2021年6月3日木曜日

IPO分析(Enjin)

 【事業内容】

 主に中小・中堅企業、医療機関を対象としたPR支援サービスや顧客とメディア又は決裁者をつなぐプラットフォームサービスを提供するPR事業を展開しております。

 当社は、(1) 法人/経営者向けPR支援サービス、(2) 医療機関/医師向けPR支援サービス、及び(3) メディチョク、その他サービスとして(4) アポチョクの4つのサービスを展開しております。

 当社は、幅広い業界に対するPRのノウハウを生かし、当社プランナーが、TV・新聞等の他社既存メディアやオウンドメディア、プラットフォーム等のサービスの提供において徹底したマニュアライズと制作運用のパッケージ化を行うことで、PRサービスを安価に顧客に提供できる仕組みを構築しております。またメディアへの露出が保証されない従来型のリテーナー契約とは異なり、オウンドメディアや長年積み上げてきたメディアとのコラボ提案実績やオリジナル企画実績を有しているため、成功報酬型にてメディアへの露出・掲載をより効果的かつ確度を高く行うことが可能です。

 そのため、今まであまりPRに馴染みの少なかった、中小・中堅企業、医療機関におけるPRニーズという潜在市場を開拓することが可能となりました。商圏が被りにくい中小・中堅企業、医療機関においても、例えば北海道での成功モデルをパッケージ化して活用することで沖縄でも展開する等、その汎用化が可能となっております。

 収益モデルとしては、顧客が希望するメディアへの露出を獲得した場合にのみ料金が発生する成功報酬型ビジネス、月額課金型プラットフォームビジネスの2つのモデルを展開しております。サービスの提供においては成功報酬型であることからメディアへの露出が決定した後で運用フローに入るため必要なコストを最小限に抑え、メデイア露出後においては制作費用などのイニシャルフィー及び顧客との契約が継続する限りにおいて、安定的に収益を獲得できる月額での継続課金モデルとなっており、月額課金のプラットフォーム収益とあわせて、収益モデルを複数に分散することで、安定的な事業の遂行と、安定収益源が当社の成長を下支えしていることで積極的な事業展開をすることが可能です。

 また当社では、従来は暗黙知とされ共有が難しかった一人一人の貴重な知見をデータベース化し、テクノロジーとノウハウを組み合わせることで、メディア担当者を直接顧客に自動マッチングするメディアマッチングサービス「メディチョク」、そしてそのノウハウを活かした、その他のサービスとして、決裁者を直接顧客にマッチングする決裁者アポイントマッチングサービス「アポチョク」の2つのサービスを提供しております。


各サービスの具体的な内容は、以下のとおりです。

(1) 法人/経営者向けPR支援サービス・(2) 医療機関/医師向けPR支援サービス

 創業から培ったメディアネットワークを駆使し、中小・中堅企業、医療機関を対象としてPR支援サービスを提供しております。外部CMO(Chief Marketing Officer、最高マーケティング責任者)として、オウンドメディアである「KENJA GLOBAL」、「覚悟の瞬間」、「Qualitas」等を中心とした、複数のメディア媒体の中から顧客のニーズに合わせて露出のサポートを行います。PRはスタートアップ企業から大企業まで、その規模にかかわらず企業活動において、スケールアップを目指す段階で必然的にメディアへの露出ニーズは発生いたします。その目的は顧客によって様々ですが、具体例としては以下のとおりです。

  PRサービスの結果としてのメディアへの露出は、社会との相互コミュニケーションであるが故に、社会性やニュース性が求められる双方向発信となるため、広告とは異なり一般的に認知度の少ない企業は露出することが難しく、また、露出内容は番組構成があるため、媒体側の意向に沿う形となり、発信したい内容に一部制約がかかる場合がありますが、社会に広く認知された媒体に取りあげられることでエンドユーザーに対しての認知度がアップすることから高い宣伝効果が得られます。その効果測定は難しいものとなりますが、どんなメディアに取り上げられたかということがブランディングとなるため、市場において価値のあるメディアへ取り上げられるように顧客のターゲットに合わせたメディアの選定を行っております。メディアリレーション活動を通じて創業から現在に至るまでに、北海道から沖縄までのほぼ全ての都道府県でのサービス提供を行った経験から、首都圏に集中しがちなセントラルメディアへの露出枠を地方へ広げることにより、今まで以上に多くの顧客のメディア露出を実現しております。また、メディアの露出だけでなく、WEBバナーの利用についてのアドバイス等露出後の二次利用のサポート等も併せて行うことで、顧客のPR支援としてトータルブランディング構築のサポートを行っております。

  当社顧客の要望や経営課題を詳しくヒアリングし、市場リサーチを踏まえた企画提案、取材、イメージを具現化するライティングや原体験のアウトプットを行い、多角的なアプローチでブランディング戦略をスピーディに展開します。顧客の要望に沿ったメディアや露出の可能性が高いメディア等複数のメディアの中から、アプローチ先を決定します。取り扱う媒体も、雑誌や、Webサイト、TV、動画等、幅広い領域に対するニーズに対応し、制作陣とプランナーが顧客をマネジメントしていきます。各メディアを通じて中小・中堅企業、医療機関の価値を最大限に高めるとともに、顧客が求めるニーズに合わせたブランディングイメージを様々な形で世の中に発信していきます。


