2023年3月7日火曜日

IPO分析(日本ナレッジ)

 【事業内容】

​ 主にソフトウエアシステムの検証サービスを提供する「検証事業」とシステム受託開発、業務系パッケージソフトウエアの開発・販売等を行う「開発事業」を主たる事業として展開しております。

 設立当初は、業務系のパッケージ開発を主業務とし、「徹底した顧客志向の開発」というコンセプトのもと開発事業を進めてきましたが、2001年度より業務系の開発事業で培った経験とノウハウを活かし、ソフトウエアテストに関する専門的な知見と技術を提供する検証事業を立ち上げ、注力しております。

 

(1)検証事業

 ソフトウエアの不具合により顕在化するリスクを回避・軽減するため、ソフトウエアの開発工程(要件定義・設計・開発・テスト)のなかのテスト工程において、品質計画の立案、テストの分析設計、テストの実行といった一連のプロセスやコンサルティングをサービスとして提供しております。当サービスの提供により、ソフトウエアの不具合を発見して報告を行います。またその不具合の修正をソフトウエア開発に促すことで、品質向上に寄与するとともに、重要な不具合が発生していないことを確認するための品質の測定と報告によって、顧客がソフトウエアのリスクの判断を行うことが可能となります。

 当事業の対象となるソフトウエアは、スマートフォンやカーナビゲーションのハードウエアに組込まれて動作する「組込みソフトウエア」、法人向けの販売管理や会計等の業務系システムやパッケージソフトウエア製品などの「エンタープライズ系」、WEB上で動作するシステム全般をあらわす「WEBシステム」となっております。

 特に、エンタープライズ系システムは開発事業にて培った販売・購買・在庫管理等の業務知識やシステム構造等のノウハウが活かされることから、当社の得意とする領域であり、さらには開発技術を背景とした「テスト実施の自動化」技術によるコスト効率化や品質の担保ができることも強みにしております。

 また、当事業における主な顧客は、主に大手SIer系の情報システム部門やパッケージソフトベンダーなどの事業会社系となり、これらの顧客に対して、ソフトウエア機能テスト技術を提供することで、顧客のシステム開発における品質プロセスに対する重要な役割を担っております。

 当事業は、開発事業との技術シナジーやテスト自動化における効率性と品質担保の提供を特徴としております。

 「エンタープライズ系」では、開発事業としての長年の経験と人員および業務知識を活用できることから、得意な領域としております。またエンタープライズ系は、業務知識が不可欠であり参入障壁が高い一方、時間をかけて業務知識やシステム構造を習得した後は、業務システムを熟知した技術者の関与が可能となるため、案件の継続率が高く、エンジニア単価も高くなると見込まれます。

 WEBシステムをはじめとする事業会社系のプロジェクトでは、すでに運用しているシステムの派生開発(機能追加など)が主なテスト対象となることから、事業やサービスの継続に比例してプロジェクトが長期化することで、安定収益の確保が見込めます。また、派生開発はリリースの都度行われるために、システム全体の繰り返しテストが発生いたします。これらの「繰り返しテスト」はシステム全体の品質を確認するために非常に重要である一方で単純作業であり、多くのプロジェクトでこの単純作業をエンジニアが手動で行っているのが現状です。当社はこれらの繰り返しテストを、当社の強みである「テスト自動化サービス」にてテスト実施を自動化させていきます。それにより、エンジニアはセキュリティ面や利用者にとって使いやすいかどうかという利便性の確認、さらには利用者の誤りやすい運用を想定し、動作させた場合のシステム信頼性の確認といった、人的判断を要する領域に注力することで、顧客に対して付加価値を提供しております。


(2)開発事業

 大手ベンダー製のパッケージソフトウエア導入に伴うカスタイマイズの受託開発や、セキュリティ製品の開発・販売、パッケージソフトウエアの開発・販売・保守を中心に行っております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/03 単独3Q累計実績 2,613 188 193 125

2023/03 単独会社予想 3,457 180 168 110

2022/03 単独実績 3,231 132 137 94

2021/03 単独実績 2,823 54 63 32


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/03 単独会社予想 92.82 593.27 15.00


上場時発行済株数 1,376,000株

公開株数 431,200株(公募190,000株、売り出し185,000株、オーバーアロットメント56,200株)

調達資金使途 人材採用費・教育費


PER:16.2

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:6.5億

公募時時価:21億

​   

【株主構成】 

ウィステリアトラスト(株) 役員らが議決権の過半数所有 652,000 54.97% 180日

(株)大塚商会 取引先 224,000 18.89% 180日

藤井洋一 代表取締役社長 120,000 10.11% 180日

日本ナレッジ従業員持株会 特別利害関係者など 80,000 6.75% 180日

みずほ成長支援第4号投組 投資業(ファンド) 50,000 4.22%

長谷川貴志 取締役 20,000 1.69% 180日

大熊浩 取締役 15,000 1.26% 180日

西沢茂 特別利害関係者など 12,600 1.06% 180日

大島武康 取締役 12,400 1.05% 180日


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人であるウィステリアトラスト株式会社、売出人である藤井洋一及び、株式会社大塚商会並びに当社株主である、日本ナレッジ従業員持株会、長谷川貴志、大熊浩、西澤茂及び大島武康は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2023年9月18日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)は行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 藤井 洋一(上場時65歳5カ月)/1957年生

本店所在地 東京都台東区寿

設立年 1985年

従業員数 331人 (2022/12/31現在)(平均38.4歳、年収417.2万円)

事業内容 ソフトウエアのテスト・品質検証サービス、またシステム受託開発や業務系のパッケージソフトウエアの開発・販売

URL https://www.know-net.co.jp/

株主数 9人 (目論見書より)

資本金 86,000,000円 (2023/02/16現在)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 野村 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 極東 - -

引受証券 東洋 - -

引受証券 水戸 - -


【参考類似企業】銘柄 今期予想PER(2/22)

3657 ポールHD 18.0倍 (連結見込)

3676 デジハHD 14.5倍 (連結予想)

3697 SHIFT 60.8倍 (連結予想)

4442 バルテス 34.7倍 (連結予想)

9719 SCSK 16.1倍 (連結予想)


【私見】

 SHIFTやデジハなど一時人気になったITの検証サービスですが、現状落ち着いてしまったので、大きな優位性はないかと思います。業績は前日のSHINKOなどのソフト系ITに比べればやPERで15~20とやや高い評価はできます。仮条件から若干の上値余地はあるという水準で、PER20強のの2000円までが妥当な水準だと考えています。VCなしで吸収金額が小さいので、初値はオーバーシュートする可能性は高く、需給が良いとはいえ、高い初値に参戦することは危険だと考えています。


想定価額:1310円

仮条件上限:1500円

初値予想:3300円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

2 件のコメント:

  1. こたさんこんにちは。いつも拝読してます。
    質問なのですが、2023年3月期の業績予想というのは現時点で開示が出ているものなのでしょうか?

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  2. Yahoo financeからの数字を引用してます。

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