2021年12月9日木曜日

IPO分析(三和油化工業)

 【事業内容】

  (1) リユース事業

 主に製造業顧客の工場から排出される使用済み廃溶剤、廃酸、有用金属等を含む産業廃棄物などを当社グループの設備により中間処分・再資源化し、元の用途や塗料、洗浄剤、表面処理剤等の素材として再使用できるマテリアルリサイクルをしていくことを目的とし、再生製品の販売が収益の主体となる事業です。

 国内の様々な業種の事業場より引き取りした有機溶剤や無機酸などの使用済み廃棄物原料を、蒸留・溶媒抽出などの化学的手法により分離・精製をし目的物を回収します。回収した再生製品は元の顧客に戻し再使用(リユース)していただくことや、他の顧客に販売し新品(バージン品)に代わる素材原料として再利用いただいております。

 従来は、焼却を中心とした「処分されてきた産業廃棄物」を当社グループでは「資源」と捉え、有効利用することにより、焼却処分時に排出されていたCO2を削減(環境負荷を低減)し、資源の有効利用や国内製造業のコスト削減にも貢献することができます。

 

(2) リサイクル事業

 主に製造業顧客の工場から排出される使用済み廃溶剤、汚泥、廃プラスチック類などの産業廃棄物を当社グループの設備により中間処分・再資源化し、再生燃料(サーマルリサイクル)やセメント・石灰・鉄鋼の副原料及び副資材としての2次利用を中心とした再資源化を目的としている事業です。

 国内の様々な業種の事業場より引き取りした廃油や廃酸、廃アルカリ、汚泥、廃プラスチック類などの産業廃棄物を、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃掃法または廃棄物処理法)」に基づき、中和(※3)・混合エマルジョン化・混練などの化学的手法・物理的手法により中間処分・無害化します。中間処分・無害化した回収物は、重油や石炭の代替となる再生燃料として販売する(サーマルリサイクル)、あるいは成分を調整して、セメント・石灰・鉄鋼の副原料及び副資材として2次利用目的で販売しております。中間処分後の残渣等で有効利用が難しいものは、無害化された産業廃棄物として他の産業廃棄物処理業者へ処理委託しております。

 従来は、単純焼却・埋め立てなどの「処分されてきた産業廃棄物」を当社グループでは「資源」と捉え、元の用途や素材としての再使用ができないモノを、別の用途に再資源化することにより、環境負荷の低減と資源の有効利用に貢献しております。


 (3) 化学品事業

 有機化学品や無機化学品及びそれらを精製・加工した化学品の製造・販売及び受託加工を中心に行っている事業です。

 国内及び海外から化学品原料を仕入れ、当社グループの危険物貯蔵所及び倉庫にて一時保管、荷姿・納期を調整して様々な業種の顧客において洗浄や表面処理、樹脂等を溶解する溶媒として利用される汎用化学品を販売するほか、半導体や電子機器、電池などのエレクトロニクス分野で副資材として使用される高純度化学品の製造・販売・受託加工を行っております。特に高純度化学品につきましては、リユース・リサイクル事業で培った分離・精製技術及び分析技術を活用し、新品の化学品にも極微量に含まれている金属分や異物の除去などを行い、ppbオーダー(1%の1千万分の1)の高度な品質管理にも対応することができます。自社製品だけでなく、顧客の要望(原材料指定、工程管理、仕様など)に応じた受託加工も行っております。


(4) 自動車事業

 自動車メーカー及び自動車部品メーカーをメイン顧客として、潤滑油や金属加工油などの油剤製品、工業用洗浄剤及び自動車製造工程で使用される各種副資材の製造・販売を行っている事業です。

 愛知県という自動車産業が盛んな地域で創業した当社にとって、モノづくり精神の基盤をつくった事業となります。原材料を仕入れ、顧客ニーズに合わせて複数の原材料及び添加剤をブレンド調合することにより、製品に様々な性能を付与しております。幅広い選択肢の中から、環境負荷物質を使用していない、省エネ効果がある、安全性能が高い、工場ラインの作業環境改善に寄与するなど、顧客ニーズに最も適した製品を提案するために、特徴ある油剤、洗浄剤及び副資材の製品ラインナップを揃えております。

