2022年12月9日金曜日

IPO分析(jig.jp)

 【事業内容】

​(1) 一般消費者向け関連

①ライブ配信事業(株式会社A Inc.) 

(ア) ライブ配信事業の概要

ライブ配信サービス「ふわっち」を提供しております。

「ふわっち」で、ライブ配信及びライブ配信の視聴ができるアプリです。誰でも簡単に配信できるようアプリを立ち上げてからボタン一つで配信を開始できるように設計しています。

 スマートフォンやPCを用いて誰でも簡単にライブの視聴、配信を行うことができます。ユーザーは、スマートフォンに搭載されたカメラ等を通じてライブ配信を行う配信ユーザーと、そのライブ配信をスマートフォンやPCを通じてリアルタイムで視聴する視聴ユーザーに大別されます。ユーザーはライブ配信及びライブ配信の視聴を原則として無料で行うことができ、配信ユーザーによるライブ配信は「ふわっち」内で全てのユーザーが自由に視聴することができます。

 視聴ユーザーはライブ配信をリアルタイムで視聴するとともに、配信中にスマートフォンやPCの画面内に表示されるコメント欄に自身のコメントを送り配信ユーザーや他の視聴ユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取ることや、無料/有料のアイテムを利用することで、ライブ画面を盛り上げるエフェクトを発動することができます。当社グループにおいては、ライブ配信中に視聴ユーザーが使用するアイテムの販売が当社グループの主な収益となり、2022年3月期の当社グループ収益の約99%を占めています。

 配信ユーザーは自身の行う配信において、視聴ユーザーの数や無料/有料のアイテムを視聴ユーザーからどの程度受け取ったかなどを含む配信を盛り上げたことによる報酬として当社グループからポイント(1ポイントあたり1円相当)を獲得することができます。ポイントは、ポイントでのみ獲得できる限定アイテムや他社ポイントサイトのポイント、現金(銀行振込)に交換することが可能です。当社グループは配信ユーザーが雑誌等の媒体への出演権や「ふわっち」の特製グッズ等の特典を競い合うイベントやランキング戦を設けることや、期間限定アイテムの販売を行う等、配信が盛り上がる企画を提供することにより、新たなユーザーの獲得やユーザー層の拡大に努めております。


 「ふわっち」は芸能人や音楽やスポーツ等の特定分野のプロではないアマチュアの配信ユーザー(例えば、普通の会社員、主婦、シニア、学生等)がメインで配信するサービスであることから一般の方が配信を始めることの敷居が低く、また各配信ユーザーのバックグラウンドが多種多様であることから配信内容に多様性があり、ユーザー層の裾野が幅広いことが特徴です。「ふわっち」は、2015年のサービス開始以来、30代~40代をメインユーザー層としており、その周辺年代も含めた20代~50代までの幅広い年齢層を中心とした男女にご利用いただいております。


(イ) ライブ配信事業の特徴

 自身の配信を行うことを、SNS等を通じて予告することができます。また、配信はリアルタイムにて行われることから、配信開始時にはフォロワーに対してアプリ内で通知を送ることができるほか、Twitterシェア機能を通じて、ユーザー自身が「ふわっち」上で行うライブ配信の開始をTwitter上に投稿、拡散することで、新たなユーザーの獲得につなげることができます。

 ライブ配信は、配信ユーザーが特定のコンテンツを一方的に提供するものではなく、コメント投稿やアイテム使用により視聴ユーザーがライブ配信に積極的にアクションを起こすことで、配信ユーザーと視聴ユーザーとでリアルタイムなコミュニケーションを楽しみ、その時間を互いに共有し合うことが特徴であると当社グループでは考えております。また、そのコミュニケーションの中で、視聴ユーザーはアイテム使用等により配信ユーザーを応援し、配信ユーザーは視聴ユーザーに楽しんでもらうことや、喜んでもらうために配信を行うといったサイクルが成立しているものと当社グループでは考えております。インターネットを通じて初めて生まれる何気ないコミュニケーションは、普段の日常生活では味わうことが難しい、家庭でも職場でもない第三の場所における関係性の構築に価値があるものと当社グループでは分析しております。

 その他、風船、ハート、バーガー、ふわふわくまさん、ガラガラくじなど多種多様な通常アイテムを取り揃えており、ユーザーが気分に合わせて利用することが可能です。また、ビギナー配信ユーザーを応援するアイテムとして無料で提供している「ひよこ」、特定のカテゴリーの配信を視聴することにより無料で貯まるアイテム「メガホン」等、無料アイテムも一部提供しております。さらに、音の鳴るアイテムの販売など新商品の開発も恒常的に実施しています。


