2020年12月1日火曜日

IPO分析(スタメン)

 【事業内容】

 (1)当社サービスについて

 エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」は企業のエンゲージメント向上を通じて、企業活動を支援するプラットフォームサービスです。エンゲージメントとは「会社と従業員」のタテの相互信頼関係、及び「従業員同士」のヨコの相互信頼関係が確立されている状況と定義づけており、待遇や環境など与えられるモノの上に成り立つ従業員満足度とは異なる概念であります。信頼関係を土台とするエンゲージメントについては、業績指標や離職率との相関関係が報告されておりますが、米ギャラップ社が世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント調査(State of the Global Workplace:Gallup,2017)によると、我が国のエンゲージメントスコアは140カ国中135位という結果となっております。

 エンゲージメントの向上、組織改善を行なっていくためには、①現状の課題を明らかにした上で、②それに対して適切な施策を設計し、③さらに設計した施策を継続的に実施していくという3つのステップが必要となります。「TUNAG」は、それぞれのステップに対して「エンゲージメントサーベイ」「組織改善コンサルティング」「社内制度運用クラウド」というソリューションを提供できるエンゲージメント向上へのワンストップサービスとなっております。


 「TUNAG」のクラウドツール上では、社内制度が一元的に見える化されており、従業員が利用しやすい環境を提供しております。社内制度が利用されたときには、利用した場所、一緒に参加した従業員、写真などの内容がタイムラインに投稿として自動で共有され、それを見た他の社員との新たなコミュニケーションを発生させるとともに、さらなる社内制度の利用を促します。こうして投稿が蓄積されていくことで、次第に、社内文化の構築、浸透が進んでいきます。また、組織単位の運用状況については、人事担当者が直感的に把握することのできる分析ダッシュボードを提供しており、分析ダッシュボードでは施策の活用度合いや各種ランキング、部署役職ごとのセグメント分析などが可能となっています。


(2)当社のビジネスモデル

 エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」はクラウド上で提供するサービスの対価を利用期間に応じて受領するサブスクリプションモデルを採用しており、アカウント数に応じた料金体系となっております。月額利用料をストック収益として積み上げていくことで、継続的な顧客接点にもとづくサービスの向上と安定収益基盤の拡大を目指しております。

 政府主導で“働き方改革”が推進されている国内において、“エンゲージメント経営支援”という独自の切り口を提案すること、また「組織課題の解決」という企業経営の根幹を事業領域としていることにより、「TUNAG」はサービス提供開始以降、業種・業態を問わず契約企業数を拡大しております。また、継続ライセンスの蓄積により、売上高ストック比率(「TUNAG」の売上高に占める、利用料やオプション等の月額収益の割合)についても高水準を維持しております。

 新規顧客獲得については、Web広告、イベント出展、架電などの自社の営業活動によるものとパートナーからの顧客紹介によるものがあります。現時点の契約の大半は自社活動によるものであり、マーケティング活動の強化や導入実績の蓄積により、問い合わせ件数の増加につなげております。パートナーからの顧客紹介については、成約となった場合、月額利用料等の一部を販売手数料として継続的に支払い、更なる顧客紹介につなげております。自社・パートナー双方の活動により、大規模企業からの受注も増加しており、従業員数1,000人以上の企業におけるストック収益が、2017年度末から2020年第3四半期末まで継続的に増加しております。

 また、企業以外の組織への汎用性も見込んでおり、同一オフィスビルの利用者等に向けたコミュニティエンゲージメント、スポーツやタレントを応援するファンエンゲージメントといった展開を開始しております。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2018.12 113 -143 -143 -144

(単独実績)2019.12 396 -36 -36 -36

(単独予想)2020.12 612 18 7 3

(単独3Q累計実績)2020.12 444 11 8 6


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2020.12 0.51 102.96 0

調達資金使途 広告宣伝費、採用教育費・人件費、外注費・業務委託費、オフィス移転費用、借入金の返済

上場時発行済み株数 8,425,000株 (別に潜在株式417,000株)

公開株数 1,840,000株(公募1,000,000株、売り出し600,000株、オーバーアロットメント240,000株)


PER:

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:16.2億

公募時時価:74億

    


【株主構成】 

加藤厚史 代表取締役社長 4,265,000 54.39 180日

ジャフコSV5共有投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 960,000 12.24 90日・1.5倍

(株)スターフロンツ 役員らが議決権の過半数を所有する会社 600,000 7.65 180日

大西泰平 取締役 455,000 5.80 180日

(株)エイチーム 特別利害関係者など 400,000 5.10 90日・1.5倍

ジャフコSV5スター投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 240,000 3.06 90日・1.5倍

(株)ライフワーク 役員らが議決権の過半数を所有する会社 200,000 2.55 180日

中京テレビ放送(株) 特別利害関係者など 100,000 1.28 

小林一樹 常務取締役 100,000 1.28 180日

満沢将孝 取締役 100,000 1.28 180日

(株)DGベンチャーズ ベンチャーキャピタル(ファンド) 75,000 0.96 90日・1.5倍


【代表者】

代表者名 加藤 厚史(上場時39歳7カ月)/1981年生

本店所在地 愛知県名古屋市中村区

設立年 2016年

従業員数 58人 (9/30現在)(平均28.9歳、年収431.9万円)

株主数 19人 (目論見書より)

資本金 202,500,000円 (11/11現在)

代表者生年月日 1981年04月19日生まれ

代表者略歴

年月 概要

2006年04月 中京テレビ放送(株)入社

2008年01月 (株)エイチーム入社

2010年10月 同社取締役

2016年01月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 1,472,000 92.00

引受証券 野村 48,000 3.00

引受証券 みずほ 16,000 1.00

引受証券 SMBC日興 16,000 1.00

引受証券 SBI 16,000 1.00

引受証券 マネックス 16,000 1.00

引受証券 東洋 16,000 1.00


【参考類似企業】 参考類似企業 今期予想PER (11/16)

3921  ネオジャパン 72.8倍(連結予想 )

3991  ウォンテッドリ 1,863.1倍(連結予想 )

3999  ナレッジスイト 491.8倍(連結予想 )

4397  チームスピリト 288.9倍(連結予想 )

4435  カオナビ -倍(単独予想 )

4448  Chatwork 220.3倍(単独予想 )

4476  AICROSS 51.9倍(単独予想 )

4776  サイボウズ 93.7倍(連結予想 )


【私見】

 エンゲージメント経営プラットフォームという聞きなれない言葉ですが、働き方改革銘柄で狭い範囲ですが初物としての優位性はあります。創業間もないことから売上・利益とも小さいですが、成長性はあると思います。需給はジャフコなど売りそうなVCがいるので1.5倍を超えると売り圧力はありそうで、規模的には200憶がラインだと思っています。年末ラリーがあればもう一超えあるかもしれません。


想定価額:800円

仮条件上限:880円

初値予想:2200円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価4

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