2021年3月24日水曜日

IPO分析(アイスコ)

 【事業内容】

① フローズン事業

 関東及び東海エリアを中心に13拠点の物流センター・営業所と約300台の配送用のトラックを所有し、主にドラッグストア、食品スーパー等の小売店で販売されるアイスクリーム及び市販用冷凍食品の卸売を行っております。


・商品

 当社の取り扱うアイスクリームは、一般社団法人日本アイスクリーム協会の調査によると、2019年の市場規模は5,151億円となり、冷凍食品は、女性の社会進出などを背景として、近年市場が拡大しております。アイスクリーム・冷凍食品の商品知識を備えた営業担当者を育成し、小売業のニーズに応える商品提案を行っております。


・サービス

 ドラッグストアなど、バックヤードに冷凍庫がなく少人数で運営する店舗においては、アイスクリーム・冷凍食品の性質上溶解が発生してしまうため、すぐに売場の冷凍ケースに陳列しなければなりません。当社は、アイスクリーム・冷凍食品の専門の卸問屋として、「ドロップ納品」(商品をバックヤードに置いてくるだけの納品スタイル)ではなく、売り場に直接陳列して納品する「フルメンテナンスサービス」(得意先の売り場に直接商品を納品し、売り場づくりまで当社の配送員が行うサービス)を主として提供しており、小売業の人手不足を補い、店舗に陳列の業務負担をかけることなく、商品を販売できるという付加価値を付けたサービスを対価を得て提供しております。フルメンテナンスサービスの中には、当社社員が得意先に代わって需要を予測し発注する、発注サービスも提供しております。

 また、物流業界は深刻な人手不足、ドライバー不足となっておりますが、当社の配送は、通常9割を自社社員が行い、残り1割を協力会社等に委託しております。自社社員で配送することで、きめ細かいサービスを提供するとともに、フルメンテナンスサービスの質を高める教育を積極的に行い、得意先の開拓、拡大を図っております。


② スーパーマーケット事業

 神奈川県を中心に「スーパー生鮮館TAIGA」を8店舗、テナントとして2店舗展開しております。当社の強みである生鮮3品(青果・鮮魚・精肉)に注力する事で、大手スーパーとの差別化を図っております。生鮮3品につきましては、鮮度・品質・品揃え・価格に徹底的にこだわり、より良い商品、美味しい商品を、よりお求めやすく提供できるよう不断の努力を続けております。

 当社の直営店舗は、出店立地の環境に応じ、主に売場面積150坪から320坪の範囲で店舗展開を進めております。

 

【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.3 35,214 318 419 223

(単独実績)2020.3 36,728 145 212 144

(単独見込)2021.3 40,231 701 764 485

(単独予想)2022.3 41,993 500 539 377


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2022.3 207.31 -  - 

調達資金使途 配送用トラックの購入、新規物流拠点の開発


上場時発行済み株数 1,822,500株 (別に潜在株式139,050株)

公開株数 612,900株(公募217,500株、売り出し315,500株、オーバーアロットメント79,900株)


PER:9.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:12.2億

公募時時価:36億

    


【株主構成】 以下90日

(株)KANコーポレーション 役員らが議決権の過半数を所有する会社 675,000 38.70

相原敏貴 代表取締役会長 367,500 21.07

相原貴久 代表取締役社長、代表取締役会長の実子 150,000 8.60

従業員持ち株会 特別利害関係者など 79,500 4.56

江崎グリコ(株) 取引先 75,000 4.30

相原久子 代表取締役会長の配偶者 52,500 3.01

青木哲也 常務取締役 45,000 2.58

野口みゆき 代表取締役会長の血族 45,000 2.58

永野泰敬 取締役CFO 18,000 1.03

山本宗男 特別利害関係者など 16,500 0.95

浅井功 特別利害関係者など 15,000 0.86


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である相原敏貴、相原貴久、青木哲也及び青木基成、貸株人である株式会社KANコーポレーション、当社株主であるアイスコ従業員持株会、江崎グリコ株式会社、相原久子、野口みゆき、山本宗男、浅井功、青木洋征、武井賢也、相原大輔、押田淑子、鈴木美恵子、武井幸子、相原志伸、三上和美及び堀内之弘並びに当社新株予約権者である永野泰敬、丸山正人、吉野祥一、岸裕一、田口優次、齊藤大士、佐本博史、髙下純次、大野雅也、橋本英二、豊泉実、井上真吾、山屋博幸、坂倉秀雄、杉田一男、向後誠、野澤直人、武藤正成、中田雅明、小沢正治、根本耕次、八木雅史、片岡貴成、竹内啓記、小林太郎、小瀬村健、小船祐也、佐藤裕之、鈴木浩隆、興野智幸、本間薫、小川進吾、磯崎良二、原敦之、宮嶋将広、加藤慎司、槍崎和彰、小畑裕一、鈴木弘人、中川純二、高橋尊人、佐藤匡永、細谷進、松原祐貴、和泉智暁、原真一、勝亦崇敏、赤星優介、柿野聖、秋田憲吾、西川三男、柏木敏郎、伊藤昭夫、津田ひづる、仲野輝夫、高橋健明、小山和也、沼崎幸子、内藤浩司、遠藤吉昭、村尾祥孝、齋藤定志、片倉徳泰、石田俊之、小澤義人、坂口幸助、岡谷亮佐、安住俊彦、田中剛、谷川健太郎、今福正義及び田口なり子は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2021年7月6日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 相原 貴久(上場時49歳10カ月)/1971年生

本店所在地 神奈川県横浜市泉区新橋町

設立年 1952年

従業員数 651人 (1/31現在)(平均36.8歳、年収413.7万円)

株主数 53人 (目論見書より)

資本金 75,000,000円 (3/5現在)

代表者生年月日 1971年05月24日生まれ

代表者略歴

1994年04月 当社 入社

1999年06月 当社 取締役総務部長

2002年03月 (株)大我産業(現当社) 専務取締役

2002年05月 当社 専務取締役

2018年06月 当社 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 野村 - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -


【参考類似企業】


【私見】

 業種としてはコロナでスーパーは恩恵を受けたと思いますが、平常に戻れば大きな優位性はなく業種の面白みはありません。スーパーの出店をすれば成長余地はあるかと思いますが、上場資金の使途ではその目的は入っておらず、短期では成長性は期待できないかもしれません。来期の業績が正常で、PERからは成長性は薄い反面割安感があります。需給は完全ロックで、吸収金額・時価総額も小さいので安く寄れば短期のマネーゲームはあるかもしれませんが、基本的には人気にならないと思います。


想定価額:1750円

仮条件上限:2000円

初値予想:2800円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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