<イベントについて>

 配信ユーザーがイベント開催期間中において、視聴ユーザーの数や無料/有料のアイテムを視聴ユーザーからどの程度受け取ったかなどを含む配信の盛り上がりに応じて当社グループより付与されるランキングポイントの合計で順位を競い合うもので、最終的な順位に応じて特典を受け取ることができます。当社グループはイベントの開催により、配信ユーザーが特典を獲得するために配信するモチベーションを高め、配信頻度の増加や配信ユーザー数の増加を図ることができ、かつ配信の盛り上がりを創出できるものと考えており、視聴ユーザー、課金ユーザーを含む新たなユーザーの獲得やユーザー層の拡大に寄与していると分析しております。

 なお、イベントの特典には、雑誌やCM、ラジオ番組への出演、街頭ポスターへの掲載等配信ユーザーとしての知名度向上につながるようなものや、配信グッズ(マイク、照明セットの配信機材)等配信ユーザーの配信活動自体に役立つもの等があります。

 また、特典を競うイベント以外に、新規配信ユーザーの応援イベント、配信を始めて間もないルーキーの配信ユーザーのみを対象としたイベント、次のステージを目指す中堅配信ユーザーを対象としたイベント等、数多くの配信ユーザーの中で、注目を浴びるチャンスを提供することを目的としたイベントも提供しております。

 加えて、アイテム獲得等によるランキングポイントの競い合い以外の要素として、ナイス(無料で1ユーザー1日1回のみ押せるもの)の数を競い合うイベント、視聴ユーザー数を競い合うイベント、デイリーランキング、マンスリーランキング等の各種ランキングを設置し、多くのユーザーが様々な場所でスポットライトが当たるように、企画の考案、実施に努めております。以下はイベント開催時のアプリ内に表示するバナーの一例です。


  <カテゴリーについて>

 雑談、音楽、趣味、コラボなど複数の配信カテゴリーを提供しており、ユーザーが容易に自分好みのライブ配信を見つけることができるような仕組みを提供しております。なお、配信ユーザー自身が、自身の配信ライブの内容に応じて配信カテゴリーを選択しており、視聴ユーザーは自身の好みや興味関心のあるカテゴリーからお気に入りの配信ユーザーを探すことが可能です。

 また、たぬき、きつね、うさぎなど特殊な機能を持つカテゴリーも提供しております。たぬき、きつねの両カテゴリーにおいては、視聴ユーザーが匿名でのコメント投稿が可能であることが大きな特徴です。たぬきカテゴリーでは匿名投稿は任意選択、きつねカテゴリーでは全員が自動的に匿名投稿との違いがあります。うさぎカテゴリーについては、視聴ユーザーはうさぎカテゴリーの配信を視聴することでメガホンを無料で貯めることができることから、配信ユーザーにとっては通常のカテゴリーでの配信に比べて視聴ユーザーを集めやすいことが特徴です。加えて、配信ユーザー同士が配信しながらコミュニケーションできるコラボ配信機能を使用することのできるコラボカテゴリーを提供しております。

 上記の通り、複数のジャンルや機能に応じてカテゴリーが分かれていることにより、ユーザーは自身の配信内容や配信スタイルに応じて臨機応変にカテゴリーを選択できることから、配信ユーザーと視聴ユーザー双方の多様なニーズに対応しているものと当社グループでは考えております。


②ブラウザ事業(株式会社jig.jp) 

 フィーチャーフォン向けフルブラウザアプリ「jigブラウザ」を提供しております。

「jigブラウザ」は、フィーチャーフォンからのPCサイト閲覧を実現するフルブラウザアプリです。現在では、ほとんどのwebサイトがPC向け又はスマートフォン向けで提供されておりますが、フィーチャーフォンからでも、それらのPC向け又はスマートフォン向けwebサイトを閲覧できるサービスとなります。 

 当サービスは、利用者から月額利用又は年間利用の料金を受領し、サービスを提供するブラウザアプリであります。また、アドネットワーク各社から「jigブラウザ」への広告掲載による報酬を受領しております。


③その他事業(株式会社jig.jp) 

 Twitterクライアント事業のサービスを提供しております。また、アドネットワーク各社から「jigtwi」への広告掲載による報酬を受領しております。


(2)自治体向け・企業向け関連

①こどもパソコン事業(株式会社B Inc.)

