2022年12月7日水曜日

IPO分析(INFORICH)

 【事業内容】

​(1)当社グループが提供するサービスの内容

 ChargeSPOT事業の単一セグメントであることからセグメント別の記載はしておりませんが、当社グループが提供するサービスは、日本初の持ち運び可能なスマホ充電器のシェアリングサービスであるモバイルバッテリーシェアリングサービスと当該モバイルバッテリーのバッテリースタンドそのものをシェアリング媒体として広告サービスを提供するサイネージサービスの2つで構成されております。


① モバイルバッテリーシェアリングサービス

 「ChargeSPOT」は、「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに2018年4月から開始した、主にスマートフォン向けの充電器の貸出サービスであります。スマートフォンは現在、コミュニケーション手段や情報取得端末という側面を超えて、ビジネス利用や普段の生活での決済等私たちの日々の生活に欠かせないインフラとなっております。そのため、スマートフォンのバッテリー残量切れを防ぐことは利便性の高い日常生活を営む上で必要不可欠となっております。

 こうした社会情勢を踏まえ当社グループは、2018年4月に競合他社に先駆けてモバイルバッテリーシェアリングサービスを開始いたしました。

 

[利用料金について](2022年9月末現在)

 「ChargeSPOT」の利用料金は、最初の30分未満で165円(税込。以下同様)、6時間未満330円、24時間未満480円、48時間未満660円、その後は、24時間につき330円の追加と設定しております。

 なお、利用可能時間は120時間を上限としており、レンタル開始後120時間を超えた場合は、それまでの利用料金と違約金1,650円を含む合計3,300円を徴収することとしております。

 利用料金の決済手段としては、キャリア決済、クレジットカード等をはじめ様々なキャッシュレス決済手段に対応しており、サービス利用前に決済情報を登録していただくことで料金回収に係るリスクを低減しております。


[モバイルバッテリーについて]

 モバイルバッテリーの最大容量は5,000mAhとなっており、ケーブル端子は、USB-C、iOS、Micro USBの3種類が附属しているため、国内で普及するほとんどのスマートフォンやその他多くのモバイル機器に対応し、汎用性の高いサービスとなっております。


[バッテリースタンドについて]

 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドは、設置施設の要望に柔軟に対応できるよう、サイズ別に5つのモデルを展開しております。


② サイネージサービス

 各バッテリースタンドのサイネージ画面を広告枠として、広告主や設置先等に提供し、広告収入を得ております。配信内容は、全国規模のPRから近隣地区への告知まで、エリア、業種業態、ブランドやターゲットに合わせた自由なカスタマイズが可能となっており、設置施設毎に独自のサイネージ配信を行っております。


(2)当社グループが提供するサービスの特徴

① 設置先に負担の少ない契約体系

 設置先に提供するバッテリースタンドは、設置先との契約に基づき原則として無償貸与しており、設置先の費用負担を低減しております。また、モバイルバッテリーやバッテリースタンドの故障状況はシステム管理されており、何らかの異常が発覚した場合は、直ちに当社グループのスタッフを派遣し、回収・修理・交換を行うことでオペレーションに係る設置先の負担を軽減しております。


② ドミナント戦略に基づく「ChargeSPOT」の拡大

 コンセプトとしている「どこでも借りられて、どこでも返せる」を実現する観点から、人の集積しやすい地域の施設や店舗に集中的に設置することが効果的であると考えております。

 こうした考えに基づき、バッテリースタンドの設置場所は、都市部を中心とした、駅、娯楽施設、コンビニエンスストア、飲食店等に集中して展開しております。また、ラウンダーと呼称するスタッフが各設置場所を巡回しモバイルバッテリーの補充または回収を行うことで偏在解消を図っております。

 この結果、2022年9月末現在、国内で35,352台の設置を実現しております。具体的な設置先の例は以下のとおりであります。


③ 海外マーケットへの進出

 海外では、香港、台湾、中国本土、タイでChargeSPOT事業を展開しております。

 ChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリー及びバッテリースタンドの研究開発は、中国広東省所在の連結子会社である殷富利(广州)科技有限公司で行っており、生産は同社から現地の外部企業へ委託しております。

 中国国内におけるサービス提供は、殷富利(广州)科技有限公司が中国本土、香港所在の連結子会社INFORICH ASIA HONG KONG LIMITEDが香港及び台湾で展開しており、香港所在の連結子会社INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITEDは上記2社の経営管理を行っております。


 ④ 自前の製品開発

 「ChargeSPOT」で貸し出しするモバイルバッテリーは、当社グループが独自に開発した製品であり、従来のコンセント式やBOX型充電器とは異なり、持ち運びが可能となっております。また、充電ケーブル端子は3種類附属しており、国内で流通しているほとんどのモバイル機器で使用可能といった特徴があります。また、感染症対策の一環として、表面には抗ウイルス、抗菌加工を実施しております。当該モバイルバッテリーは、自社開発であるが故に、開発コストが抑えられているとともに、今後の機能改善等について、タイムリーな対応が可能となっております。

  

【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/03 連結3Q累計実績 2,879 -1,250 -872 -890

2023/03 連結会社予想 4,329 -1,548 -1,199 -1,163

2022/03 連結実績 1,645 -1,937 -1,946 -2,209

2021/03 連結実績 561 -1,727 -1,885 -1,933


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/03 連結会社予想 -649.01 - -


上場時発行済株数 1,846,620株(別に潜在株式288,590株)

公開株数 64,500株(公募56,100株、オーバーアロットメント8,400株)

