2020年12月3日木曜日

IPO分析(ビートレンド)

 【事業内容】

  当社は飲食店や小売店を展開する企業等に対して、顧客管理ツールとして多様な情報送受信の手段及び情報分析手段を有するCRMソフトウエアプラットフォーム「betrend」を、SaaS型で継続的に提供するとともに顧客ニーズに合わせた周辺サービスを提供しています。

 「betrend」は、顧客情報をベースとした機能をメール配信サービスに限定した「メールマーケティングサービス」及び「メールマーケティングサービス」機能に加え、顧客管理ツールも含めた「スマートCRMサービス」の2つのサービスに大別され、直販または代理店販売により提供しております。

 これらのサービスは月額定額課金に加えて、会員数や通信料に応じた従量課金や店舗毎課金を組み合わせた年間契約(リカーリングレベニュー)を基本とするいわゆるストック型のビジネスモデルとなっています。

 このほか、サービス導入時の初期設定や導入企業の既存システムとの連携、導入企業毎のニーズに合わせたカスタマイズ開発、その他スマートCRM周辺サービスとして都度手配されるサービス(ワンショットレベニュー)で構成しております。

 当社は「betrend事業」の単一セグメントでありますが、収益の特性別に、CRMサービス、カスタマイズサービス、その他サービスに区分しております。

なお、当社の2019年12月期の売上高のうち75.8%が、解約されない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上(リカーリングの性質の売上)で構成されており、当社の安定的な収益基盤を構成しております。


①CRMサービス(=リカーリングレベニュー)

a.スマートCRMサービス

 導入企業は、主として飲食店・小売店・サービス提供店など実店舗を多店舗展開する企業となっています。導入企業は、スマートCRMサービスを活用し、会員登録する顧客の個人情報である氏名・メールアドレス・会員ID・住所・性別・生年月日・職業などの属性データや、来店回数・来店日付・ポイント数・クーポン利用回数・来店スタンプ数・購買商品・購買金額などの行動履歴や購買履歴情報など多くの情報を管理しております。

 情報送受信の手段には、会員登録フォーム・メール配信・空メール送信・アプリプッシュ通知・音声自動送受信(IVR)・LINE連携などがあります。

情報分析の手段には、グラフなどでデータ分析できるダッシュボード、他社の有力な分析ソフトへデータを移行できるツールなどがあります。

当社の提供する「betrend」は、それぞれのサービスが一つのデータベースに統合管理された上で、有機的に連動して稼働するため、ワンストップで機能活用ができ、契約も当社一社で完結できるため、契約にかかる手続きやサービス毎に散逸したデータを連携させる作業を省略できる特長があります。

 さらに、データセンター及びネットワークは、24時間365日稼働状況を監視管理するために十分な人員を擁する業界大手の委託先と契約して安定的・継続的な稼働を担保する体制を完備しています。契約企業の貴重な資産である顧客情報を安全にお預かりするため、委託先データセンター、当社ともにセキュリティに関する資格として、一般財団法人日本情報経済社会推進協議会(JIPDEC)が認証するプライバシーマークや、ISO27001(JIS Q 27001)で定義されているセキュリティマネジメント基準を取得して信頼性の高いシステム運営を行っています。また、当社独自に開発した個人情報の暗号化保存管理の際の鍵管理方式(特許登録第6353861号)もご要望により配備することができます。


b.メールマーケティングサービス

 顧客情報をベースとする各種情報配信機能のうち、メール配信機能及びDMの配信機能に限定したサービスです。導入企業は、飲食店、小売店だけでなく、金融機関、学校、官公庁・自治体、エンターテイメントサービスなど、大量高速のメール配信機能を活用する幅広い顧客層を有しています。