 

(5) PCB事業

 「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に基づき全国的に処理が進められているPCB含有廃棄物の適正処理を行うためのソリューションを提供する事業です。

 国内事業者が保有するPCB含有廃棄物について、PCB含有分析、洗浄無害化作業、設備解体作業、搬出作業、機器の補修作業、分別仕分け作業及び収集運搬業務等の最適なコーディネートを行い、許認可を受けた処分業者で適正処理がされるまでのトータルサポートを行っております。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(連結実績)2020.3 12,462 947 977 624

(連結実績)2021.3 12,460 1,060 1,081 727

(連結予想)2022.3 13,997 1,386 1,400 999

(連結中間実績)2022.3 7,245 866 876 566


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(連結予想)2022.3 274.10 - 25

調達資金使途 設備投資


上場時発行済み株数 4,286,000株

公開株数 1,012,000株(公募880,000株、オーバーアロットメント132,000株)


PER:12.8

PBR:

配当利回り:0.7%

公募時吸い上げ資金:35.4億

公募時時価:150億

    

【株主構成】 以下90日

(有)エムエムエス 役員らが議決権の過半数を所有する会社 700,000 20.55

柳忍 代表取締役社長の血族 500,000 14.68

柳均 代表取締役社長執行役員など 500,000 14.68

柳至 代表取締役社長の血族、子会社の取締役 400,000 11.74

三和油化社員持株会 特別利害関係者など 396,000 11.63

豊田通商(株) 取引先 336,000 9.86

碧海信用金庫 特別利害関係者など 168,000 4.93

(株)十六銀行 取引先 160,000 4.70

南海化学(株) 取引先 46,000 1.35

内田清志 子会社の取締役 36,000 1.06


 【代表者】

代表者名 柳 均(上場時46歳1カ月)/1975年生

本店所在地 愛知県刈谷市一里山町

設立年 1970年

従業員数 245人 (10/31現在)(平均35.6歳、年収535.5万円)、連結397人

株主数 64人 (目論見書より)

資本金 120,000,000円 (11/18現在)

代表者生年月日 1975年11月12日生まれ

代表者略歴 

1999年04月 当社入社

2000年02月 (有)エムエムエス取締役(現任)

2005年06月 サンワリューツー(株)取締役(現任)

2010年06月 当社専務取締役

2012年06月 当社代表取締役社長

2015年04月 サンワ石販㈱取締役(現任)

2018年01月 サンワ南海リサイクル(株)代表取締役社長(現任)

2021年04月 当社代表取締役社長執行役員(現任)


【幹事団】

主幹事証券 野村 770,000 87.50

引受証券 SMBC日興 44,000 5.00

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 44,000 5.00

引受証券 東海東京 13,200 1.50

引受証券 SBI 8,800 1.00


【参考類似企業】今期予想PER(12/1)

2195  アミタHD 71.3倍(連結予想 )

4406  日理化 15.2倍(連結予想 )

4970  東洋合成 58.7倍(単独予想 )

5013  ユシロ化 11.0倍(連結予想 )

5015  BPカストロール 20.5倍(単独予想 )

5018  MORESCO 6.1倍(連結予想 )

9793  ダイセキ 32.3倍(連結予想 )

9845  パーカー 6.1倍(連結予想 )


【私見】

 業種としては産廃などリサイクル事業が主で、IPOとしては地味ですが長期で考えれば悪くはないです。東証2部で業績は物足りませんが、PERからは割高感なく、長期で見れば上がるときはあるかもしれません。VCなしのロック完備なので需給の不安はありませんが、吸収金額はやや大きめで静かな動きになると予想します。


想定価額:3030円

仮条件上限:3500円

初値予想:3600円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3

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