(3) メディアマッチングサービス「メディチョク」

 中小・中堅企業、医療機関を対象に今までPR会社の担当者が間に入って仲介していたメディアとのマッチングを、PC・スマートフォン上で行うことができるサービスを提供しております。プラットフォーム上において、顧客側の情報、メディアからの募集情報等を双方で確認することができることから、PC・スマートフォンから自社の情報発信を直接的にメディア担当者に行うことができ、メディア側からのオファー一覧から自社が該当しそうなものを選んで積極的にアプローチすることも可能です。

 従来のPRサービスでは、顧客はPR会社の担当者に依頼してメディアに紹介してもらうか、自社でニュースリリース等を配信して売り込むかの選択肢しかなく、BtoB向けサービスを提供する企業等においてはメディアに取り上げられることが難しいという課題がありました。

また、PR会社を利用した場合のリテーナーフィーも高額になるケースが多く、結果として取り上げられるかどうか不透明な状態でコストを負担することも中小・中堅企業、医療機関においては課題のひとつになります。

 「メディチョク」では、プラットフォームの利用料のみをいただいております。実際にメディアにマッチングした際などにおいて、追加の手数料等の負担は一切ありません。マッチングの回数制限等も設けていないことから、月額利用料のみで何度もマッチングすることも可能となっており、情報発信を行えば行うほど顧客にインセンティブが生まれます。「メディチョク」ではプラットフォームサービスだけでなく、大手新聞社やTV局のプロデューサー等を招いたメディアセミナー、ウェビナー等を開催し、顧客に向けて勉強会を開催することでPRに対する認知向上とリテラシーの向上に努めております。

 情報発信が苦手な顧客向けには、有償でニュースリリースの作成等を代行するオプションサービスも用意する等、サービスを利用している顧客へのサポート体制も構築することで顧客満足度の向上につながっています。


(4) 決裁者アポイントマッチングサービス「アポチョク」

 BtoB向けサービスを提供する企業、富裕層ビジネスを展開する企業等を対象にプラットフォームを利用した決裁者と顧客を直接つなぐアポイントマッチングサービスを提供しています。今までは各社の営業担当者がインサイドセールス等によって行っていた自社のサービスを必要としている決裁者とのアポイントマッチングを、PC・スマートフォン上で行うことができるサービスとなっております。顧客が自社のサービスを必要としている決裁者とのアポイントをマッチングすることが可能です。「アポチョク」では月額利用料のみをいただいております。実際に商談が成立した際等において、追加の手数料等の負担は一切ありません。「アポチョク」においては登録を全て審査制としており、アポイントのマッチングにおいての対応ルールを定めた紳士協定の制定やアポイント後の相互評価制度を導入することでアポイントの質が高くなるための取り組みを行っています。

   

【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.5 1,251 154 156 91

(単独実績)2020.5 1,528 302 309 300

(単独予想)2021.5 2,122 499 498 324

(単独3Q累計実績)2021.5 1,546 418 414 270


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.5 54.12 189.06  - 

調達資金使途 採用活動費、人件費、広告宣伝費

 

上場時発行済み株数 7,000,000株 (別に潜在株式84,000株)

公開株数 2,875,000株(公募1,000,000株、売り出し1,500,000株、オーバーアロットメント375,000株)


PER:25.4

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:39.7億

公募時時価:97億

  

【株主構成】 

本田幸大 代表取締役社長 3,000,000 49.31 180日

(株)S&Sホールディングス 役員らが議決権の過半数を所有する会社 3,000,000 49.31 180日

平田佑司 取締役 18,000 0.30

多鹿晴雄 監査役 18,000 0.30

湯浅直哉 従業員 12,000 0.20

小川浩平 従業員 12,000 0.20

広瀬哲夫 従業員 6,000 0.10

平田里佳 取締役の配偶者、従業員 6,000 0.10

寺崎祐樹 従業員 6,000 0.10

添田繁永 元取締役 6,000 0.10


本募集及び引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である本田幸大並びに当社株主である株式会社S&Sホールディングスは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2021年12月14日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)等を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 本田 幸大(上場時42歳10カ月)/1979年生

本店所在地 大阪府大阪市北区(最寄りの連絡所:東京都中央区銀座)

設立年 2007年

従業員数 152人 (4/30現在)(平均26.5歳、年収514.5万円)

株主数 2人 (目論見書より)

資本金 30,000,000円 (5/14現在)

代表者生年月日 1979年08月01日生まれ

代表者略歴

2004年04月 (株)矢動丸プロジェクト入社

2007年03月 当社設立 代表取締役社長(現任)

2011年11月 (株)アジアハーブアソシエイションジャパン代表取締役

2018年02月 特定非営利活動法人Candy Action代表理事(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 2,375,000 95.00

引受証券 SBI 100,000 4.00

引受証券 楽天 25,000 1.00


【参考類似企業】参考類似企業 今期予想PER(6/1)

2180  サニーサイド 69.3倍(連結予想 )

2436  共同PR 31.2倍(連結予想 )

2449  プラップJ 35.8倍(連結予想 )

3922  PRTIMES 34.9倍(連結予想 )

3929  ソーシャルワイヤ 35.9倍(連結予想 )

6058  ベクトル 43.1倍(連結予想 )


【私見】

 業種としてはブランディング関連で類似業種はあるものの、業種の優位性もあり悪くはないと思います。売上・利益の伸びも良く、PERも30~40が平均の中、上値はあるかと思います。吸収金額がやや大きいものの、ロックも網羅されており、時価総額も大きくはないので200憶までは許容範囲かと思います。初値で高騰という銘柄ではないと思いますが、安く寄った場合の中期であればセカンダリーも興味あります。


想定価額:1380円

仮条件上限:1380円

初値予想:2300円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価3.5

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