題である「引きこもり」の解消を意図し、2020年4月より自立訓練(生活訓練)サービスを開始し、自立訓練(生活訓練)事業所(以下「Cocorport College」という。)を開設いたしました。障害特性が要因で社会に馴染めない非就労フェーズの方々を支援することにより、就労移行支援サービスにつながり、また、就労移行支援サービスの提供を通じて、「引きこもり」であった方々が就職し、社会的自立ができるようになります。


【手取金の使途】

 上記の差引手取概算額703百万円については、主に、①指定障害福祉サービス事業拡大のための新規事業所開設費として296百万円、②IT環境の整備強化費として20百万円、③運転資金(人件費及び人材採用費等)として387百万円を充当する予定です。具体的な資金使途及び充当予定時期は以下のとおりであります。

① 指定障害福祉サービス事業拡大のための新規事業所開設費

 就労移行支援サービスのシェア拡大を企図して、就労移行支援事業所の新設にあたり総額175百万円(2023年6月期に44百万円、2024年6月期に61百万円、2025年6月期に70百万円)の設備投資を計画しております。この内、上記の手取金において137百万円(2023年6月期に6百万円、2024年6月期に61百万円、2025年6月期に70百万円)を充当し、就労移行支援事業所を2023年6月期に8事業所開設、2024年6月期に9事業所開設、2025年6月期に11事業所開設する予定です。

 また、今後成長が見込まれる自立訓練(生活訓練)サービスについては、自立訓練(生活訓練)事業所の新設にあたり総額182百万円(2023年6月期に53百万円、2024年6月期に53百万円、2025年6月期に76百万円)の設備投資を計画しております。この内、上記の手取金において159百万円(2023年6月期に30百万円、2024年6月期に53百万円、2025年6月期に76百万円)を充当し、自立訓練(生活訓練)事業所数を、2023年6月期に7事業所開設、2024年6月期に7事業所開設、2025年6月期に10事業所開設する予定です。

② IT環境の整備強化費

 業務管理システム(メルシー/ココカレ)へのソフトウエア投資として、新機能開発業務委託費総額21百万円(2023年6月期に7百万円、2024年6月期に7百万円、2025年6月期に7百万円)のシステム投資を計画しております。この内、上記の手取金において20百万円(2023年6月期に6百万円、2024年6月期に7百万円、2025年6月期に7百万円)を充当する予定です。

③ 運転資金(人件費及び人材採用費等)

 就労移行支援事業所及び自立訓練(生活訓練)事業所の拡大に伴う人件費及び人材採用費として、上記の手取金において387百万円(2023年6月期に56百万円、2024年6月期に331百万円)を充当する予定です。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/06 単独中間実績 2,461 317 316 212

2023/06 単独会社予想 5,235 656 643 450

2022/06 単独実績 4,176 380 372 258

2021/06 単独実績 3,325 280 274 200


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/06 単独会社予想 137.79 - 0.00


上場時発行済株数 3,454,450株(別に潜在株式322,000株)

公開株数 1,072,700株(公募250,000株、売り出し682,800株、オーバーアロットメント139,900株)

調達資金使途 新規事業所開設費、IT環境の整備強化費、運転資金(人件費・人材採用費など)


PER:22.8

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:33.2億

公募時時価:109億

​   

【株主構成】 以下180日

(株)A&Cコーポレーション 役員らが議決権の過半数所有 830,000 23.54%

(株)KRAC 役員らが議決権の過半数所有 305,400 8.66%

佐原敦矢 代表取締役社長 273,000 7.74%

(株)アレジアンス 役員らが議決権の過半数所有 244,300 6.93%

ココルポート社員持株会 特別利害関係者など 232,860 6.60%

長尾吉祐 取締役 187,190 5.31%

伊藤純一 元社外取締役 150,000 4.25%

岡登貞憲 従業員 90,000 2.55%

西村綾子 従業員 90,000 2.55%

石合建祐 従業員 90,000 2.55%

高原健人 従業員 90,000 2.55%

岩元勝志 取締役 88,500 2.51%

秋元正秀 監査役 85,000 2.41%


​本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である株式会社A&Cコーポレーション、売出人である佐原敦矢、岩元勝志、長尾吉祐、伊藤純一、吉井信隆、小川大介、石合建祐、株式会社アレジアンス、安部修仁、西村綾子、大島歩並びに当社株主(新株予約権者を含む。)である株式会社KRAC、ココルポート社員持株会、岡登貞憲、髙原健人、秋元正秀、宮澤心作、インターウォーズ株式会社、飯田和住、髙橋義樹、山浦勇治、細川泰史、前野一郎、高橋龍徳、木村英一、本田寛他66名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2023年9月26日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得することは除く。)等は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 佐原 敦矢(上場時59歳4カ月)/1963年生

本店所在地 神奈川県川崎市川崎区砂子

設立年 2012年

従業員数 627人 (2023/01/31現在)(平均36.2歳、年収389.7万円)

事業内容 障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービス事業

URL https://www.cocorport.co.jp/

株主数 29人 (目論見書より)

資本金 183,125,000円 (2023/02/24現在)

代表者生年月日 1963年11月20日生まれ

代表者略歴

1987年04月 株式会社リクルート(現株式会社リクル ートホールディングス)入社

2003年10月 株式会社リクルートエイブリック(現株 式会社リクルート)転籍

2011年04月 同社関西統括部長

2012年04月 株式会社リクルートドクターズキャリア (現株式会社リクルートメディカルキャ リア)出向

2013年04月 同社人事部長兼総務部長兼広報部長兼法務部長

2014年04月 株式会社クロス・マーケティング入社 マーケティング&リサーチ部長

2017年01月 当社入社 7月:当社就労移行支援事業本部本部長 10月:当社取締役

2018年04月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -

引受証券 丸三 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 水戸 - -


【参考類似企業】今期予想PER(3/6)

6556 ウェルビー - (連結予想) 売上98億 経常28億 当利16億 時価176億(前期は250億ほど)

7366 LITALICO 63.1倍 (連結予想) 売上242億 経常36億 当利16億 時価88億


【私見】

 障害者支援ということで、社会的にも必要な業種で地味ながら業種妙味はあります。業績の伸びも良く、施設も年10件前後の増設予定で成長は続きそうです。PERも高PERが容認される業種で、上値余地はありそうです。問題はサイズの大きさで、吸収金額・時価総額も大きめで、ウェルビーとの比較からも、150億を超えることは簡単ではないかと思います。上場ラッシュで安く寄ればですが、セカンダリー銘柄になる可能性もあるかと思っています。


想定価額:3100円

仮条件上限:3150円

初値予想:3600円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価:3.5

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