2021年3月10日水曜日

IPO分析(Sharing Innovations)

 【事業内容】

(1)デジタルトランスフォーメーション事業

 デジタルトランスフォーメーション事業においては、システム開発・アプリ開発を行うシステムソリューション、クラウドサービスの導入支援を行うクラウドインテグレーション等を行っております。

 デジタルトランスフォーメーション事業の事業領域においては、技術革新が絶え間なく行われており、近年AI(人工知能)の活用等により、テクノロジーの進化が進んでおります。それら新技術に適時に対応していくために、新サービスの開発やサービスラインナップの充実を図ることで、世の中の技術革新に対応したサービスを提供しております。

 特に当社では、システムソリューションとSalesforceを中心としたクラウドインテグレーションの両方を手掛けていることから、クライアントのニーズに合わせて、通常のシステム開発にSalesforce製品の導入を組み合わせた柔軟な開発を行えることが強みとなります。


①システムソリューション

 当社が創業当初から行っているシステムソリューションでは、金融、流通、ウェブサービス、人材などの幅広い業種・業態の企業をクライアントとして、主にjavaやRubyなどオープン系の技術を用いた社内情報管理システムやリスク管理システム、様々な用途のネイティブアプリ等の設計・開発・導入・維持管理業務を実施しております。

システム開発は一般的に要件定義、基本設計、詳細設計、実装、テストという流れで行われ、要件定義から詳細設計までの上流工程と、実装及びテストの下流工程に分けられます。

 上流工程のうち、要件定義では解決すべき問題や開発すべき機能を一覧にして、明確化していきます。次のフェーズである基本設計では、ユーザーから見た画面の仕様を決定し、詳細設計の段階でシステム内部の動作の仕様を決めていきます。上流工程では、このようにシステムの仕様を確定させていき、更にその仕様に基づいてサーバサイド、フロントエンド、データベース、インフラなど各技術要素に何を用いるかを確定させることで、下流工程での開発にかかる期間と必要な人員を明確化させていきます。

 下流工程の実装フェーズでは、上流工程で確定させた仕様に基づいて、必要な技術者を集め、チームを編成します。チームで作業スケジュールの詳細を決定し、上流工程で定めた仕様に基づいて実装作業を行っていきます。テストフェーズでは、完成したシステムに対して事前に決定した仕様通りの動作を行うかのテストを実施し、問題がないかを検証します。

 当社が関わる開発プロジェクトでは、全ての工程を当社の従業員等で進める場合と、他社が主導するプロジェクトの一部をサポートする場合があります。

 前者の場合、契約形態は主に請負契約となり、開発するアプリ・システムの要件定義から実装、完成物のテストに至るまでの全ての工程、又は一部の工程について当社の開発チーム主導で業務を実施していきます。当社からの請求は、アプリ・システムの全体又は一部を納品し、クライアントの検収が完了した時点で行っております。

 他社が主導するプロジェクトの一部をサポートする場合には、契約形態は主に準委任契約となります。プロジェクトを主導する会社又はクライアントより、プロジェクト内容や業務内容を確認し、当社の従業員または外部協力企業から必要なスキルを備えた適切な人員を選定しております。選定された人員はクライアント先に常駐し、開発プロジェクトに参画します。当社からの請求は、クライアントに提供した開発工数に応じて行われます。

 当社では、これまでのプロジェクトの実施・参画経験をもとに、開発業務に必要なスキルや需要のある技術を分析し、分析結果をもとにプログラミング言語や開発フレームワークなどの教育カリキュラムを作成し、当社従業員の育成を行っております。


②クラウドインテグレーション

 当社の注力分野であるクラウドインテグレーションでは、salesforce.com社が提供しているクラウドベースのCRM(顧客管理)・SFA(営業支援)ツール「Sales Cloud」、マーケティングオートメーションツール「Pardot」、マルチチャネルでのOne to Oneマーケティングを実現する「Marketing Cloud」、人工知能(AI)ツール「Salesforce Einstein」、また、salesforce.com社の子会社であるTABLEAU SOFTWARE, LLCが提供するビジネス・インテリジェンス(BI)ツール「Tableau」等を中心としたクラウドサービス導入支援を行っております。

 クラウドベースの顧客管理システムである「Sales Cloud」の導入支援では、クライアントからのヒアリング内容を基に要件定義を行い、その要件定義に従って設計・テストを実施、クライアントが自ら運用できるようにトレーニングを実施しております。なお、「Sales Cloud」に標準機能以外の機能を追加するためにはsalesforce.com社が独自に開発したプログラミング言語(Apex)を用いて追加開発する必要があります。そのため、当社では、追加開発を行うことのできる技術者を育成し、クライアントニーズに適した設計開発を行える体制を構築することに注力しております。結果として、2021年2月1日現在、高度なプログラミング機能のスキルを証明するsalesforce.com社の認定資格である「Salesforce 認定上級 Platform デベロッパー」の当社在籍者数は、国内12位となっております。

 また、マーケティングオートメーションツールである「Pardot」の導入支援では、クライアントが「Pardot」を用いて営業活動における費用対効果の最大化が実現できるよう、当社にて、クライアントの顧客が認知から購入に至るまでのカスタマージャーニーを設計し、ビジネスの可視化・理解を行った上で、クライアントのビジネスに適した開発を実施しております。「Pardot」の導入支援では、競争優位性を獲得するために、優先的に「Pardot」に関する技術の取得を推進しております。結果として、2021年2月1日現在、「Pardot」を使用して、マーケティング施策におけるワークフローを設計、構築、実装するための知識があること認定するsalesforce.com社の認定資格である「Salesforce 認定 Pardot スペシャリスト」の当社在籍者数は、国内4位となっております。