 当社所有の商標権「IchigoJam」を使用したプログラミング専用こどもパソコンを委託先が生産・販売することにより、その販売台数に応じた一定のライセンス料を委託先より受領し、収益を獲得するものであります。プログラミングや電子工作について学ぶ場を提供している企業や学校等でプログラミング教材として活用されております。


②オープンデータプラットフォーム事業(株式会社B Inc.)

 契約先の自治体に対して自治体から公開されているファイル形式(EXCEL、PDF、CSV、XMLなど)を、全国で統一されている形式(LinkedRDF)へ簡単に変換し、公開できるプラットフォームを提供し、その利用料として各委託先自治体よりプラットフォーム利用料を受領し、収益を獲得するものであります。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/03 連結中間実績 5,126 427 427 468

2023/03 連結会社予想 10,198 923 921 844

2022/03 連結実績 8,984 -261 -253 -215

2021/03 連結実績 6,700 57 66 227


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/03 連結会社予想 20.10 - 0.00


上場時発行済株数 42,054,000株(別に潜在株式3,750,000株)

公開株数 3,789,700株(公募57,000株、売り出し3,238,400株、オーバーアロットメント494,300株)

調達資金使途 採用費・人件費


売出しを行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:16.9

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:12.9億

公募時時価:142億

【株主構成】 

福野泰介 取締役会長 10,681,500 23.35% 180日

インキュベイトキャピタル5号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)10,500,000 22.95% 90日・1.5倍

赤浦徹 取締役 5,412,000 11.83%  180日

岸周平 取締役 5,277,000 11.54% 180日

WiL Fund I, L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 4,195,500 9.17%

蜂屋浩一 新株予約権信託の受託者 3,750,000 8.20% 90日・1.5倍

B Dash Fund3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,517,000 5.50% 90日・1.5倍

占部哲之 代表取締役社長 642,000 1.40% 180日

(株)セレス 特別利害関係者など 418,500 0.91%

野沢知史 元取締役 405,000 0.89% 180日

(有)ジュノー・アンド・カンパニー セレス代表取締役社長の資産管理会社 375,000 0.82%


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である占部哲之、貸株人である福野泰介及び野沢知史、売出人である岸周平、当社株主である赤浦徹、jig.jp従業員持株会、菊池武洋、渡邉安弘、朝野大志、坂本尚嗣及び畑山直也は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2023年6月19日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 売出人であるインキュベイトキャピタル5号投資事業有限責任組合、株式会社セレス及び有限会社ジュノー・アンド・カンパニー、当社株主であるWiL Fund I, L.P.、B Dash Fund3号投資事業有限責任組合、YJ2号投資事業組合及びCANOPUS株式会社は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2023年3月21日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。


【代表者】

代表者名 占部 哲之(上場時52歳9カ月)/1970年生

本店所在地 福井県鯖江市横越町(東京本社:渋谷区千駄ヶ谷)

設立年 2003年

従業員数 65人 (2022/09/30現在)(平均33.1歳、年収540.4万円)、連結65人

事業内容 ライブ配信事業「ふわっち」を中心とした一般消費者向け関連事業および自治体向け・企業向け関連事業

URL https://jig.jp/

株主数 23人 (目論見書より)

代表者生年月日 1970年03月13日生まれ

代表者略歴

1992年04月 金商株式会社(現:三菱商事RtMジャパン株式会社) 入社

1998年02月 株式会社リンデマテリアルハンドリングジャパン 入社

2000年07月 株式会社ギャガ・コミュニケーションズ(現:ギャ ガ株式会社) 入社

2001年09月 ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社 (現:ソニーネットワークコミュニケーションズ株 式会社) 入社

2008年02月 当社 入社

2016年04月 株式会社A Inc. 代表取締役社長(現任)、6月 当社 代表取締役副社長

2017年03月 株式会社B Inc. 取締役(現任)

2018年06月 当社 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 極東 - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -


【参考類似企業】今期予想PER(11/28)

2432  DeNA 16.7倍 (連結予想)

4308 Jストリーム 11.3倍 (連結予想)

5031 モイ - (単独予想)

9468 KADOKAWA 29.0倍 (連結予想)


【私見】

 ふわっちというライブ配信事業で、個人的には知らないのですが、面白さはあるものの人気になったANYCOLORというよりも株価も冴えないモイに近いのかと思います。売上の伸びは良く、今期の利益見通しは凄まじいものがあります。海外配分があることはプラスですが、規模的にはやや大きめで、1.5倍で売却可能なVCが多いので、500円あたりがラインかと思います。


想定価額:310円

仮条件上限:340円

初値予想:500円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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