 スマートCRMサービスはポイント機能やスタンプ機能など購買行動履歴や来店履歴を蓄積管理している顧客導入企業が多く、継続利用が前提のサービスとなっており、直近12ヶ月の平均月次解約率は契約金額ベースで0.6%となっております。また、メールマーケティングサービスは、継続的に利用されるサービスではありますが、スマートCRMに比べて情報配信のみに機能が限定されることから他のサービスへのシフトなどにより、直近12ヶ月の平均月次解約率は契約金額ベースで1.5%とスマートCRMサービスに比べ高くなっております。


②カスタマイズサービス(=ワンショットレベニュー)

導入企業の既存システムとの連携、導入企業ごとのニーズに合わせたシステム構築などカスタマイズのためのシステム開発が伴う場合には、それらの開発費と年間保守料を収受しております。


③その他サービス(=ワンショットレベニュー)

 上記サービスに加え周辺サービスとして、スマートCRMのデータを活用したDM配信指示を受け、DM(はがき等紙類)や会員カード等を印刷納品・郵送するサービス、ネット通販を支援するフルフィルメントサービスや商品・決済会社と接続連携するサービス等を提供しています。 



【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2018.12 635 17 16 9

(単独実績)2019.12 746 51 53 37

(単独予想)2020.12 846 91 91 66

(単独3Q累計実績)2020.12 629 80 80 55


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2020.12 69.97 511.68 0

調達資金使途 システム開発、採用費・人件費


上場時発行済み株数 1,028,800株 (別に潜在株式68,700株)

公開株数 189,100株(公募80,000株、売り出し84,500株、オーバーアロットメント24,600株)


PER:40.0

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:5.3億

公募時時価:29億

    

【株主構成】 

永山隆昭 取締役 521,500 51.25 180日

井上英昭 代表取締役 224,400 22.05 180日

富士フイルム(株) 特別利害関係者など 92,400 9.08 90日

(株)USEN-NEXT HOLDINGS 特別利害関係者など 20,000 1.97

投資事業組合オリックス11号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 20,000 1.97

須山聖一 特別利害関係者など 12,000 1.18

(株)エスネットワークス ベンチャーキャピタル(ファンド) 10,500 1.03

平川雅隆 取締役 9,000 0.88 180日

沢田瑞樹 取締役 9,000 0.88 180日

佐野力 特別利害関係者など 8,800 0.86

井上眸 代表取締役の血族 6,000 0.59

 

【代表者】

代表者名 井上 英昭(上場時58歳11カ月)/1962年生

本店所在地 東京都港区赤坂

設立年 2000年

従業員数 46人 (10/31現在)(平均39.8歳、年収587.5万円)

株主数 41人 (目論見書より)

資本金 173,528,000円 (11/12現在)

代表者生年月日 1962年01月06日生まれ

代表者略歴

年月 概要

1984年04月 日本ディジタルイクイップメント(株)(現 日本ヒューレット・パッカード(株)) 入社

1994年07月 日本オラクル(株) 入社

1998年04月 同社ハイテク産業営業部長(兼)サプライチェ―ンマネジメント営業部長

1999年07月 ネットグラビティ・アジアパシフィック(株) 日本担当ディレクター

2000年03月 当社設立 代表取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 156,500 95.14

引受証券 丸三 1,600 0.97

引受証券 いちよし 1,600 0.97

引受証券 岩井コスモ 1,600 0.97

引受証券 エース 1,600 0.97

引受証券 マネックス 1,600 0.97


【参考類似企業】参考類似企業 今期予想PER

2352  エイジア 36.2倍(連結予想 )

3908  コラボス 625.0倍(単独予想 )

3919  パイプドH 18.5倍(連結予想 )

3974  TBCSCAT 26.8倍(連結見込 )


【私見】

 業種的には、SaaS関連でそれなりの評価はできますが、優位性はそれほど感じません。業績は小規模でこれからといったところで、成長性を加味すれば上値は充分ありそうです。一番の利点は需給で、吸収金額は小さく、VCもいなく売り圧力はないので地合いさえ良ければ跳ねる可能性もあります。


想定価額:2680円

仮条件上限:2800円

初値予想:6500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

0 件のコメント:

コメントを投稿