2021年6月9日水曜日

IPO分析(ベイシス)

 【事業内容】

  インフラ業界において「通信インフラ構築におけるノウハウ・スキル」に「最新テクノロジー」をかけ合わせたサービスと位置づけております。)を展開しており、通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し、通信インフラの設計・施工・運用・保守サービス及び各種プロジェクト支援等のサービスを提供しています。

 当社サービスの特徴は、自社システムであるBLASに加え、RPA、AIなどのテクノロジーを利活用することで、現場管理や現場作業・プロジェクト管理等のIT化を推進しているところにあります。また、当社は国内各地域に営業拠点を設置するとともに、施工等を担う協力会社を擁し、日本全国にサービス提供可能な基盤を有しております。

 

(1) モバイルエンジニアリングサービス(携帯電話のインフラ・ネットワーク構築・運用保守)

 当社は携帯電話基地局の施工案件など請負による現地でのフィールド業務対応のほか、通信事業者等に対してエンジニアを常駐させ、通信インフラの構築、運用、監視等に係る一連の作業を担っております。主要顧客は通信事業者となります。

 また、モバイルエンジニアリングサービスの中で当社が主たる領域としていますのは客先常駐型のプロジェクト支援業務であり、通信機器が設置されたあとに電波環境の最適化をするためのインテグレーション業務の他、定常的な運用監視・保守に係る業務により通信ネットワークが正常に稼働しているか監視し、異常を検知すれば速やかに遠隔、ないしは現場作業にて対応しております。詳細な内容は以下のとおりとなります。

① エリア設計・置局・施工

 携帯電話やWi-Fiなどの電波を発射する基地局工事に関わる品質管理、工期管理、免許申請、部材管理、無線ネットワーク解析、エリア検討業務等を受託し、通信インフラを構築する支援業務を行っています。業務遂行はもちろんのこと、当社はRPAやその他独自開発ツールを用いて、エラー発生時の自動検出、データベースの自動更新、データ照合の自動化などを行いヒューマンエラーの低減による業務改善や業務効率化を図っております。また、基地局等の施工においては全国20万箇所以上(2021年4月末累計実績)のキャリアWi-Fi構築実績があります。


② インテグレーション

 電波発射作業、正常性確認、無線機のソフトウェアアップグレード、工程管理等を受託しております。具体的には、基地局に対して遠隔よりデータ投入・設定をするなどして基地局が携帯電話の電波を発射ができるように対応する業務となりますが、これまで全国で行ってきた通信キャリアを問わない様々な無線機への対応ノウハウをはじめ、各種ツールの開発、運用による作業の標準化や効率化を図り、オペレーションコストを削減するのみならず作業ミスの防止につなげることで作業品質を向上しております。


③ 運用監視・保守

 通信障害発生時の検知、障害対応、原因調査、現地対応管理等を受託しております。本分野におきましては、当社自拠点の工事部門と連携し、障害発生時の現場対応までを迅速に行うことが可能となっております。

 上記のサービスは特定の通信事業者に限ること無く提供することができるのと同時に様々な主要通信方式(4G、5G、WiFi、WiMAX、AXGP、LoRA等)にも対応することが可能となります。客先常駐型のプロジェクトは準委任契約となり、プロジェクト自体が数年続くこともあるため、1ヶ月~3ヶ月契約を継続的に更新するストック型のビジネスとなります。請負系案件は業務請負契約となり、基地局工事などが完工した際に売上計上されるフロー型のビジネスとなります。


(2) IoTエンジニアリングサービス(IoTインフラ・ネットワーク構築・運用保守)

 電力、ガス等の生活インフラ提供事業者や鉄道、駐車場、小売等のIoTインフラを構築する事業者向けにIoT機器の設置、交換、運用・監視、ネットワーク構築等のサービスを提供しています。主要顧客は通信事業者、通信機器メーカー、電力会社、ガス会社となります。

① 仕様検討・機器設置

 IoT機器設置における工事の仕様を検討し、現地で機器設置、ネットワーク工事を行い、設定・動作確認を行います。これまでの設置実績として電力スマートメーター設置台数は140万台(2021年4月末累計実績)です。

② 運用監視・保守

 機器や通信ネットワーク等のイレギュラーや不具合の運用監視を行い、障害発生時は現地やリモートで対応を行います。

 その中で当社は、BLAS、AI(画像認識)、RPAなどのテクノロジーを活用することでオペレーションコストを削減するのみならず、ヒューマンエラーの低減を可能とするサービスを提供しております。BLASではプロジェクトの進捗状況を一元管理するほか、現場の情報をスマートフォンを通じてアップロードすることでリアルタイムに現場の進捗や成果物管理が可能となっており、事後の作業報告書までも自動作成することができます。またAI(画像認識)では、現場作業員が手入力するデータと機器に表示されるデータの自動チェックを行うことでデータ誤登録を防ぎ、その他定型業務はRPAを活用することで作業の自動化を実現しております。このようにBLAS、AI(画像認識)、RPA等を活用することで作業ミスの低減、事務工数及びオペレーションコストの削減を実現しております。

