2020年12月10日木曜日

IPO分析(東京通信)

 【事業内容】

 (1)アプリ事業

 アプリ事業は、主にスマートフォン向けの無料カジュアルゲームアプリを企画・開発し、アプリ内の一部スペースを広告枠として、広告を出稿したい広告主へ提供することでユーザーのクリック数等を獲得し、広告収入を得る事業を展開しております。性別を問わず、幅広い年齢層に気軽に楽しんで頂くことを重視しているため、シンプルなゲームアプリであることが最大の特徴と認識しております。

 アプリを大別すると、カジュアルゲームアプリとハイパーカジュアルゲームアプリの2つに分類でき、カジュアルゲームアプリは国内外へ展開し、ハイパーカジュアルゲームアプリは海外への展開を主軸としております。なお、ハイパーカジュアルゲームアプリとは、カジュアルゲームアプリと比較して、そのゲームデザインが、よりシンプルであることが特徴であります。

 当社グループは、国内向けカジュアルゲームアプリの売上高が2019年12月期は前期比39.8%増の1,063,767千円となり、国内でのトラックレコードを着実に積み上げてきたとの自負があります。今後は、ハイパーカジュアルゲームアプリを含めた海外での展開を強化し、実績を積み上げていくことに注力していく方針であります。現在は、米国及び中国での展開を推進しておりますが、日本の文化と異なる国や地域での展開に当たっては、その好みや特性を見極めたうえ、当社グループの強みであるマーケティング力を活かし、多種多様なゲームアプリを配信してまいります。当社グループでは、多くのユーザーが広告接触することが収益拡大の機会となることから、自社アプリのユーザーを増やすために、他社アプリ内の広告枠等へ自社アプリの広告を出稿することで、自社アプリの宣伝及び認知度の向上を行っております。トラックレコードの積み上げにより、どのような広告出稿方法がより効果的なものかの判断材料となり、また、ゲームアプリの多様化により新規ユーザーの獲得に寄与するものと考えております。


(2)広告代理事業

 広告代理事業は、主にテクノロジーを活用したアフィリエイト広告(成果報酬型広告)代理事業を展開しており、2019年12月期より運用型広告にも取り組んでおります※5。

事業の特徴として、VOD(Video On Demand)サービスに強みを持っており、クローズドネットワークを通じて、過去に実績がある等の集客力に強みを持つ有望なアフィリエイターを発掘しております。また、取引不正防止に重点を置く等、大手広告主との信頼関係が構築できております。当該事業の売上高は、主にアフィリエイト広告または運用型広告における獲得件数に広告主から受け取る成果報酬を乗算した売上高総額に広告原価(アフィリエイターに対する成果報酬や運用型広告費)総額を減算した売上総利益額総額が売上高(純額)となります。有望なアフィリエイターの発掘は新規ユーザーの獲得に、また、大手広告主との信頼関係は成果報酬に寄与することから、これらの対応は引き続き強化していく方針です。

 また、広告出稿の一元管理サービスである当社グループ独自のワンタグサービス※9の提供により、国内主要ASP※10への一括出稿及び効率的な成果管理を可能なものとしております。

(3)その他

 投資事業におきましては、主に持分法適用会社であるBASE Partners Fund 1号投資事業有限責任組合を通じて投資することとしており、投資対象企業は、インターネット企業であり、投資ラウンドがシード、アーリー、またはシリーズA、かつ投資規模が概ね2,000万円から5,000万円としております。BASE Partners Fund 1号投資事業有限責任組合は、当社及び連結子会社の東京通信キャピタル合同会社が無限責任組合員となる連結子会社のbasepartners有限責任事業組合及び外部有限責任事業組合の2社で運営しており、basepartners有限責任事業組合は運用資産の管理を、外部有限責任事業組合は投資先企業の発掘をそれぞれの主力業務としております。その他、事業シナジーが見込め、また将来当社グループの事業となりうる企業または事業については、当社として投資を行っていく場合があります。ソリューションセールス事業はOA機器等の販売代理を主力事業としております。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2018.12 1,236 305 238 90

(連結実績)2019.12 1,640 270 268 144

(連結予想)2020.12 2,103 305 288 129

(連結3Q累計実績)2020.12 1,658 302 299 137


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2020.12 29.92 - 0

調達資金使途 運転資金、借入金返済


上場時発行済み株数 4,937,500株 (別に潜在株式80,910株)

公開株数 1,150,000株(公募610,000株、売り出し390,000株、オーバーアロットメント150,000株)


PER:41.8

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:14.3億

公募時時価:62億

    

【株主構成】 

(株)YSホールディングス 役員らが議決権の過半数を所有する会社 2,740,000 62.15 90日

(株)monolice 役員らが議決権の過半数を所有する会社 430,000 9.75 90日

外川穣 代表取締役会長 413,000 9.37 90日

古屋佑樹 代表取締役社長CEO 313,865 7.12 90日

村野慎之介 取締役CFO 100,000 2.27 90日

SHINOSKAL(同) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 100,000 2.27 90日

(株)セレス 特別利害関係者など 80,000 1.81 90日・1.5倍

寺山隆一 特別利害関係者など 64,500 1.46 90日・1.5倍

サンエイト・PS1号投資事業組合 ベンチャーキャピタル(ファンド) 37,500 0.85 90日・1.5倍

みずほ成長支援第3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 27,500 0.62 90日・1.5倍

 

【代表者】

代表者名 古屋 佑樹(上場時34歳1カ月)/1986年生

本店所在地 東京都渋谷区恵比寿南

設立年 2015年

従業員数 48人 (10/31現在)(平均34.9歳、年収577.1万円)、連結52人

株主数 11人 (目論見書より)

資本金 120,525,000円 (11/19現在)

代表者生年月日 1986年11月14日生まれ

代表者略歴

年月 概要

2009年04月 (株)シーエー・モバイル(現(株)CAM)入社

2015年05月 当社設立、代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 野村 900,000 90.00

引受証券 みずほ 30,000 3.00

引受証券 岩井コスモ 30,000 3.00

引受証券 いちよし 15,000 1.50

引受証券 SBI 10,000 1.00

引受証券 マネックス 5,000 0.50

引受証券 楽天 5,000 0.50

引受証券 松井 5,000 0.50


【参考類似企業】

参考類似企業 今期予想PER(11/27)

2121  ミクシィ 16.3倍(連結予想 )

2122  Iスペース 21.5倍(連結予想 )

2461  ファンコミ 16.6倍(連結予想 )

2489  アドウェイズ 39.9倍(連結予想 )

2491  Vコマース 31.5倍(連結予想 )

3632  グリー 42.7倍(連結予想 )

3656  KLab 41.7倍(連結予想 )

3668  コロプラ 19.2倍(連結予想 )

3689  イグニス 37.9倍(連結予想 )

3758  アエリア -倍(連結予想 )

3760  ケイブ -倍(連結予想 )

3765  ガンホー 12.7倍(連結予想 )

4393  バンクイノベ 39.6倍(連結予想 )


【私見】

 無料ゲームなどを柱とすアプリ事業で、有料の携帯ゲームを主としている会社とは別で独自性はありますが、大きな成長性はなさそうな会社です。PERは高めの設定ですが、売り上げは伸びているので成長性を加味した価額になっているとは思います。需給も目立ったVCはなく、規模的には大きくはないので初値段階で上がりそうですが、何倍にもなる銘柄ではないと思います。


想定価額:1250円

仮条件上限:1250円

初値予想:2800円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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