2021年6月14日月曜日

IPO分析(オムニプラスシステムリミテッド)

【事業内容】

①流通事業

 原則として当社のエンジニアリング・センター機能及び当社グループによる高機能エンジニアリング・プラスチックのコンパウンド(混合、着色等)を介さない製品の流通であり、その多くは汎用品(ジェネリック)の販売として、売上収益の約60~70%を占めております。


②開発・製造事業

 最終顧客(ブランドメーカー)が生産する家庭用電気機器、電子機器、OA機器、自動車、通信関連機器、医療機器等の製品において、筐体や内蔵部品等の部品用途のニーズに対応した素材の耐久性、耐熱性等に優れた高機能エンジニアリング・プラスチックの開発を行うほか、最終顧客(ブランドメーカー)との共同研究、さらには、A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)及びシンガポールの各種研究機関との共同研究を行っています。

さらに、マレーシア(ジョホール・バル)の製造子会社 Nihon Pigment Sdn.Bhd.において、最終顧客(ブランドメーカー)のニーズに基づく高耐久性、高耐熱性、或いはデザイン性を有した高機能エンジニアリング・プラスチックのコンパウンド(混合、着色等)品の製造・供給を行っています。

原材料となる樹脂は、シンガポール及び周辺国のポリマーメーカーより、現地商社等も通じて調達しており、長期契約に基づいた安定調達体制を構築しています。販売先はオリジナル機器メーカー(OEM)、電子機器製造サービス(EMS)、契約メーカー(CM)、製造パートナー(MPA)、及び成形事業者など多岐に渡り、マレーシア、タイ、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム等の東南アジア諸国に設置された当社の販売子会社や販売代理店を通じた販売を行っています。

 このように当社グループは、最終顧客(ブランドメーカー)が必要とする原材料樹脂を調達し納入、また共同研究等による開発並びに製造、及び安定供給を行う、高機能エンジニアリング・プラスチックのトータル・サプライチェーン・ソリューションを提供しており、東南アジア地域に進出してきたグローバルブランドメーカーとの取引を開拓、深耕させています。


(2)当社グループ事業の特徴と優位性

 事業の特徴は、お客様の製品ライフサイクルの初期段階である材料の研究開発から製品の量産プロセスまでを継続的にフォローしていくことです。

当社グループの最大の強みは、本社(シンガポール)に隣接するエンジニアリング・センターを中心とした研究開発能力にあります。

エンジニアリング・センターでは、開発・エンジニアリング分析・特性評価機能により、アプリケーションの詳細な調査・分析、差別化及び迅速なカスタマイズが可能となっています。シンガポール企業、A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)、およびシンガポールの各種研究機関とのパートナーシップにより、特に自動車・家電分野向け新材料の共同開発・投資を図ると同時に、アプリケーション・マッチング(デザイン・インの重要な指標)のための強力で体系的な材料データベースの構築も担っています。

また、山形大学とは機械学習と人工知能(AI)を使用したポリマー着色剤ライブラリについて共同研究開発を行っています。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上収益 売上総利益 税引き前利益 純利益

(連結実績)2019.3 22,758 2,451 1,257 1,008

(連結実績)2020.3 20,980 2,491 1,164 1,091

(連結実績)2021.3 27,632 3,111 1,518 1,297

(連結予想)2022.3 39,320 4,200  -  1,920


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2022.3 91.80 -  - 

調達資金使途 運転資金


上場時発行済み株数 20,925,844株

公開株数 1,012,000株(公募880,000株、オーバーアロットメント132,000株)


PER:10.4

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:9.7億

公募時時価:201億

    


【株主構成】 

Neo Puay Keong 最高経営責任者(CEO) 8,065,196 40.23 180日

ITOCHU Plastics Pte. Ltd. その他の関係会社 5,315,384 26.52 180日

D3cube Venture Pte Ltd CEOの配偶者である役員が全株保有 4,009,168 20.00 180日

Ang Whai Hoon 特別利害関係者など 1,453,344 7.25 180日

Omni-2025 Pte Ltd CEOの配偶者である役員が全株保有 1,202,752 6.00 180日


【代表者】

代表者名 ネオ・プアイ・ケオン(上場時55歳8カ月)/1965年生

本店所在地 シンガポールベンデマー・ロード B-セントラル

設立年 2002年

従業員数 40人 (3/31現在)(平均39歳、年収6万3910米ドル)、連結216人

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 2,017,636,325円 (5/27現在)

代表者生年月日 1965年10月19日生まれ

代表者略歴

1988年月 Nagase Singapore Pte Ltd 入社

1992年月 Elf Atochem SEA Pte Ltd 入社(現: Total Petrochemicals (S.E.A.) Pte Ltd)

2002年月 当社設立 CEO 就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 704,000 80.00

引受証券 SBI 132,000 15.00

引受証券 岡三 44,000 5.00


【参考類似企業】今期予想PER

3407  旭化成 11.3倍(連結予想 )

4005  住友化 10.1倍(連結予想 )

4021  日産化 24.2倍(連結予想 )

4023  クレハ 11.6倍(連結予想 )

4182  三菱ガス 13.0倍(連結予想 )

4188  三菱ケミHD 13.2倍(連結予想 )

4215  タキロンシーアイ 10.4倍(連結予想 )

8001  伊藤忠 9.0倍(連結予想 )

8090  昭光商 6.2倍(連結予想 )

8098  稲畑産 7.4倍(連結予想 )

8103  明和産 11.1倍(連結予想 )


【私見】

 久々の外国企業の上場で注目度は大きくないと思いますが、市場の反応が読みづらい銘柄です。業種としてはプラスチック関連でやや地味な印象です。業績は良く、PERも低めで、15~20は評価しても良さそうです。時価総額は大きめですが、吸収金額は小さく、既存株主にもロックがかかっており、需給面での不安はなさそうです。買いは大きく入らないような気はしますので、落ち着いた初値は予想されます。


想定価額:910円

仮条件上限:960円

初値予想:1500円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3

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