2020年12月3日木曜日

IPO分析(ローランド)

 【事業内容】

1972年の設立以来、エレクトロニクスの技術進歩にあわせ絶え間なく研究開発を行い、世界に先駆けた多くの技術や製品を生み出し、楽器市場へ新たな価値を提案することで、電子楽器の分野で世界的なブランドを確立してきました。現在では、電子ピアノ、電子ドラム、シンセサイザー、ギター関連機器等、様々な製品ラインを総合的にバランスよく展開しており、また「音」と「映像」の融合にもいち早く取り組み、映像関連機器の開発から販売までを事業として確立しています。海外展開については、創業当初の1970年代後半から販売会社の設立を積極的に行い、世界中のあらゆる地域において製品展開しており、当社グループの収益の85%は(2019年12月期現在)日本国外から得ています。

 特に、近年では、成長著しい新興国市場に対して、現地の音楽文化や需要に即した製品投入を行っていくことで、販売拡大に注力しています。製造については、海外生産を基本として、製品特性に応じて自社工場と外部委託から最適な拠点を選択することで、柔軟な体制を築いています。  


・電子楽器市場と当社グループの位置付け

Music Trades誌によると、各地域における楽器市場の規模は以下の通りであり、北米が最大の市場となっています。また、各地域の年平均市場成長率を見ると、日本は低迷している一方、中国をはじめとする海外市場においては伸びが見られ、楽器市場の成長は海外が牽引しているものと考えています。

当社グループは、創業当初より海外市場にフォーカスしており、高い海外販売比率を支えるグローバル・ネットワークを構築してきました。


・組織体系

当社及び各関係会社の機能は、次のように大別できます。

 まず当社は、当社製品の企画やR&D(研究開発)といった開発活動を担っています。また、グループ全体の監督、予算及び事業計画の承認も、当社の重要な機能の一つとなっています。他にも当社は、本社機能に加えて、主に映像関連機器の生産を担う製造工場としての機能や、日本国内市場に向けて当社製品を販売する販売機能も兼ね備えています。

 次いで、当社製品の生産の大部分を担う製造子会社が2社あります。そのうち、2014年に設立されたRoland Manufacturing Malaysia Sdn. Bhd.は、主に電子ピアノや電子ドラム等の主力製品の生産を担っているマレーシア工場で、当社グループの主力生産拠点です。

 また、当社製品の販売に携わる主要な販売子会社が計18社あり、内訳としましては、米州地域に主力販売子会社のRoland Corporation U.S.を含む4社、欧州地域に欧州販売会社を統括するRoland Europe Group Ltd.をはじめとする12社、アジア・オセアニア地域に2社を設置しています。北米、欧州、中国・アジア、日本という世界の主要市場を中心に販売活動を展開しており、それぞれの市場や商習慣に合わせた販売活動に注力しています。

 他には、マレーシアで2017年に設立されたMI Services Malaysia Sdn. Bhd.が、製造子会社2社の株式保有及び事業活動統括を担っている他、製造子会社と販売子会社の間に立って当社製品の仕入販売及び物流管理の業務を担っています。

 


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2018.12 61,153 5,854 5,169 3,048

(連結実績)2019.12 63,247 5,269 4,726 2,629

(連結予想)2020.12 65,248 6,884 5,907 3,978

(連結3Q累計実績)2020.12 46,321 5,435 4,816 3,331


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2020.12 148.13 704.91


上場時発行済み株数 27,343,830株 (別に潜在株式1,175,200株)

公開株数 12,295,500株(売り出し11,710,000株、オーバーアロットメント585,500株)


PER:4.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:400億

公募時時価:891億

    *3260円で計算


【株主構成】 

Taiyo Jupiter HD, L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 25,949,430 90.98  360日

三木純一 代表取締役社長上席執行役員、子会社役員 582,300 2.04 360日

(株)日本カストディ銀行(信託口) 特別利害関係者など 491,010 1.72 180日

社員持ち株会 特別利害関係者など 347,520 1.21 180日

柳瀬和也 上席執行役員、子会社役員 255,130 0.89 360日

池上嘉宏 上席執行役員、子会社役員 252,820 0.88 360日

ゴードン・レイゾン 取締役上席執行役員、子会社役員 130,000 0.45 360日

田村尚之 上席執行役員、子会社役員 98,320 0.34 360日

ジェイ・ワナメイカー 子会社従業員 78,000 0.27 360日

湯川純郎 特別利害関係者など 77,520 0.27 360日

 

【代表者】

代表者名 三木 純一(上場時65歳9カ月)/1955年生

本店所在地 静岡県浜松市北区

設立年 1972年

従業員数 862人 (9/30現在)(平均44.9歳、年収691.4万円)、連結2450人

株主数 9人 (目論見書より)

資本金 9,421,401,000円 (11/11現在)

代表者生年月日 1955年03月01日生まれ

代表者略歴

年月 概要

1977年03月 当社入社

1994年04月 細江プロジェクト部マネージャー 6月:取締役

1999年06月 常務取締役

2007年06月 執行役員

2010年06月 取締役

2012年04月 取締役オルガン開発部長

2013年04月 代表取締役社長(現) ボス(株) 代表取締役社長 7月:取締役社長執行役員

2015年01月 取締役上席執行役員(現)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

主幹事証券 UBS - -

引受証券 野村 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 マネックス - -


【参考類似企業】 参考類似企業 今期予想PER

2469  ヒビノ -倍(連結予想 )

6694  ズーム 9.8倍(連結予想 )

6803  ティアック 30.9倍(連結予想 )

6952  カシオ 74.5倍(連結予想 )

7951  ヤマハ 63.1倍(連結予想 )

7952  河合楽 -倍(連結予想 )


【私見】

 VCの再上場案件で、業種も楽器で真新しさは感じません。PERは非常に低いので下値不安はありませんが、成長性を加味すると上にいくことはイメージできません。VCもロックがかかっているので売り圧力はありませんが、規模は大きいので買いは少なく公募近辺の動きが予想されます。


想定価額:3260円

仮条件上限:3710円

初値予想:3600円

ブック申し込み度・・・弱気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価2.5

0 件のコメント:

コメントを投稿