調達資金使途 設備資金


募集を行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:3.0億

公募時時価:85億

【株主構成】 

秋山広宣 代表取締役社長兼執行役員CEO 356,780 17.16% 180日

日本郵政キャピタル(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 115,025 5.53% 90日・2倍

GMCM VentureCapitalPartners I ベンチャーキャピタル(ファンド) 108,370 5.21% 90日・2倍

ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン(有) ベンチャーキャピタル(ファンド) 106,500 5.12% 90日・2倍

WISELY HARVEST LIMITED 特別利害関係者など 105,000 5.05% 90日・2倍

MRA Investments Pte.LTD ベンチャーキャピタル(ファンド) 100,900 4.85%

コタエル信託(株) 新株予約権の受託者 61,670 2.97%

FIVESTAR VC1(同) ベンチャーキャピタル(ファンド) 58,175 2.80%

HFA2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 55,245 2.66% 180日・2倍

ネクストユニコーン第2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 52,850 2.54%

EMURGO GROUP PTE. LTD. 特別利害関係者など 44,500 2.14%


本募集に関連して、当社の株主である日本郵政キャピタル株式会社、GMCM Venture Capital PartnersⅠInc.、ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン有限会社、WISELY HARVEST LIMITED、EMURGO GROUP PTE. LTD.、Tridel Capital Group Limited、一般社団法人日本国際経済開発機構(※)、谷家衛、Ayres Masaaki、ソースネクスト株式会社、TRIFORCE PARTNERSHIP FUND1投資事業有限責任組合、Chartwell Capital Inc.、Borderland Global Limited、MTパートナーズ株式会社、iClick Interactive Asia Limited、石田克史、日本システムテック株式会社、株式会社電通グループ、株式会社ホリプロ、株式会社MCJ、他23名は保有する当社株式772,150株について、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2023年3月19日)までの期間(以下、「ロックアップ期間①」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、売却価格が本募集における発行価格若しくは売出価格の2倍又は2021年11月8日付で当社が発行したD種優先株式の発行価格である57,328円を2022年9月30日を効力発生日とする1株につき5株の割合での株式分割を踏まえて調整した額である11,466円のいずれか高い方以上での売却等を除く。)を行わない(以下「ロックアップⅰ」という。)旨を合意しております。

 加えて、HFA2号投資事業有限責任組合、TEPCOライフサービス株式会社、一般社団法人日本国際経済開発機構、株式会社アップサイド、HiCAP3号投資事業有限責任組合、HFA3号投資事業有限責任組合、半田紡績株式会社、富田大介、FUSIAN CAPITAL株式会社、株式会社IDEA、ナントCVC2号投資事業有限責任組合、河野雄介、T.O合同会社、他29名は保有する当社株式267,650株について、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2023年6月17日)までの期間(以下、「ロックアップ期間②」といい、「ロックアップ期間①」とあわせて以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、売却価格が本募集における発行価格若しくは売出価格の2倍又は2021年11月8日付で当社が発行したD種優先株式の発行価格である57,328円を2022年9月30日を効力発生日とする1株につき5株の割合での株式分割を踏まえて調整した額である11,466円のいずれか高い方以上での売却等を除く。)を行わない(以下「ロックアップⅱ」という。)旨を合意しております。

 また、株主かつ貸株人である秋山広宣並びに当社の株主である秋山眞智子、秋山朋絵は主幹事会社に対し、ロックアップ期間②中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しており、児玉知浩、乾牧夫、高橋朋伯、梶桃郎、他32名は保有する当社の新株予約権21,200個(本書提出日現在において目的となる株式は106,000株)について、主幹事会社に対し、ロックアップ期間②中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却を行わない旨を合意しております。


【代表者】

代表者名 秋山 広宣(上場時42歳1カ月)/1980年生

本店所在地 東京都渋谷区神宮前

設立年 2015年

従業員数 93人 (2022/09/30現在)(平均34.8歳、年収537.3万円)、連結189人

事業内容 モバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT」の運営、「ChargeSPOT」に付随するサイネージ広告の販売および運営

URL https://inforich.net/

株主数 121人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2022/11/16現在)

代表者生年月日 1980年11月10日生まれ

代表者略歴

2002年04月 株式会社二樹エレクトロニクス 入社

2004年01月 株式会社バンテック 入社

2007年05月 ユニバーサルミュージック  アーティスト契約

2014年07月 Global Gate Japan Limited Director就任

2016年06月 当社 取締役就任

2017年09月 当社 代表取締役就任(現任)

2019年03月 INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED Director就任(現任)

2022年01月 在日香港企業家協会 理事就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 50,700 90.37%

引受証券 SBI 2,000 3.57%

引受証券 楽天 1,100 1.96%

引受証券 岡三 1,100 1.96%

引受証券 丸三 400 0.71%

引受証券 ちばぎん 400 0.71%

引受証券 ひろぎん 400 0.71%


【参考類似企業】 今期予想PER(12/2)

00000 Smart Share Global(怪獣充電)16.0倍 (連結予想)

9416 ビジョン 42.5倍 (連結予想)


【私見】

 街で見かけるモバイルバッテリーシェアリングサービスということで、普及率が高いことは評価できますが、携帯バッテリーなどもあることから、あると便利ですが意外と使わないことが多く今後利益がでるビジネスモデルなのかという疑問もあります。また、売上の伸びが良いですが、赤字は続き黒字化は見通しはいつなのかという不安要素は高いです。吸収金額は極端に少ないので、動きはロックなしVC次第で予想が難しい銘柄ではありますが、元ラッパーで話題性から上がりそうな匂いはします。


想定価額:4400円

仮条件上限:4600円

初値予想:6500円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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