2021年3月28日日曜日

IPO分析(紀文食品)

 【事業内容】

(1)国内食品事業

 日本国内において水産練り製品、惣菜、水産珍味類等の食品の製造販売及び水産練り製品の原材料となるすり身及び水産練り製品等の水産品、農畜産品の輸出入と国内仕入販売を行っております。

 食品の製造販売は水産練り製品、惣菜及び水産珍味類に分けられ、次のように行っております。水産練り製品の主な製品は、蒲鉾、カニ風味かまぼこ、竹輪、はんぺん、伊達巻、さつま揚げ等であり、惣菜の主な製品は、中華惣菜、糖質0g麺®等のめん、玉子加工惣菜等であります。当社の「恵庭工場(北海道)」「東京工場(千葉県)」「船橋工場(千葉県)」「横浜工場(神奈川県)」「静岡工場(静岡県)」をはじめ子会社の㈱紀文西日本の「岡山総社工場(岡山県)」、関連会社の海洋食品㈱で製造することにより、日本全国に安定供給できる体制を整えております。水産珍味類は、子会社の㈱北食で製造・加工をしており、主な製品は海産物を使用した珍味であり、当社が仕入販売しております。

 食品の輸出入・国内仕入販売は、すり身、冷凍魚等の水産品、卵、穀物、大豆、胡麻等の農畜産物、水産練り製品に分かれ、㈱紀文産業が食品加工メーカーと食品商社に供給しております。


(2)海外食品事業

 海外において水産練り製品等の食品の製造販売及び水産練り製品やすり身等の農畜水産品の輸出入及び仕入販売を行っております。

 食品の製造販売は子会社のKIBUN (THAILAND) CO.,LTD.及び関連会社のYILIN KIBUN CORPORATION並びにPULMUONE-KIBUN CO.,LTD.で行っております。主な製品は、カニ風味かまぼこを中心とした水産練り製品であり、大半を北中米、アジア、オセアニア、欧州に商社経由で供給しております。

 食品の輸出入及び仕入販売は、すり身、魚介類、穀物、大豆、胡麻等の農産物、水産練り製品、惣菜が主な取扱商品であります。子会社のKIBUN FOODS (U.S.A.),INC.はこれら全てを取扱い、すり身はアラスカ産すり身を調達し当社グループの水産練り製品の生産地である日本及びアジアに供給しており、その他の商品は主に北中米にて輸出入及び販売を行っております。KIBUN HONG KONG COMPANY LIMITED、KIBUN FOODS SINGAPORE PTE.,LTD.は、所在国及び周辺地域にて主にグループ企業から仕入れた水産練り製品等の輸入販売を行っております。KIBUN KOREA INC.は、韓国において紀文ブランドの水産練り製品を製造するPULMUONE-KIBUN CO.,LTD.へのすり身の供給と同社製品の販売を行っております。また、KIBUN EUROPE B.V.は、EU域内において当社グループから仕入れた水産練り製品や農産加工品等の輸出入を行っており、KIBUN CHINA CO.,LTD.は、中国において当社グループから仕入れた紀文ブランドの水産練り製品等の輸入販売を行っております。


(3)食品関連事業

 食品関連事業の主たるものは、ロジスティクス事業であり、㈱紀文フレッシュシステムが行っております。

 当社グループのチルド食品の国内物流を核に、荷主から物流を一貫して請け負う3PL(サードパーティ・ロジスティクス)ビジネス及び複数の顧客と同社が車両を共有して配送する共同配送事業等を行っております。また、同社は情報システム事業も行っており、チルド物流に関する情報と全国に配置した物流センターによるネットワークが、当社グループの国内取引先への確実な配送を可能にしております。

 他の事業は、㈱豊珠興産が行っている当社グループ内の生産設備・自動車等のリース事業・飲食事業・広告宣伝事業・オフィスサービス事業と、㈱豊珠保険サービスが行っている当社グループ内における損害保険・生命保険の代理業、及び㈱紀文安全食品センターが行っている食品安全衛生検査受託事業であります。

 


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2019.3 103,237 2,594 2,054 474

(連結実績)2020.3 102,252 2,754 2,307 983

(連結予想)2021.3 100,587 3,471 2,959 2,039

(連結3Q累計実績)2021.3 76,452 3,229 2,854 2,058


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2021.3 106.20 - 12

調達資金使途 既存商品生産設備の更新、新規商品生産設備の新設、海外製造ラインの増設


上場時発行済み株数 22,208,181株

公開株数 4,765,600株(公募3,000,000株、売り出し1,144,000株、オーバーアロットメント621,600株)


PER:10.9

PBR:

配当利回り:1.0%

公募時吸い上げ資金:55.2億

公募時時価:258億

    

【株主構成】 

保芦将人 代表取締役会長 4,954,450 25.79 180日

(株)紀鳳産業 代表取締役会長が議決権の過半数を所有する会社 1,872,181 9.75 180日

(株)みずほ銀行 特別利害関係者など 910,000 4.74 180日

(株)匠屋松兵衛 役員らが議決権の過半数を所有する会社 790,000 4.11

社員持ち株会 特別利害関係者など 736,819 3.84

落合正行 取締役副会長 589,035 3.07 180日

キッコーマン(株) 資本業務提携先 568,181 2.96 180日

野村ホールディングス(株) 金融商品取引業者の資本的関係会社 500,000 2.60 180日

(株)大和証券グループ本社 金融商品取引業者の資本的関係会社 450,000 2.34 180日

みずほキャピタル(株) ベンチャーキャピタル(ファンド)、金融商品取引業者の資本的関係会社 370,000 1.93 90日・1.5倍


 募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である株式会社紀鳳産業及び渡部 靖男、貸株人である保芦 將人並びに当社株主である株式会社みずほ銀行、キッコーマン株式会社、野村ホールディングス株式会社、株式会社大和証券グループ本社、日新火災海上保険株式会社、キッコーマンソイフーズ株式会社、株式会社松嶋商事、株式会社プロネクサス、岩塚製菓株式会社、明治安田生命保険相互会社、朝日生命保険相互会社、日本生命保険相互会社、富国生命保険相互会社、みずほ信託銀行株式会社、新菱冷熱工業株式会社、横河電機株式会社、株式会社エム・アイ・ピー、イトウ製菓株式会社、株式会社SBI証券、当社株主かつ役員である落合 正行、堤 裕、弓削 渉、三井 忠彦、川島 純一、大場 政則、國松 浩及び当社グループ会社役職員48名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2021年10月9日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)等を行わない旨合意しております。

 当社株主であるみずほキャピタル株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の2021年7月11日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、その売却価額が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通じて行う東京証券取引所での売却等を除く。)等を行わない旨合意しております。

 なお、ロックアップ対象株式は、上記株主の保有する当社株式のうち12,247,956株であります。


【代表者】

代表者名 堤 裕(上場時64歳9カ月)/1956年生

本店所在地 東京都中央区銀座

設立年 1947年

従業員数 1,063人 (1/31現在)(平均40.6歳、年収489.7万円)、連結2695人

株主数 484人 (目論見書より)

資本金 4,425,800,000円 (3/8現在)

代表者生年月日 1956年07月12日生まれ

代表者略歴

1980年04月 当社入社

2010年06月 常務取締役マーケティング室長兼新規チャネル開発部長

2011年04月 常務取締役秘書室長兼人事総務室長 6月 取締役兼常務執行役員秘書室長兼人事総務室長

2015年04月 取締役兼常務執行役員秘書室長兼人事総務室長兼オンライン事業部長

2016年04月 取締役兼常務執行役員秘書室長 6月 取締役兼専務執行役員秘書室長

2017年04月 取締役兼専務執行役員第二グループ統括室長 12月 代表取締役社長第二グループ統括室長

2018年02月 代表取締役社長秘書部担当兼お客様センター担当

2019年04月 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 3,481,200 84.01

引受証券 野村 248,600 6.00

引受証券 大和 248,600 6.00

引受証券 SMBC日興 41,400 1.00

引受証券 SBI 41,400 1.00

引受証券 極東 41,400 1.00

引受証券 エース 41,400 1.00


【参考類似企業】 参考類似企業 今期予想PER(3/18)

1301  極洋 11.6倍(連結予想 )

1332  日水 15.3倍(連結予想 )

1333  マルハニチロ 22.5倍(連結予想 )

2831  はごろも 10.3倍(連結予想 ) 時価総額332憶 売上8300憶 経常34億

2883  大冷 33.4倍(単独予想 ) 時価総額118憶 売上2700憶 経常12億

2904  一正蒲 23.8倍(連結予想 ) 時価総額225憶 売上3600憶 経常19億

2907  あじかん 23.0倍(連結予想 )

2932  STIフードH 26.2倍(連結予想 )


【私見】

 既に上場しているかと思うほどの知名度で新鮮さはありませんが、安定感のある銘柄です。業種から成長性はなく、売上は減収傾向で、利益は上場を目指してなのか増益傾向となっております。ここは類似業種との比較で、業界2位の一正蒲鉾との比較で経常で1.5倍程度大きく、時価総額から考えても300憶前半の評価はしても良いかと考えています。


想定価額:1310円

仮条件上限:1160円

初値予想:1500円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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