 人工知能(AI)ツール「Salesforce Einstein」やビジネス・インテリジェンス(BI)ツール「Tableau」については、社内教育等により当ツールを扱える従業員を増やすことで導入支援体制の強化を図っております。「Salesforce Einstein」に関しては、2021年2月1日現在、「Einstein Analytics」と「Einstein Discovery」でのアプリケーション、データセット、ダッシュボード、ストーリーの設計、作成、サポートの基本的な知識とスキルがあることを認定するsalesforce.com社の認定資格である「Salesforce 認定 Einstein Analytics and Discovery コンサルタント」の当社在籍者数が、国内1位となっております。また、「Tableau」については、2020年7月にTABLEAU SOFTWARE, LLCとパートナー契約を締結しております。


(2)プラットフォーム事業

 占いを主要カテゴリーとしたネイティブアプリの企画・開発・運営を中心に行っており、Apple Inc.の運営する「App Store」及びGoogle Inc.の運営する「Google play」等の配信プラットフォーム及びアプリ以外のブラウザを通じて、スマートフォンユーザーに提供しております。

 主要サービスである「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」は、占い師とユーザー間のリアルタイムコミュニケーションによる占い鑑定を可能にしたオンラインチャット占いアプリであります。文字数に応じて鑑定料が課金されるため、鑑定時間を気にせずユーザーのペースで相談できることも特徴であります。継続的なユーザビリティの向上と当社における運用ノウハウの蓄積により、長期間の安定的な収益獲得が可能なサービスと位置づけております。また、ウラーラでは、占いコンテンツ販売、電話占い鑑定も実施しており、ユーザーのニーズに応じてサービスラインナップを拡充しております。ウラーラの2021年1月末における在籍占い師数は900名、2020年12月期の平均月間利用者数は8,400名を超えており、鑑定数は2018年12月期が22万件、2019年12月期が21万件、2020年12月期が22万件となり、2014年7月のサービス開始時からの鑑定実績は2021年1月に114万件を超えました。

 また、当社グループでは、アプリの企画・開発・運営の全てを内製化した自社開発を行っており、ユーザーのニーズに応じた機能を適時に取り入れたサービスを提供することが可能であります。

 


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2018.12 676 58 58 61

(連結実績)2019.12 2,724 146 150 73

(連結実績)2020.12 3,782 273 275 176

(連結予想)2021.12 4,413 324 324 211


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2021.12 57.00 368.71 0

調達資金使途 エンジニアの採用教育費


上場時発行済み株数 3,710,000株 (別に潜在株式536,800株)

公開株数 1,060,800株(公募50,000株、売り出し985,000株、オーバーアロットメント25,800株)


PER:50.0

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:30.2億

公募時時価:106億

  

【株主構成】 

(株)Orchestra Holdings 親会社 3,660,000 87.21 180日

有田佳史(信託口) 新株予約権信託の受託者 284,000 6.77

飯田啓之 代表取締役社長 96,400 2.30

根本崇司 従業員、子会社の役員 96,400 2.30

柳径太 代表取締役会長 20,000 0.48

女鹿慎司 取締役 16,000 0.38

中川義則 取締役 10,000 0.24

久田友紀 従業員 3,500 0.08

山下祐介 従業員 3,500 0.08

足立研一郎 従業員 3,500 0.08

河津康大 従業員 3,500 0.08


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である株式会社Orchestra Holdingsは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2021年9月19日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 飯田 啓之(上場時47歳7カ月)/1973年生

本店所在地 東京都渋谷区恵比寿

設立年 2008年

従業員数 195人 (1/31現在)(平均32.5歳、年収425万円)、連結227人

株主数 1人 (目論見書より)

資本金 330,500,000円 (2/19現在)

代表者生年月日 1973年08月18日生まれ

代表者略歴

年月 概要

1997年04月 日本電信電話(株)入社

1999年07月 東日本電信電話(株)へ転籍

2004年05月 (株)エムアウト入社

2005年09月 (株)ザマー設立、代表取締役就任

2007年04月 (株)ムロドー設立、代表取締役就任

2020年06月 当社代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 野村 - -

引受証券 みずほ - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 エース - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 松井 - -


【参考類似企業】参考類似企業 今期予想PER(3/1)

2317  システナ 37.1倍(連結予想 )

3915  テラスカイ 21.2倍(連結見込 )

3937  Ubicom 58.4倍(連結予想 )

4016  MITHD 35.4倍(連結予想 )

4053  サンアスタ 91.9倍(連結予想 )

4335  IPS 12.7倍(連結予想 )

4481  ベース 23.8倍(連結予想 )

6191  エアトリ 158.4倍(連結予想 )

6533  オーケストラHD 59.0倍(連結予想 )

9651  日プロセス 18.2倍(連結予想 )


【私見】

 業種としてはDX関連で面白みはありますが、大きな優位性は感じず、オーケストラの子会社で急成長するほどではないかと思います。業績は伸びておりますが、PERが高めなので100超が容認されるかは疑問です。オーケストラにはロックがかかっており問題はありませんが、ネット証券主幹事で、吸収金額は適度に大きく、親のオーケストラが300憶なので200億あたりが上限ラインかと思います。


想定価額:2670円

仮条件上限:2850円

初値予想:5000円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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