2022年12月11日日曜日

IPO分析(ダイワ通信)

 【事業内容】

​ 継続的な手数料収入を得るモバイル事業(ソフトバンク株式会社の一次代理店として移動体通信機器等の販売)と成長戦略であるセキュリティ事業(防犯・監視カメラ等の販売及び監視カメラシステムの施工、保守等)の2つの事業を持ち、モバイル事業による安定収益をセキュリティ事業の拡大に充てることで、新たな価値を付加した商品やサービスの創出を行い、誰もが安心・安全・便利に暮らせる未来の街「Safe City」の実現に取り組んでおります。

 現在、モバイル事業では石川県において8店舗、富山県において2店舗のソフトバンクショップを展開し、セキュリティ事業では、営業拠点の拡充(札幌オフィス、仙台オフィス、新潟オフィス、東京オフィス、名古屋オフィス、大阪オフィス、北陸オフィス、広島オフィス、福岡オフィス)を図ってきております。

 

(セキュリティ事業)

 防犯・監視カメラの販売を基本とし、そのカメラを用いた防犯・監視カメラシステムの販売及び施工、保守を行っております。防犯・監視カメラシステムの販売においては、防犯・監視カメラの機器の特性を理解し、そのうえでコストや撮影精度、また操作性などの顧客ニーズに適した施工に取り組んでおります。カメラの設置場所を定め、カメラ撮影の範囲を決め、設置場所に適したカメラを選定し、カメラ設置の目的に即した監視カメラシステムを提供しております。また、AI(画像認識)を用いた顔認証システムによる温度測定や入退室管理システムのソリューション並びに販売も行っております。

  その他、国内外の防犯・監視カメラメーカー及びエレクトロニクス先端技術商品のメーカーの探求・開拓を通じて、広く商品の調達を行い、認定パートナー制度による販売活動を行っております。その他では、非接触、省人化、DXをはじめとするニーズ、また多様化、高度化等の広汎な範囲にわたるニーズに応える商品の企画・開発に取り組んでおります。防犯・監視カメラの画像データをAIで分析し、その不審行動から万引き等の発生可能性に関する結果を管理者に通報するシステム、またAIを用いた顔認証による入退室管理システム等の防犯・監視カメラを活用したセキュリティシステムのソリューションを行っております。

 これら商品及びシステムを、販売取引先を介してショッピングモールなどの大型施設からドラッグストアなどの小売系の店舗、工場や倉庫、学校、病院、建設現場、オフィスなど幅広い業界に納入しております。

 事業構造は、ディーズセキュリティ株式会社(子会社)が防犯・監視カメラの調達を担うとともに認定パートナー制度を構築し、卸売業を展開しております。当社は、その認定パートナー企業の1社となり、また子会社から仕入れた機器を用いて防犯・監視カメラシステムを考案し、現地据付工事を施して顧客にシステム提供を行っております。なおアクト通信株式会社(子会社)は、現地据付工事の工事を担当しております。当社グループは商品の調達からシステムの考案、販売、施工、保守まで一貫したソリューションを提供しております。

 AIを各種機器に実装することによる新たな価値の創造に努めております。ニーズの多様化、高度化、広汎な範囲にわたるニーズに応える商品の企画・開発にも取り組んでおります。

 例えば、2019年に他社との共同開発によるAIセキュリティシステム「SeDAI」をリリースし、犯罪を未然に防ぐことを目的に家電量販店やドラッグストア等を中心に展開を行っています。SeDAIはネットワークカメラの映像をAI(画像認識)が自動解析し、人間の不審な動きを検知し、従業員・警備員のスマートフォンや警備本部のモニターへリアルタイムで通知する最先端の防犯システムであります。その他には、検温機能を備えたAI温度測定機能付顔認証デバイス、AI(画像認識)が熊の種類、雄雌の区分、行動を学習することで実現するAI熊検知システム、警備ロボットにAI(画像認識)を搭載して除菌機能を備えた除菌ロボット「UV FOUR」の企画・開発も行い、病院や商業施設を中心に省人化による除菌ニーズへの対応を行っております。