 機器設置案件は業務請負契約となり、フロー型のビジネスとなります。保守・運用は業務請負契約ではありますが、IoT機器の安定的な運用を維持するため、継続的な業務となり、ストック型のビジネスとなります。

 また、全国の主要な都市(札幌、仙台、東京、大阪、広島、福岡)に設けた事業拠点にエンジニアを配置し、加えて全国各地の協力会社ネットワーク「ベイシスパートナーズ」を構築しており日本全国を対象エリアとしたサービス展開が行える体制となっています。そのため、全国型の大規模案件の対応も可能としています。


(3)その他サービス

 モバイルエンジニアリングサービス、IoTエンジニアリングサービスの現場業務で培ったノウハウを基に、RPAツールの販売、RPA導入支援、ドローンを活用した設備点検等のサービスを提供しています。

 


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.6 3,092 108 101 61

(単独実績)2020.6 3,263 123 117 69

(単独予想)2021.6 4,819 327 325 199

(単独3Q累計実績)2021.6 3,461 316 315 216


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.6 127.46 - 0

調達資金使途 設備投資、運転資金、借入金返済


上場時発行済み株数 1,758,100株 (別に潜在株式76,000株)

公開株数 401,300株(公募196,000株、売り出し153,000株、オーバーアロットメント52,300株)


PER:16.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:7.8億

公募時時価:49億

    

【株主構成】 

ワイズマネージメント(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 875,000 53.42 180日

吉村公孝 代表取締役社長 510,000 31.13 180日

従業員持ち株会 特別利害関係者など 115,000 7.02 180日

Accuver(株) 特別利害関係者など 55,000 3.36

和田健士 元取締役 7,500 0.46 180日

高野竜介 取締役、執行役員 7,500 0.46 180日

三菱UFJキャピタル4号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 7,100 0.43 90日・1.5倍

遊佐武文 従業員 5,500 0.34 180日

田中裕輔 取締役、執行役員 5,000 0.31 180日

松下弘樹 従業員 5,000 0.31 180日


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である吉村公孝、並びに当社株主(新株予約権者を含む。)であるワイズマネージメント株式会社、ベイシスグループ従業員持株会、和田健士、高野竜介、遊佐武文、田中裕輔、松下弘樹、佐藤倫大、山下淳史、鈴木隼土、島野祥一、宮本宗治、大塚駿、土田謙志、中津尚毅、中村勝隆、加藤諒、針生靖菜、谷口真司、彦野誠、中谷康宏、西川彩及び木村周は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2021年12月20日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことは除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社株主である三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の2021年9月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等を除く。)等を行わない旨合意しております。

 

 【代表者】

代表者名 吉村 公孝(上場時48歳8カ月)/1972年生

本店所在地 東京都品川区北品川

設立年 2000年

従業員数 330人 (4/30現在)(平均36.1歳、年収341.5万円)

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 93,470,000円 (5/21現在)

代表者生年月日 1972年10月19日生まれ

代表者略歴

1995年04月 (株)阪南コーポレーション 入社

1996年09月 個人事業主

2000年07月 当社設立、代表取締役社長(現任)

2013年04月 ワイズマネージメント(株)設立、代表取締役(現任)

2021年01月 (一社)EO Setouchi 会長就任 (現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 314,500 90.11

引受証券 SMBC日興 10,400 2.98

引受証券 SBI 6,900 1.98

引受証券 岡三 5,200 1.49

引受証券 いちよし 5,200 1.49

引受証券 東海東京 1,700 0.49

引受証券 岩井コスモ 1,700 0.49

引受証券 マネックス 1,700 0.49

引受証券 楽天 1,700 0.49


【参考類似企業】今期予想PER(5/26)

1417  ミライトHD 9.4倍(連結予想 )

1721  コムシスHD 13.8倍(連結予想 )

1951  協エクシオ 12.8倍(連結予想 )

1973  NESIC 16.7倍(連結予想 )

7518  ネットワン 19.0倍(連結予想 )


【私見】

 通信インフラということで、5G関連でもあり、時流には合致し業種妙味はあります。業績も今期は増収増益率と伸び率も良く成長性は感じます。業種的に高PERが容認される業界ではありませんが、上値はあるでしょう。需給も小規模で、ロックもほぼ網羅されていることから人気化する可能性は高いでしょう。


想定価額:1960円

仮条件上限:2040円

初値予想:5000円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価4

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