 また、安心・安全で人が便利に暮らせる街づくりを目指すなかで、現在各種カメラ、AI(画像認識)、各種センサー等を利用したレジや接客を省人化させて無人型店舗の企画・開発に取り組んでおります。これは、店舗にて顔認証による初期登録を行うことにより、店舗内から商品を持ち出す際、レジ精算を行うことなく、顔で自動精算される仕組みとなり、将来的に顔認証で、買い物、通勤、食事など各種サービスを享受できる仕組みづくりの実証実験も行っております。

 

 セキュリティ事業における強みは、以下のとおりであると当社グループは認識しております。

(幅広い商品ラインナップ、顧客ニーズに合わせたワンストップ提案体制)

 当社グループでは、複数メーカーの商品を取り扱っております。また顧客ニーズに合わせ防犯・監視カメラシステムの考案、施工、保守の一気通貫したソリューションを提供しております。

 

(設置工事機能の内製化と一括管理体制)

 設置工事等の機能を、子会社のアクト通信株式会社が担い、一括管理することで、工事単価の標準化を行い、当社グループ全体の利益率確保に寄与する体制となっております。また、工事の管理をアクト通信株式会社が行うことにより、工事品質の一定水準の確保が可能となり、工事手直しやクレーム等の減少につながります。


(大手販売取引先との協力体制)

 警備会社及び事務機器メーカー、商社等の販路が確保できております。また、全国に販売網をもつ大手販売先との販売協力体制が構築できており、安定的な顧客基盤が整備できております。


(全国に広がる認定パートナー制度)

 全国のエリア別に認定パートナーを計196社(2022年6月30日現在)設定し、年間取引金額に応じたランク分けを行うことで、安定した売上と利益を確保できる体制を構築しております。認定パートナーは、営業活動支援(デモ機の特別価格販売・貸出制度)、専任営業担当者支援、マーケティングツール支援、技術支援、教育(アカデミー)支援などの特典がランクに応じて受けられるため、安定した商品の供給及びスムーズな営業展開が可能となります。


(新商品・新サービス提供に関する機動力)

 高い企画力と販売力に基づき、社会情勢を踏まえた顧客ニーズをいち早く捉えて、新商品・新サービスを提供しております。


(モバイル事業)

 創業時からの基幹事業であり、ソフトバンク株式会社から委託を受け、一次代理店として携帯電話の販売を目的とした店舗運営及び法人顧客を対象とした法人サービスの業務を行っております。

 主たる内容は、ソフトバンクショップ(ワイモバイル取扱店含む)の運営にあり、一般顧客向けにタブレット、スマートフォン、フィーチャーフォン、モバイルWi-Fiルータや携帯電話アクセサリー等の販売の他、料金プランのコンサルティング、サービスの契約取次、通信料金の収納代行、及び故障受付などのアフターサービスやスマートフォンやタブレット活用の講習会・相談会の実施、さらに提携保険の販売等を行っており、この運営の対価については、基本的に個別のユーザーから受領するのではなく、ソフトバンク等の各通信キャリアから、手数料と支援費を受領しております。ただし、機器のトラブルや使い方等に関して定期的に相談を希望する顧客より、契約時に一定の手数料を受領する場合があります。

 当該事業に係る国内の移動体通信端末市場は、飽和状態にあるものの、価格の割安な格安スマホの参入、また第5世代通信に対応したスマートフォンへの買替え需要等、市場内で変化がおきております。一方、他キャリアも含め、携帯電話契約の取扱いが、今後、インターネットによるオンライン契約に移行していくことが予想されます。これに伴い、携帯電話ショップのリアル店舗は地区に応じて一定数に収斂していくものと予想でき、当社は新規出店ではなく、現在の店舗数(10店舗)を2023年、2024年と維持し、北陸地区でイオンモールなどの商業施設を中心としたドミナント戦略の展開と顧客サービスの向上から顧客を確保し、安定した売上高の確保に努めております。

 一方、法人サービス業務につきましては、各通信キャリアの一次代理店として、法人顧客向けにタブレットやスマートフォン、モバイルWi-Fiルーター等の販売を行うほか、料金プランのコンサルティング、通信キャリアが提供する法人向けサービスの契約取次、並びに故障受付等の業務を行っております。当該業務につきましては、基本的に専任の部署や担当者を設けず、店舗販売担当者が得意先の企業に対して電話や訪問等によりアプローチを行っておりますが、ソフトバンクショップの各店舗には法人カウンターを設置しており、店頭においても法人顧客の対応を行っております。なお、本業務から得られる収益の内容については、基本的に店舗運営業務と同様であります。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/03 連結中間実績 2,126 186 184 122

2023/03 連結会社予想 4,727 480 472 308

2022/03 連結実績 4,790 611 610 394

2021/03 連結実績 6,740 2,110 2,114 1,403


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/03 連結会社予想 113.89 920.78 0.00

上場時発行済株数 2,707,000株

公開株数 814,800株(売り出し708,600株、オーバーアロットメント106,200株)


PER:14.9

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:13.9億

公募時時価:46億

​   

【株主構成】 

IWAMOTOアセットマネジメント㈱ 役員らが議決権の過半数を所有する会社 1,381,000 51.02%  180日

岩本秀成 代表取締役社長 1,120,000 41.37% 180日

前田憲司 常務取締役 120,000 4.43% 180日

隈田佳孝 専務取締役 66,000 2.44% 180日

多賀勝用 取締役 20,000 0.74% 180日


 引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である岩本秀成並びに売出人である前田憲司、隈田佳孝、IWAMOTOアセットマネジメント株式会社及び多賀勝用は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2023年6月23日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得することを除く。)等を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 岩本 秀成(上場時56歳10カ月)/1966年生

本店所在地 石川県金沢市入江

設立年 2016年

従業員数 90人 (2022/10/31現在)(平均32.2歳、年収363.9万円)、連結123人

事業内容 セキュリティ-事業(防犯・監視カメラなどの企画・販売・施工・保守、顔認証技術などを利用したソリューションの提供)、モバイル事業(携帯電話などの販売および代理店業務)

URL https://daiwawa.com/

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2022/11/21現在)

代表者生年月日 1966年02月03日生まれ

代表者略歴

1984年04月 内灘町役場入庁

1993年04月 金城交通(株)入社 取締役営業部長

1996年04月 有限会社ムーブ北陸設立 代表就任

2016年03月 ディーズカンパニー(株)(現IWAMOTOアセットマネジメント(株))代表取締役就任(現)

2016年03月 当社設立、代表取締役社長就任(現)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ - -

引受証券 野村 - -

引受証券 大和 - -

引受証券 今村 - -

引受証券 SBI - -


【参考類似企業】今期予想PER(11/28)

2763 エフティG 8.9倍 (連結予想)

3076 あいHD 13.4倍 (連結予想)

3323 レカム 21.3倍 (連結予想)

3393 スターティアHD 10.5倍 (連結予想)

3562 No.1 8.9倍 (連結予想)

4768 大塚商 24.0倍 (連結予想)

8060 キヤノンMJ 12.1倍 (連結予想)

8275 フォーバル 13.7倍 (連結予想)


【私見】

 北陸地方のセキュリティ商品とモバイルの販売ということで、真新しさはなく業種妙味はありません。コロナ関連商品で特需はあり減益となっていますが、公募価額に割高感は感じません。小型で、VCなしなので需給は問題ありませんが、特需でもない限り大きくは上がらないとい予想します。


想定価額:1690円

仮条件上限:1700円

初値予想:1800円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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